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債券投資の利回りと利率の違いとは?基礎知識&計算方法を専門家がわかりやすく解説!

目次

債券投資をする上で理解しておきたいのが「利回り」です。似たような言葉に「利息」や「利率」もあります。この記事では、それぞれの違いを解説します。

https://manetasu.jp/1265542

債券の利回りとは?利息や利率との違い

債券の利回りとは?利息や利率との違い

利息、利率とは

債券はお金を貸し借りする手段の一つで、国が発行する「国債」や企業が発行する「社債」などがあります。お金を貸した人は、その見返りとしてあらかじめ決められたお金を借り手から受け取ります。これを「利息」または「利率」と呼ぶのです。

利回りとは

一方の「利回り」は、利息や利率とは違う性質を持っています。債券は株式のように自由に売買できるので、債券価格は常に変動しています。ですから券面に書かれた利率は同じでも、買ったときの値段が安かったか高かったかによって価値は変わってくるのです。

投資家が債券を買ったときの「投資金額」と、最終的に受け取る「元金と利子」を踏まえて計算した価値のことを「利回り」というのです。

債券の利率・利回りの仕組みと計算方法

債券の利率・利回りの仕組みと計算方法

債券の利率と利息、利回りの違いを具体的に見ていきましょう。

利率と利息の計算方法

利率は、額面に対する年間の利息割合のことで、発行時に決められています。額面とは「額面価格」の略で、債券の表面に記された金額です。たとえば、100万円を1年間預けて6万円の利息を受け取れる場合の利率は、以下のとおりです。

6万円÷100万円×100(%)=6%

利回りの計算方法

利回りとは、投資金額に対して「償還差損益」と「利息による収益」との合計が、どの程度の割合になるかを示すものです。償還差損益とは、額面金額と投資金額の差額です。利回りの計算式は、以下のとおりです。

利回りの計算方法

額面金額100万円、利率10%の債券、残りの運用期間が1年の債券を購入した場合の利回りを計算してみましょう。(102万円で購入した場合)

利回りの計算方法2

この計算を求めると0.0784になるので、約7.84%の利回りになります。

債券相場(市場価格)の変動要因

債券価格は日々変動し、変動にともない利回りも変わります。債券価格が上昇すると利回りは低下し、債券価格が低下すると利回りは上昇します。それでは、債券価格の変動要因にはどのようなものがあるのでしょうか。

金利

上昇:債券価格下落(利回り上昇)
低下:債券価格上昇(利回り低下)

金利とは、預金や貸付に対する利子のことで、変動金利は日銀の政策金利、固定金利は10年国債の金利を基準にしています。市場金利が上昇すると債券価格は下落し、市場金利が低下すると債券価格は上昇する傾向があります。

ですから、今後金利が上昇すると見込まれるときは、債券の購入について慎重に判断する必要があります。

景気

好景気:債券価格下落(利回り上昇)
不景気:債券価格上昇(利回り低下)

不景気のときは企業の設備投資意欲が下がり、個人消費も慎重になるので、銀行など金融機関の企業への貸出は減少し、預貯金は増えます。そこで、金融機関は貸出金利を下げて貸出の拡大を図り、預貯金の金利を下げようとします。

ですから、不景気では資金需要が減少して金利が下がり、債券価格は上昇(利回りは低下)するのです。一方、好景気のときは資金需要の増加から金利が上昇し、債券価格は下落(利回りは上昇)する傾向があります。

債券価格と株価

株価上昇:債券価格下落(利回り上昇)
株価下落:債券価格上昇(利回り低下)

通常、株価が上昇すると債券価格は下落し、株価が下落すると債券価格は上昇する傾向があります。その理由として、「景気循環」と「金利変動」があります。

景気がよいとき、株価は上昇します。しかし、景気が過熱すると金融引き締めが行われるため金利は上昇し、相対的に魅力がなくなった既発債(すでに発行された債券)の価格は下落するのです。

一方、景気が悪化したときの株価は下落しますが、金融緩和政策が行われ金利が下がるので、既発債の価格は上昇するのです。

投資家のリスクに対する姿勢の変化
もう一つの理由は、投資家のリスクに対する姿勢が変化するからです。株が下がった場合、株式の相対的な運用リターンは低下します。そこで、固定利回りで運用できる債券の魅力が上がり、「株式が売られ、債券が買われる」というリスク回避の流れになります。

一方、株が上がるとリスクを積極的に取りにいく投資家が多くなり、「株が買われ、債券が売られる」リスクオンの傾向になるのです。

https://manetasu.jp/1256143

物価

インフレ:債券価格下落(利回り上昇)
デフレ:債券価格上昇(利回り低下)

インフレとは物価が上昇することで、デフレとは物価が下落することです。物価は債券価格に大きな影響を与えます。たとえば物価が上昇したときは、インフレを抑えるために金融引き締め政策が実施され、金利は上昇。債券価格は下落して利回りは上昇します。

一方、物価が下がって景気が悪化すると、金融緩和政策が実施され金利が低下。債券価格は上昇し利回りが低下する傾向にあるのです。

イールドカーブとは

イールドカーブは「利回り曲線」ともいい、債券の利回りと償還期間との関係性を表しています。償還までの期間が長い債券ほど利回りが高い状態を「順イールド」、償還までの期間が短い債券ほど利回りが高い状態を「逆イールド」というのです。

イールドカーブとは

平常時や金融緩和をしているときは「順イールド」になり、金融引き締めをしているときは「逆イールド」になります。また、イールドカーブの傾きが大きくなることを「スティープ化」、傾きが小さくなることを「フラット化」といいます。

順イールドと逆イールドの意味と比較

正常な経済状況では「順イールド」

正常な経済状態であれば、債券の償還までの期間が長ければ長いほど、利回りは高くなります。たとえば、銀行などの金融機関からお金を借りたとして、同じ額を1年で返す場合と10年かけて返す場合を比べたら、10年のほうが金利は高くなります。

債券も同じように、期間が長くなれば利回りも高くなるのが通常なのです。

また、「順イールド」は、短期金利が低く長期金利は高い状態で、好景気のときにも見られるイールドカーブです。順イールドのとき、銀行は融資を活発化し、企業も新規事業を打ち出しやすくなります。

短期金利が低い状態なので住宅ローンの変動金利も低くなり、住宅を購入しやすくなるのです。

景気後退時に見られる「逆イールド」

フラット化
イールドカーブは、必ずしも右肩上がりで推移するわけではありません。順イールドは、好景気のときに見られるイールドカーブです。景気拡大はいいことですが、加熱するとインフレになり、株や土地の価格が本来の価値よりも大きく上昇してしまう可能性があります(バブルの発生)。

そこで日本銀行などの中央銀行は、金融政策で短期金利を引き上げ、長期金利と同等の水準になるように利回りをコントロールします。これを「フラット化」といいます。

景気後退時に見られる「逆イールド」

しかし、短期金利が長期金利を上回る状態(逆イールド)になると、今度は景気後退が懸念されます。米国では2年国債と10年国債の利回りを比較するのが一般的です。

米国では、2000年や2007年の景気拡大終盤で逆イールドが発生。その後に景気後退が訪れたことから、マーケット関係者は景気後退の予兆として重視しているのです。

逆イールドが発生する状態とは
イールドカーブ(利回り曲線)は、通常緩やかな右肩上がりを描きます。満期までの期間が長くなるほど価格変動リスクが高くなるので、投資家がリスクに見合った利回りを求めるからです。

逆イールドが発生するのは、足元の景気がよくても将来の景気が低迷する可能性がある局面です。投資家は将来の利下げを見込んで積極的に長期債を購入するので、長期債の利回りのほうが低くなるのです。

昨年(2019年)8月にも逆イールドが発生しました。今回の新型コロナウイルスの感染拡大を予想していたかはわかりませんが、実際2020年に入ってから米国では景気後退局面が訪れています。

株式投資しかしていない人も、米国のイールドカーブ(利回り曲線)をチェックしておくことは必須といえるでしょう。

債券投資の利回りに関するまとめ

債券の「利率」とは額面に対する年間の利息の割合のことで、発行時に決められています。一方、債券の「利回り」とは、投資金額に対し、償還差損益と利息による収益との差額がどの程度の割合になるかを示すものです。

既発債は、利回りを見て購入するかどうか判断するようにしましょう。また、景気を判断する際に、イールドカーブ(特に米国債) を見ることは大切です。債券投資だけでなく、株式投資にも役立つ概念なので、覚えておくようにしてください。


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この記事の著者

マネタス

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