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こんにちは、婚活FP山本です。現在の日本全体の平均年収は441万円とされています。これはこれで一つの正しい数字なのですが、社会には男性もいれば女性もいますし、若年者から高齢者もおり、さらに最近では正規・非正規の別もありますから、本当にさまざまです。
ぜひさまざまな角度で年収を知り、活かしていきましょう。そこで今回は、さまざまな日本人の年収別の割合分布についてたっぷりとお伝えします。あなたの人生に、お役立てくださいませ。
まずは早速、日本全体の年収分布についてお伝えします。国税庁の平成30年「民間給与実態統計調査」によると、平成30年の男女別の年収分布は以下のとおりです。
平成30年の男女別の年収分布
年収
男性
女性
100万円以下
3.3%
15.0%
100万円超200万円以下
6.6%
23.8%
200万円超300万円以下
11.0%
21.0%
300万円超400万円以下
17.3%
17.2%
400万円超500万円以下
17.8%
10.8%
500万円超600万円以下
13.5%
5.6%
600万円超700万円以下
9.2%
2.8%
700万円超800万円以下
6.4%
1.5%
800万円超900万円以下
4.4%
0.7%
900万円超1000万円以下
2.8%
0.4%
1000万円超1500万円以下
5.6%
0.8%
1500万円超2000万円以下
1.2%
0.2%
2000万円超2500万円以下
0.4%
0.1%
2500万円超
0.5%
0.1%
日本全体の年収分布では、男性は400万円台、女性は100万円台が最多となっています。そして男性なら年収600万円以下が約7割、女性なら年収300万円以下が約6割、年収400万円以下で約8割を占めているのが実情です。まずは、このような大局観を知っておきましょう。
この調査によると、正規・非正規別の平均給与は以下のようになっています。
男性…正規560万円、非正規236万円
女性…正規386万円、非正規154万円
このように、最近の給与所得者は男性でも正規・非正規で全然違うのが実情です。また先ほどの分布でも、約2割の男性は年収300万円以下でしたが、まさに男性の非正規率は2割程度になっています。「男性なら稼げて当然」ではない時代ですから、十分に注意しましょう。
次は、高額所得者の割合が高い業種と平均年収の関係についてお伝えします。先ほどの調査によると、もっとも年収が高い階級である「年収800万円超」の業種別の人数割合は以下のとおりです。なお、右端が業種別の平均年収ランキングの順位になります。
「年収800万円超」の業種別の人数割合と平均年収ランキング
業種別の人数割合
業種
業種別の平均年収の順位
1位
40.6%
電気・ガス・熱供給・水道業
(1位)
2位
25.0%
金融業・保険業
(2位)
3位
20.9%
情報通信業
(3位)
4位
15.2%
学術研究、専門・技術サービス業、教育、学習支援業
(6位)
5位
14.6%
製造業
(4位)
6位
12.0%
建設業
(5位)
7位
11.9%
不動産業・物品賃貸業
(7位)
8位
9.1%
複合サービス事業
(9位)
9位
7.5%
運輸業・郵便業
(8位)
10位
6.6%
卸売業・小売業
(11位)
11位
5.4%
サービス業
(12位)
12位
4.7%
医療・福祉
(10位)
13位
3.5%
農林水産・鉱業
(13位)
14位
1.6%
宿泊業、飲食サービス業
(14位)
平均
9.7%
多少の変動はありますが、おおむね平均年収が高い業種ほど、そのまま高額所得者も多いという結果です。逆に平均年収が低い業種であれば、大きく稼ぐことも難しいといえる結果になります。平均年収が低い業種の方は、別業種への転職を検討すべきかもしれません。
個別に見れば、お店や会社もさまざまです。最下位の宿泊業や飲食サービス業などでも、大きく稼いでいる人は稼いでいます。とはいえ、稼げる人が少なく、稼ぎにくい業種といえるのが現実です。もし今から業種を選べるのなら、なるべく上位の業種をおすすめします。
特に「転職を考えるとき」には、このような統計による国内データで業界傾向を把握しておくことが大切です。平均年収の低い業種間で仕事を変えるよりも、平均年収の高い業種・仕事を求めましょう。
ここからは統計を変えて、年収分布についてお伝えします。民間のdodaによる2018年9月~2019年8月の集計結果によると、30代の年収分布は以下のとおりです。
300万円未満:14.9%
300~400万円:27.4%
400~500万円:25.0%
500~600万円:15.6%
600~700万円:8.7%
700~800万円:4.1%
800~900万円:2.1%
900~1000万円:0.9%
1000万円以上:1.2%
年齢別に年収分布を見ると、30代は300万円台が最多となっています。ちなみに30代全体の平均年収は452万円で、男性は487万円、女性は382万円という結果です。30代で年収600万円を超えるような人はほとんどいません。しっかり覚えておきましょう。
先ほどの年収分布をじっくり見てみると、30代でも会社員の3分の2の方が年収500万円にも届いていません。男女混合の集計とはいえ、専業主婦などは入っていませんから、少し残念な結果といえます。ただ働いても報われない時代ということでしょうか……。
30代といえば「結婚」というイベントを控え、しかも最近は女性でも年収を求められる時代です。できれば、20代のうちから何らかの対策を取っておきましょう。
今度は、40代の年収分布についてお伝えします。先ほどと同じくdodaの集計結果によると、40代の年収分布は以下のとおりです。
300万円未満:12.4%
300~400万円:20.7%
400~500万円:20.9%
500~600万円:16.5%
600~700万円:11.3%
700~800万円:7.1%
800~900万円:4.4%
900~1000万円:2.4%
1000万円以上:4.2%
40代で見ると、300万円台と400万円台が接戦している結果になっています。そして全体的に、年収の低い層が減り、年収の高い層が増えている結果です。ちょっとは救われる結果ともいえる一方、40代でも年収の低い層がまだまだ多いといえるかもしれません。
30代では3分の2、67.3%の人が年収500万円未満でしたが、40代では54%に改善されています。しかし逆に見れば、約13%の人しか改善されていません。給料の低いサラリーマン比率は、40代でも大きくは変わっていないという結果です。
そういえば、最近では大手でも40代でリストラが横行しています。年収が低い、つまりは出世できなかった人ほどリストラにも遭いやすいです。十分に警戒しておきましょう。
ここからは、さらに統計を変えて年収分布についてお伝えします。知るぽると(金融広報中央委員会)の令和元年「家計の金融行動に関する世論調査」によると、既婚世帯の貯金額別の年収分布は以下のとおりです。なお、表の数字はパーセント表記になります。
既婚世帯の貯金額別の年収分布
無収入
300万円未満
500万円未満
750万円未満
1000万円未満
1000万円以上
無貯金
37.0
39.1
20.9
13.5
9.7
15.4
100万円未満
0
7.4
6.1
5.3
5.4
4.9
200万円未満
11.1
4.4
6.7
7.2
5.4
5.1
300万円未満
0
4.4
6.4
8.1
2.3
3.4
400万円未満
3.7
4.1
4.8
5.7
4.2
6.3
500万円未満
3.7
1.7
3.0
5.5
3.5
5.5
700万円未満
0
5.4
7.8
9.0
7.7
13.3
1000万円未満
7.4
6.6
8.4
9.9
10.0
9.7
1500万円未満
14.8
7.4
9.1
9.7
13.1
26.6
2000万円未満
7.4
3.7
6.2
6.7
9.7
17.7
3000万円未満
0
6.6
6.9
5.7
10.8
22.1
3000万円以上
3.7
3.9
7.2
8.4
14.3
61.4
※「無回答」は省略。年収1200万円未満と1200万円以上を合算
やはり貯金が少ない世帯ほど年収も低い傾向にあり、年収が高い層ほど貯金額が多い世帯が多いというのが見て取れます。その一方で、年収1000万円程度の層であっても、1割程度の世帯は「貯金がない」という結果です。
最初の国税庁の統計によると、そもそも年収1000万円を超える層は、男性で約8%、女性なら1%程度です。そして対象となる人が少ないほど、個々人のことが色濃く統計結果に反映されます。つまり、年収が高い層ほど人口パーセントが少なく、結果がブレやすいです。
とはいえ、多少の前後はあっても「1割程度は貯金がない」という傾向に変わりありません。自分の年収なら、みんなはどの程度の貯金をしているものなのか、しっかり把握しておきましょう。
今度は、単身世帯(独身世帯)についてお伝えします。先ほどの調査によると、単身世帯の場合の貯金額別の年収分布は以下のとおりです。なお、同じく表の数字はパーセント表記になります。
単身世帯の貯金額別の年収分布
無収入
300万円未満
500万円未満
750万円未満
1000万円未満
1000万円以上
無貯金
73.1
42.5
28.1
15.7
4.5
11.8
100万円未満
7.4
19.5
15.6
10.7
11.4
12.5
200万円未満
2.3
9.4
8.0
5.6
0
0
300万円未満
1.9
3.5
6.7
4.6
6.8
5.9
400万円未満
0.9
2.8
6.7
3.6
0
0
500万円未満
2.8
2.0
3.5
2.5
0
0
700万円未満
1.9
2.9
5.5
9.1
0
29.4
1000万円未満
0.9
3.3
5.5
9.1
4.5
0
1500万円未満
2.3
3.5
6.9
9.6
18.2
5.9
2000万円未満
0.5
1.8
2.6
5.6
15.9
12.5
3000万円未満
0.5
2.0
3.3
9.6
13.6
25.0
3000万円以上
0.9
4.0
4.8
12.7
25.0
97.1
※「無回答」は省略。年収1200万円未満と1200万円以上を合算
既婚世帯以上に、貯金額が少ない世帯ほど年収が低く、貯金額が多い世帯ほど年収が高いという顕著な結果になっています。その一方で、独身でも年収1000万円程度の方の1割程度は貯金がないという結果です。ひとまず、年収とともに貯金額についても気を回しておきましょう。
この調査を貯金額かつ「年代別」に見た場合、すべての年代において既婚世帯なら2割程度、独身世帯なら4割程度の世帯は貯金がないという結果になっています。年収が高くても貯金がない世帯もありますが、ちょっと怖いところかもしれません。
それこそ新型コロナで職を失った声も多かったですが、いつ誰が職を、収入を失っても不思議はないといえます。もし貯金できない理由を探しているのであれば、それより「貯金する方法」を考えましょう。
ここからは、自分の年収を考える際のポイントについてお伝えします。まずは転職についてです。一般的に「年収が低い、待遇が悪い」と感じている人ほど、転職を考えます。しかし多くの場合、その転職先は「同程度の規模の同業他社」です。
今までの経験を活かせるうえに転職できる可能性が一番高いのは確かといえます。しかしそのような転職は、仮に転職できても待遇もほぼ変わらず、むしろ下がることも多いです。どうせ転職するなら、より規模の大きい会社か、そうでなれば別業種をおすすめします。
転職する目的が「人間関係」ということも多いですが、それも含めて同程度の同業他社なら変わりません。隣の畑が青く見えるのは錯覚ですから、冷静に転職すべきかどうか考えましょう。
令和元年には「老後資金2000万円問題」が起こりました。しかし先ほどの貯金額別の調査を見ると、2000万円を超える貯金ができているのは本当に「一部の人」です。もちろん、みんなができていないから貯金できなくても大丈夫ではありません。2000万円では足りないことも多いです。
もはや、ただ真面目に働くだけでは足りないのが今の日本といえます。なんとも厳しい時代ですが、「平均程度の年収があるから大丈夫」ではありませんから、ぜひ何らかの対策を取っていきましょう。
最後に、自分の年収に悩むときの対処法についてお伝えします。一般的には、年収を上げる方法といえば出世以外では「転職・副業・投資・起業」です。どれを選ぶかは当人次第ですし、理想的には全部をおすすめしますが、ここは特に「起業」をおすすめします。
というのも、自分の年収で悩むときというのは往々にして転職が難しく、また副業程度では足りないことが多いです。十分な貯金がないことも多いので、それなら残るのは起業しかありません。そして起業なら何歳でもできますし、仕事によっては大きなお金も不要です。
むしろ、大きなお金が要らない職種での起業を目指せば問題ありません。起業は最初にリスクを感じるものですが、よい勤め先が見つからないときこそ起業を視野に入れましょう。
会社員の最大のリスクといえば「定年」です。その手前でのリストラの可能性もありますし、人間関係に悩むどころかセクハラ・パワハラなどで困ることも多いといえます。年齢や実力によっては転職できないこともありますが、このような「会社員のリスク」への備えは大丈夫ですか?
いざとなれば起業できるほどの実力や経験を身につけておくことは、そのまま会社員のリスクへの備えにもなります。実際に起業するかは別にして、ひとまず数年後の起業を想定して準備に励んでおきましょう。
最近の日本は、年収が低い人の割合が大きいです。同時に貯金額が少ない人の割合も大きくなってきています。その一方で年収が高く貯金額も多い人も増えてきており、格差が拡大中です。老後資金を考えれば平均程度では足りませんから、それを上回る年収・貯金額を目指しましょう。
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