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【医師監修】これってチック? 主な症状と診断、治療

目次

チックという病名を聞いたことのある方は多くても、実際どんな病気なのかご存知の方は少ないのではないでしょうか。ここではそんなチックについて一緒に見ていきます。

この記事の監修ドクター

森若奈 先生 精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本医師会認定産業医。精神単科病院、総合病院、クリニック、産業医等様々な場での経験を活かし、現在は予防医学や早期介入にも力を入れている。 女医+(じょいぷらす)所属。

チックの分類と主な症状

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出産してから1年が経ち、乳児期をすぎて、一時期に比べればすこしは手がかからなくなってくる頃なのではないでしょうか。しかしまだまだお母さんの手を片時も離れられない状況にあります。そんなときに、ママ友などの話から、「チック症」についての心配について耳にした方もいるのではないでしょうか。チック症については、名前は聞いたことがあっても実際のところどんな病気なのかを詳しくご存知の方は一般には非常に少ないのではないでしょうか。そこでここでは、チック症とは一体どんな病気名のかについて、そしてその原因、治療法について一緒に見ていきます。

チックとは

そもそも、チックとは一体どんな病気なのでしょうか。チックとは、自分の意思とは無関係に体の一部が動いたり、それによって声や音などが出てしまう病気のことです。このような体の動きは唐突に始まるものなので、一緒に過ごすお母さんならばすぐに気づくはずです。そしてこれらの動きというのは少し異常に見えてしまいお母さんは心配になってしまいます。しかし小児期においてはまれな病気ではなく、ごく一時的なものを含めると5人に1人が発症するとも言われています。

チックの厳密な定義は、18歳未満に突発的、急速、反復的、非律動的。常同的な運動あるいは発生の症状が、18歳未満に発症し、4週間以上継続するもののことです。一昔前までは、チックの原因は親子関係、友人関係などの心理的影響によるものという見解が一般的でした。そのためお子さんがチックを発症した場合、どうしても両親、とくに接する時間の長いお母さんが責任を感じたり、周りから責められたりすることが少なくありませんでした。

しかし近年では、重症のチックであるトゥレット症候群を発症する家系の存在が知られてきたことにより、心理的な影響よりもむしろ脳内の機能障害といった見方が強まっています。また、一言にチックといってもチックにも分類があります。まず一つは「運動チック」と呼ばれるもので、筋肉がピクンと動く、口の周りを舐める、頻繁に瞬きする、顔をしかめる、肩をすくめる、ジャンプする、片足を引きずる、必要以上にものに触る、口を開けるなどの症状が見られます。

一方もう一つは「音声チック」というものです。音声チックの主な症状は、「あっ」「うっ」などの声が出てしまう、「フンフン」と絶えず鼻を鳴らす、「んっんっ」とせき払いを繰り返す、奇声やわいせつな言葉を発する、などの症状があります。また、運動チックと音声チックが組み合わさって、一年以上症状が継続するチックのことを、トゥレット症候群と言います。

運動チック

運動チックの症状が現れる部位としては、顔面、頸部、肩、手、脚、体幹があります。顔面チックの症状としては、まばたきが増えたり、口を歪めたり、鼻翼をピクピクさせるなどがあります。頸部では、頭を捻る、前屈、後屈する、1回転するという症状があります。肩に症状が現れる場合には、肩をすぼめる、ビクッとさせるなどの症状があります。手では、手をピクッとさせたり、くねらせたり。手を振るなどの動作をしてしまいます。

手のチックにおいては、重症の場合には字を書くのが困難になるほど重症化する場合もあります。脚では、蹴る動きをする、スキップするなどの症状が知られています。また、体幹に症状が現れた場合には、体幹を反らせたりくねらせたりすることがあります。上記の症状のうち、まばたき、首振り、肩すくめ、しかめ顔などのものを単純チック、その他の症状を複雑チックと言います。このような症状のうち、瞬きなどの目立たないチックの場合には本人も周囲からの視線を必要以上に感じることはないのですが、その他の部位の周囲の目に止まりやすいチックの場合には周囲の目を本人が気にするようになり、次第にストレスがかかるようになっていくかもしれません。

音声チック

次に、音声チックについてです。音声チックで最も一般的な症状としては、咳払いがあります。この咳払いは単純チックになります。一方音声チックの中でも複雑チックは、咳払い以外の単純な音声を発する、奇声を発する、複雑な発声をする、そしてしばしば暴言や猥褻な言葉を発するなどの症状が現れます。

これらの症状は、運動チックと比べると周囲の注目を集めやすいため、本人が登校や外出を渋ったりするようになる場合もあります。この場合、何もしないでおくと抑うつ状態になったり、もともとあったチックの症状が重症かしかねません。そのため周囲は可能な限り早めに気づいてあげるようにしましょう。

重症のチックと合併症について

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重症のチックは、上記の運動チックと音声チックが組み合わさったものである「トゥレット症候群」、そしてその他の病気を伴う合併症があります。特にこのトゥレット症候群の場合には、合併症を併発する可能性が他のチックに比べて高いので、注意が必要になります。

≪トゥレット症候群/障害≫ トゥレット症候群は、脳機能の障害で、運動チックと音声チックを併発し、平均して6-8歳、遅くとも18歳までには発症します。平成17年に施行された「発達障害者支援法」において「自閉症、アスペルガー症候群その他広汎性発達障害、学習障害、注意欠陥多動性障害その他これに類する脳機能障害であってその症状が通常低年齢において発現するものとして政令で定めるもの」とされています。このように、トゥレット症候群は周囲の理解と支援が必要な発達障害の一つとして認識されています。

チックと合併しやすい障害

次に、チックと合併しやすい障害についてご紹介します。直接的には、強迫性障害やADAH(注意欠陥・多動性障害)を併発するケースがあります。また周囲の目を気にすることなどによって不安が高まり、うつ病などを発症する場合があり、それらの障害は二次的に発生します。このような二次的な合併症を防ぐために、身近な親など家族の理解がとても重要になります。

チックの診断

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チックの診断というのはご家庭でできるものではないので、できるだけ早く小児科や精神科の先生に診ていただく必要があるでしょう。しかし、ご自身の息子さん、あるいは娘さんがチックかもしれないと考えてしまっているお母さん、お父さんは、こちらで診断基準をあらかじめ知っておくのも良いかもしれません。診断を受ける前に少しでも診断基準を知っておきたいという方は、こちらをご覧ください。

チックの診断基準

チックには、しっかりとした診断基準が存在していて、DSM-V(米国精神医学会編集による『精神障害のための診断と統計のマニュアル』第5版)と呼ばれる診断基準が用いられています。この基準によると、チックとは発症が18歳未満で症状が4週間以上継続するもののことを言い、種類と持続時間によって3種類に分類されます。

しかし、基準としては3種類に分かれていても、時間経過で変化するので、あまりこの分類にとらわれない方が良いでしょう。ハンチントン病、ウイルス性脳炎後等の身体疾患があるか、薬物使用も考慮しながら鑑別します。トゥレット症候群の患者の方うち、4割以上の方が注意欠陥、多動性障害、学習障害などを併発しています。

初発症状が見られやすい部位

チックが体幹や脚からはじまることは極めてまれで、手から始まることも比較的少ないです。基本的には強いまばたきなどの顔面チックや首をひねるなどの頸部チックから始まることが多いと言われています。

チックの治療

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ここまでは、チックとはどのような病気なのかの具体的な症状、そして原因について記述してきました。では実際どのような治療法があるのでしょうか。この項では、具体的な治療法について見ていきます。

基本的な治療

チックであると診断された場合にも、いきなり薬を使った治療を行う場合はほとんどありません。軽い場合は自然に消える場合もあります。そのためまずは、周囲の環境、対応を整えていくところから始めます。しかしこれには学校での友人、そして何より家族の理解が決定的に重要になってきます。そのため親御さんはまずチックについてよく知っておきましょう。そしてお子さんが必要以上に体、あるいは体の一部を動かしてしまっている場合でも、決して叱ってはいけません。このような一見簡単に見えることが、お子さんのチックの症状を和らげたり、治したりします。

重症の場合の治療

ここまでは症状が軽い方の場合について書いてきましたが、次に重症化されている方の場合についてです。重症化、慢性化している場合でも、一番初めに行われるのは薬物治療ではなく、心理療法および行動療法です。これらの治療法のうち、もっとも一般的かつ有効であると言われているのが、「習慣逆転法(バビットリバーサル法)」になります。この方法は、意識化練習、拮抗反応の学習、リラクゼーション練習、偶然性の管理、汎化練習の5つのステップを用いた治療法です。

例えばまばたきをしてしまうチックの症状がある場合、まばたきをしたくなった際にはあえて逆の動き、つまり一点を凝視するなどしてまばたきを我慢するという方法をとります。これらを反復して行うことで、チックの症状を軽減していきます。また、この治療法でも対応できないほどに重症だった場合には薬物治療が行われます。一般的にはドーパミンの過剰な分泌を抑制する、ハロペリドール等を処方されることが多いようです。

まとめ

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いかがだったでしょうか。チックは、ご家族をはじめとする周りのサポートや行動療法によってほとんどの場合は治癒することが知られています。ですから、お子さんがチックであったとしても、過度な心配をすることなく、ご家族が精いっぱいサポートをしてあげましょう。


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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