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ウィズコロナ、家庭での「子どもの学習スペース」のあり方を考える

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

ウィズコロナ、家庭での「子どもの学習スペース」のあり方を考える

リモートワークが取り入れられるなど、コロナ禍で私たちの仕事環境が変化したように、子どもたちを取り巻く状況も刻々と変わりつつある。休校期間を機に、オンライン授業を取り入れた塾や学校もあり、家庭での学習スペースについては頭を悩ませるところだ。そこで、子どもの学習環境についてあらためて考えてみた。
トレンドのオンライン授業、親が見守る? あえて覗かない?

今回、早稲田大学人間科学学術院准教授であり、環境心理学や建築計画学、こども環境学を専門として、2児の父でもある佐藤将之先生にお話を聞いた。

ちなみに筆者の小学4年生の娘は、休校中から大手塾の無料サービスであるオンデマンド型のオンライン講座を受講中だ。開口一番、知りたかった疑問を佐藤先生に投げかけた。

それは、双方向ではなく一方向の、オンデマンド型のオンライン授業は、保護者が見ている中で受けさせるべきか、離れて一人にしてあげた方が集中できるのか、という問いだ。講師からこちらの様子も見られる双方向型であれば、親は席を外そうなどと考えますが、一方向型の場合はどうなのでしょう、佐藤先生!?

「それは、子どもによります。ひらけた環境で、元気いっぱいに盛り上がりながら学習したい子もいれば、静かな環境の中、一人で学習したい子もいます。大事なのは親が一方的に決めるのではなく、その子が成長に応じて発するシグナルをキャッチして、柔軟に考えていくことです」

親が見守るor見守らないという二択の答えしか考えていなかった筆者は、目からウロコが落ちるのを感じた。

幼児や子どもが過ごす環境や建築に関する研究も行う佐藤将之先生。2020年8月19日に著書『思いと環境をつなぐ 保育の空間デザイン 心を育てる保育環境』(小学館)が発行(写真提供/佐藤先生)

幼児や子どもが過ごす環境や建築に関する研究も行う佐藤将之先生。2020年8月19日に著書『思いと環境をつなぐ 保育の空間デザイン 心を育てる保育環境(小学館)』が発行(写真提供/佐藤先生)

ウィズコロナの今だからこそ、親子で話し合い、特別感を楽しむ

「ウィズコロナの今を、問題を考える機会だと捉えてほしいですね」と佐藤先生はいう。

「学習スペースに関しても、子どもの意思を大切にするのであれば話し合いが重要です。普段、塾や学校でどんな発言をしているかにもよりますが、日常の勉強場所はリビングだとしても、『発言を親に見られるのは恥ずかしい』『親に見られにくい場所で生中継のオンライン講義に没頭したい』という子がいるかもしれません。そうであれば、積極性を大切にするため、親から見られない勉強場所が必要かもしれません。また、子ども部屋を与えていたがそこで勉強はしていなかったという場合は、逆に親の側のリビングでオンライン授業を受けると、緊張感を持って学習を続けられるケースもあり得ます。これを機に、勉強場所の移動について検討していただきたいですね」

また、佐藤先生は「ウィズコロナで、普段はできない特別感を楽しんでみては」とも。

「子どもたちには、『オンライン授業を受けなければ……』というやらされ感で失望するのではなく、新しい勉強方法を試す機会と考えてほしいですね。例えば、タブレット端末の小さな画面で見づらさを我慢するのではなく、テレビと接続してリビングの大画面で授業を観るなど、普段はできない特別感を味わって。非日常感を許容し、親子で前向きに楽しんでいただきたいと思います」

我が子がにぎやかに勉強したいタイプなら、親子一緒にオンライン授業を受けて『難しい問題だったね』『あの先生って面白い!』などとコンテンツを共有するのも、コミュニケーションに一役買いそうだ。

自分が育った環境を押し付けないように配慮を

「親は、自分が育ったのと同じような環境を与えがちです。でも子どもの個性は十人十色で、きょうだいであっても性格や成長の度合いが違いますから、一人ひとりに合った環境を考えてあげないと」と佐藤先生は話す。

親が早くから個室を与えてもらって育ったなら、自分の子どもにもそうしてあげるべきだと考えるだろうし、きょうだいと同室だったり、個室がなくても不便を感じなかったりしたら「勉強はどこでもできる!」とその価値観を押し付けてしまいがちということだ。

「子どもは、小さいうちは親の目が届くところにいたがるものです。ダイニングやリビングのテーブルなどで勉強するいわゆる『リビング学習』が増え、それを受けるように住宅業界では2000年代初頭に、リビングの中に子どもの学習スペースを設けるブームが起きました。多くのハウスメーカーがリビング学習に対応した商品を共有していたのですが、2015年ごろに検証した結果、中高生になってもリビングのその居場所を活用する子どもたちの様子が確認できました。それでも成長するにつれ、子どもは一人で勉強したり遊んだりするスペースが欲しくなることがあります。中学生くらいになると、個室が欲しいと考える子もいます。各家庭の事情はあるでしょうが、学習スペースにカーテンをつけて区切っただけでも本人が満足したという例もありますから、子どもの特徴や主張に合わせて調整していくことが、『ちょうどよい』と思える親子関係をもたらすと思います」

ちなみに、自宅のスペースに限りがあるとしても、学習机のように勉強道具を常設できる場所は用意した方がいいようだ。

「近年は『教科センター方式』といって、国語や社会、英語などの教科ごとの専用教室に生徒が向かうスタイルが、公立の中学校であっても再普及していますが、それでも、自分のホームとなるスペースは必要だと考えられています」

成長に応じて、学習スペースは柔軟に変化させる

現在、中学1年生と小学5年生の父である、佐藤先生のご自宅の例を紹介しよう。
「長男が小学生になったタイミングで話し合い、3階建の3階にそれぞれの子ども部屋を設けていたのですが、まだ個室では勉強をしたくないということだったので、子ども部屋は『寝る』部屋に。学習机は2階のリビングに運び、子どものスペースを『寝る』と『勉強する』の2拠点にしました」

すると、あちこちで散らかりがちだったおもちゃも、二人が子ども部屋から好きなものを選び、リビングに持ち込んで入れ替えるようになったので、リビングの子どものスペースを整理整頓する習慣が身についたのだとか。

2014年、小1の長男が登校前に2階のリビングで勉強する様子(写真提供/佐藤先生)

2014年、小1の長男が登校前に2階のリビングで勉強する様子(写真提供/佐藤先生)

2017年、2階リビングの一角に学習机を並べてつくった子どものスペース(写真提供/佐藤先生)

2017年、2階リビングの一角に学習机を並べてつくった子どものスペース(写真提供/佐藤先生)

上の写真と同時期。机の左右を入れ替えることによって離れて座ることもできたが、兄が弟に勉強を教えるなど2人が「近づきたい」ということで、互いが近いこの配置に(写真提供/佐藤先生)

上の写真と同時期。机の左右を入れ替えることによって離れて座ることもできたが、兄が弟に勉強を教えるなど2人が「近づきたい」ということで、互いが近いこの配置に(写真提供/佐藤先生)

長男が中学生になったタイミングで再度話し合ったところ、「個室で塾のオンライン授業を受けたい」とのことだったので、新たに長男の机を個室に配置。リビングにあった机には母親が本などを置き、個人のスペースをつくることができた。

「中1の長男は勉強時には個室で過ごしていますが、小5の次男は今も、リビングにある学習机やテーブルで勉強していますね。長男と同様に、次男にも個室に机を置くことを聞きましたが、それは不要だと、本人がリビングで勉強することを選びました」

2020年6月、長男の部屋。長男のみ学習机を3階の個室に移動した。塾のオンライン授業には長男が個室で、次男はリビングで打ち込む(写真提供/佐藤先生)

2020年6月、長男の部屋。長男のみ学習机を3階の個室に移動した。塾のオンライン授業には長男が個室で、次男はリビングで打ち込む(写真提供/佐藤先生)

学習スペースに関しては、親が「この学習環境でいいよね」と誘導するのではなく、「ウチではこれとこれができるけど、どこで勉強したい?」と選択肢を用意して、本人に選ばせることが大事だという。

「自分が『この環境で頑張ろう』と決めることで、本人のやる気も明確になります」

限りある間取りや空間を、アイデア次第で住みやすく

ウィズコロナ時代に活用できそうだと編集部が注目した空間が、三菱地所と三菱地所レジデンスが開発した『箱の間』だ。国産の無垢材を使用した、家具デザイナーによる“建築と家具の間”という商品で、居室内の間取りや空間に新しい居場所をつくることができる。2017年にはグッドデザイン賞を受賞した。

まず、コロナ禍前後で、住まいのニーズに変化はあったのか。三菱地所広報部の益和江さんに聞いた。

「コロナ禍において、テレワークとなった親御さんも少なくなく、その場合、お子さまと同じスペースでお仕事をされるといったケースも多かったようです。その中で、常にお子さまの気配を感じていたいというニーズを、多くの方から感じています」

可能なのであれば、子どもの側で仕事をしていたい。その気持ちはよく分かる。

オンライン授業を想定した子どもの学習スペースとして、『箱の間』のおすすめの使い方はありますか?

「『箱の間』を、ダイニングの周囲から見える場所に置くといいのでは。オンライン授業中も、お子さまとしては独立したスペースにいるようにも感じられますし、親御さんからは様子が見えています。緩やかに繋がりつつ独立している『箱の間』は、オンライン学習に有効に活用できると思います」

ほかに、対面キッチンの前に『箱の間』を置いて、ダイニングテーブル兼子どものスタディコーナーとして使っている事例もあるそう。

対面キッチンの前に『箱の間』を置いた実際の事例。隠れたり潜ったり、子どもたちの遊び場としても活躍(写真提供/三菱地所)

対面キッチンの前に『箱の間』を置いた実際の事例。隠れたり潜ったり、子どもたちの遊び場としても活躍(写真提供/三菱地所)

「常にお子さまの気配を感じていられる活用法です。お客さまからは『対面に座って宿題を見てあげることができたり、座面下の収納に学習用具をまとめて収納できたりと使い勝手がよく、親子共に気に入っています』と言っていただいています」と益さん。

半面、子ども部屋としての独立性にこだわりたいときは、リビングダイニングやキッチンに背を向けて配置するといいそう。限られた間取りや空間でも、一人ひとりの好みに合わせてアレンジして、住みやすくしていくことは可能なのだ。

空間を仕切るように『箱の間』を使用した、リノベーションマンションのモデルケース(写真提供/三菱地所)

空間を仕切るように『箱の間』を使用した、リノベーションマンションのモデルケース(写真提供/三菱地所)

コロナ禍で、小さな口にマスクをして登校する子どもたちの息苦しさを、私たち大人は知らない。皆元気に明るく振る舞っているけれど、本当は思いっきり友達とじゃれあったり、おしゃべりしたりしたいはずだ。

だからせめて、家の中では笑っていてほしい。そして、学校でも塾でもオンライン授業でも、「勉強って楽しい!」と思う瞬間が訪れることを願う。そのために親ができることは、子どもの主張に耳を傾けて、一緒に考え、サポートしていくことなのだと改めて感じた。

筆者は娘と机を並べている。オンライン授業について親子で話したところ、「ママに見られるのはちょっとイヤだった」とのこと……。オンライン授業中、私は席を離れ、娘はヘッドフォンを使うことで今回は一件落着。これからも定期的に話し合い、見直していこうと思う。

●取材協力
・早稲田大学人間科学学術院准教授 佐藤将之先生
・三菱地所グループ『箱の間』 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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