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【医師監修】合併症になると危険!?おたふく風邪の治療・予防方法

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目次

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顔がおたふくのように腫れあがり、高熱や頭痛、嘔吐などの症状がみられるおたふく風邪。おたふく風邪は子どもだけの病気ではありません。大人になって発症する人もいます。さらに合併症を引き起こす怖い病気です。おたふく風邪の治療や予防、妊娠中にかかった場合の疑問についてみていくことにしましょう。

この記事の監修ドクター

松田明子 先生 女医+(じょいぷらす)所属。腎臓専門医。東京女子医大泌尿器科所属。

おたふく風邪の基礎知識

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おたふく風邪とは、どんな症状がみられるのでしょうか。症状や診断方法は?合併症についても詳しくみていくことにしましょう。

おたふく風邪とは

耳の近くの耳下腺、顎の下の顎下腺という唾液腺が腫れることで丸顔のおたふくのような顔になるので、おたふく風邪と呼ばれますが、おたふく風邪の正式名称は流行性耳下腺炎といいます。特に顎下腺が腫れると、おたふくのようなまんまるい顔になりやすいです。

診断

一般的に唾液腺が<左右ともに腫れること>が診断の決め手となりますが、一方だけしか腫れない場合もあり、医師も診断が難しい場合があります。腫れが片方だけの場合は病名を確定できないので、血液検査で判断します。

血液検査では、ウイルスそのものが体内にいるかを検査する方法と、ムンプスウイルスの抗体があるかを見る検査をします。 腫れがひどくなくても、触ると痛がる場合にも診断の目安となります。また、後におたふく風邪だとわかる場合もあります。同居する兄弟姉妹にも耳下腺、顎下腺の腫れが出る場合です。このようにおたふく風邪は、すぐに判断することが難しい場合もあります。

症状

風邪のときのように発熱や鼻水、咳がみられます。耳の前下にある唾液腺・耳下腺、下あごの下にある唾液腺・顎下腺の腫脹です。おたふく風邪は感染力が強いのも特徴の一つです。腫れがひく頃が感染力もなくなる時期ですが、腫れが長引く人もいることから、学校では発症後5日後に全身の状態がよければ登校可能という判断基準になっています。

合併症

おたふく風邪は合併症もあります。

①髄膜炎 脳の周りにある髄膜に炎症が起こります。1日3回以上の嘔吐、激しい頭痛には注意が必要です。おたふく風邪患者の約10%ぐらいに見られる合併症です。

②脳炎 意識を失ったり、けいれんなどの症状があらわれます。てんかんや発達障害などの後遺症がみられることもあります。おたふく風邪患者の約0.2%ぐらいにみられる合併症です。

③膵炎 嘔吐や激しい頭痛がみられます。さまざまな臓器の機能を低下させる合併症で、放置すると危険です。

④難聴 片方だけ聞こえずらくなっているケースが多いです。子どもの場合、自覚症状がなく発見が遅れる場合もあります。約2000人に1人と言われている合併症で、命にかかわる場合もあります。早急な病院受診が求められます。特に小さいお子さんの場合、その後の経過観察も親がしっかり行うようにしてください。

⑤卵巣炎 女性が起こす合併症です。激しい下腹部痛と39℃前後の発熱があり、おりものが増える、おりものに血が混ざる場合は卵巣炎の可能性があります。月経時にはさらに痛みを増す場合があります。全体の約7%の割合で発症しています。妊娠希望者は気をつけたいですね。

⑥睾丸炎(精巣炎) おたふく風邪発症後3〜5日目くらいに、急激な痛みをともない精巣のはれや赤みがでてきます。発熱や頭痛、嘔吐などの症状もあわせてみられます。おたふく風邪にかかった人の約1~3%に症状がみられます。睾丸炎から不妊と考えられる確率は10%程度で多くの場合は心配はいりませんが痛みや腫れを感じる場合には医師に相談しましょう。

おたふく風邪の治療

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感染力が高く、発症するととても辛いおたふく風邪。病院ではどんな治療法があるのでしょうか。そしておたふく風邪に使われる薬にはどんな種類があるのでしょうか。詳しくみていくことにしましょう。

主な治療方法

おたふく風邪には実は特効薬はありません。その時の症状に合わせて医師が薬を処方します。 発熱や痛みに対して使われるお薬はアセトアミノフェンの内服薬・坐薬や、イブプロフェンといった解熱鎮痛薬が使われてます。ただ、これらの薬は高熱や痛みが激しい、腫れがある場合に使用するもので体本来の免疫機能を考えると、必要以上に解熱鎮痛薬を使わない方がよいとされています。かかりつけ医とよく相談しながら服用しましょう。

頭痛や嘔吐が激しい時には、先ほどもお伝えした合併症の場合も考えられます。膵炎の合併症が疑わしい時には抗菌薬、酵素阻害薬が用いられることがありますが、一般的には解熱鎮痛剤を使用します。音が聞こえにくくなる、言葉が言葉として捉えにくくなる感音性難聴は、今のところお薬はありません。

特効薬がない理由

おたふく風邪はどうして特効薬がないのでしょうか。おたふく風邪は、ムンプスウイルスといわれるウイルスによって起こる病気です。残念ながらムンプスウイルスに対する抗ウイルス薬は開発されておらず、細菌に対して効果がある抗生物質は効果が出ないのです。抗ウイルス薬とは、ウイルスの働きを止めたり、増殖を抑えるものですがウイルスは体の細胞内で増殖するため、正常な細胞を攻撃せずウイルスだけを見極めて攻撃できるような薬を開発することはとても難しく、開発費もかかってしまいます。抗ウイルス薬は抗生物質に比べて開発がとても難しいことが特効薬のない理由です。

おたふく風邪の予防

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おたふく風邪は、感染力も高いし、合併症も怖い。特効薬もないのはとても不安。そのため、予防するのが重要です。有効な予防策と予防接種やその副作用についてみていくことにしましょう。

アルコール消毒が有効

おたふく風邪の原因であるムンプスウイルスは潜伏期から唾液に含まれ、咳、くしゃみなどにより飛び散った唾液や鼻水などを吸い込んで感染します。 人から人以外にはうつりませんが、感染力が高く、 潜伏期間や症状が出ていなくてもウイルスはうつります。一般的な予防法である手洗いうがいを励行しましょう。さらにムンプスウイルスはエンベロープを有するウイルスであるため 消毒薬が効果的でアルコール、次亜塩素酸ナトリウムによる消毒を行いましょう。

予防接種

子どもが発症する分には軽い場合が多いのですが、合併症の危険や、成人や妊婦が発症すると重症化したり流産の危険性もあります。大人も子どももおたふく風邪を予防するのに効果的なのがワクチン接種です。

おたふく風邪のワクチンはムンプスウイルスを弱毒化した生ワクチンを皮下注射します。おたふく風邪の予防接種は2回の接種を推奨していて、1回目を1歳台に接種し、2回目を4~6歳ごろに接種するのが良いとされています。また10歳以上の男性がかかると睾丸炎を合併することが多くなるので、男性の場合は遅くとも10歳になる前に受けておく方がよいでしょう。もちろん成人になってからでも受けてください。

おたふく風邪のワクチンは、任意のものであるため、公費で受けられるものにくらべ接種率が低いのが現状です。しかし、おたふく風邪は感染力も強く、合併症も心配される病気ですので予防接種を受けることをお勧めします。費用は病院によりますが3000円~9000円程度です。

おたふく風邪ワクチンの副作用

おたふく風邪の予防接種は、生ワクチンを使用するため副作用がでることもあります。接種後一週間から21日に軽い耳下腺の腫れや痛み、発熱などが出現したり、接種後30分以内に、発熱、顔や手足の腫れ、咳、蕁麻疹、顔色が悪い、ぐったりしているなどの症状がみられることがあります。

多くの病院では予防接種後30分間は院内にいるよう指示されますので、経過観察のためにも院内にいるようにしましょう。接種後に、無菌性髄膜炎にかかる人もいます。接種後、何か症状が出たら速やかに病院を受診するようにしましょう。

おたふく風邪のよくある不安・疑問

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大人になってからおたふく風邪にかかるととても辛いという話を聞いたことがありますよね。また、妊婦の時にかかると大変という話も…。大人になってから、おたふく風邪を発症してしまった時の不安や疑問についてみていくことにしましょう。

大人になってかかったら不妊になる?

おたふく風邪は、3~6歳が約60%を占め子どもが感染する病気ですが、成人になるまで感染せず、成人してから感染するケースもあり、この場合には重症化しやすいといわれています。39度の高熱が続き、耳の下あたり、頬の後ろ側、あごの下などが腫れ、口が開けにくくなり食事をとることが難しい人もいます。腹痛や下痢、中にはうわごとなども話す場合もあります。

女性でおたふく風邪の際、注意が必要な合併症が卵巣炎です。全体の約7%で起こり、基本的には炎症が重症でなければ問題ありませんが、おりものの量が増えたり、血が混ざったりした場合には医師に相談しましょう。炎症は片方の卵巣だけに起こるので、残ったもう片方の卵巣がきちんと機能してくれる仕組みになっています。よって、おたふく風邪により不妊になることはごくまれですが、早期治療は大切です。

とはいっても妊娠前であれば感染しない方がベターです。抗体を持っているか検査して持っていないようならワクチン接種しましょう。これは、単に女性だけが予防すればいいというものではありません。妊娠希望者の周りの人は妊娠希望者を感染させてしまう可能性もあります。特にパートナーは抗体の検査を行うようにしましょう。

妊娠中にかかった場合、胎児への影響は?

おたふく風邪だけに限らず、妊婦で病気を発症した場合、薬を服用することには注意が必要です。おたふく風邪の治療においては、その時の症状に対処していくしか仕方がありません。安静にして栄養をとり、脱水にならないよう水分摂取に気をつけましょう。高熱や強い痛みには鎮痛剤が使用されますが、お腹の赤ちゃんへの影響も考えられ、服用できる薬も限られています。自己判断せず、必ず主治医に相談するようにしましょう。

妊娠に気づかず予防接種を受けてしまった!問題は?

おたふく風邪のワクチンは、毒性の弱いウイルスを生きたまま使う生ワクチンです。ワクチンウイルスが胎児へ移行する可能性があるため、妊娠後の予防接種は受けられません。さらには、接種後2ヶ月は避妊をする必要があります。予防接種を受ける前後は妊娠に気をつけるようにしてください。

まとめ

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おたふく風邪は感染するととても辛い思いをしなければいけません。特に大人になってからのおたふく風邪はとても大変です。妊娠希望者は、自分に抗体があるのか検査してないようならワクチンの接種を行いましょう。パートナーや周りの方も同様です。妊婦さんに感染させてしまう場合もあります。かつては冬に感染のピークが見られましたが、今では通年発症が見られます。妊娠希望者であってもそうでなくても予防に努め、健やかに過ごせるといいですね。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

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更新日:2017年2月1日

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