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【島根に移住(下)】 移住先として人気上昇中の島根県、そのワケは

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【島根に移住(下)】 移住先として人気上昇中の島根県、そのワケは

NPO法人ふるさと回帰支援センターが毎年行っている移住希望地調査で、2015年、島根がTOP3にランクインしたのはご存じだろうか? この5年間で約2万3000人も人口が減っている島根県が、なぜ移住希望地として人気なのか? その背景を探るべく、県の担当者に直撃取材してみた。(島根に移住[上]はこちら/島根に移住[中]はこちら)
いきなりの急浮上ではなく、着実なランクアップだった

島根の県庁所在地・松江市。国宝認定されたばかりの松江城を望む、島根県庁4階にある島根県地域振興部・しまね暮らし推進課のフロアにお邪魔し、定住支援グループの嘉本博行グループリーダーと、黒崎裕人主任主事のお二人に話をうかがった。

まずは昨年のTOP3ランクインについて、率直な感想を聴いてみた。この結果には、県としても大いに盛り上がっているだろうし、お二人も喜々として話をされると思っていたのだが、予想に反してお二人は奇妙な苦笑いを浮かべながら、「私たちの取り組みがようやく認知された、と感じています」と用意した資料を見せてくれた。

嘉本リーダーが指し示す移住希望地調査の過去2年のデータを見てみると、2013年には14位、2014年には8位と、着実に順位を上げている島根県の姿があった。つまり、2015年に急浮上したわけではなく、これまでの積み重ねで得た当然の結果なのだった。では、この着実なランクアップの裏には、島根県の、どんな取り組みがあったのだろう?

【画像1】移住希望地ランキング(NPO法人ふるさと回帰支援センター調べ)

【画像1】移住希望地ランキング(NPO法人ふるさと回帰支援センター調べ)

他県に先んじて確立させた”オールしまね”体制が成功のカギ

「一言で言えば”オールしまね”で取り組んだ成果だと思ってます」。嘉本リーダーは、順調にランクアップしてきた背景について、そう話してくれた。”オールしまね”というのは、島根県と各市町村や関係機関そして公益財団法人ふるさと島根定住財団のことを指しているのだそうだ。

ふるさと島根定住財団は、島根県や国、民間資本で設立された、人口定住促進事業を総合的に進めるための機関で、設立は1992年。同様の機関は他県にも存在するが、島根は4番目という早さで立ち上げを行っている。平成4年というのは、島根県において死亡者数が出生数を上回り、自然減に転じた年でもあり、県はこの年を”定住元年”と位置付けているそうだ。

簡単に”オールしまね”と言ってはいるが、実はこれを成し遂げるには多くのハードルが待ち構えていた。まずは、県と各市町村の足並みをそろえることの難しさである。現況やニーズの異なる各市町村の状況把握や共有、リアルタイムな情報管理、受入制度や支援プログラムの整備などはもちろん、現場担当者の連携なども重要なポイントになってくる。それらを実現させるための予算確保も必要だ。

それらを専門的に進める財団を設立し、2004年には雇用アドバイザーを導入、2010年には全19市町村に定住支援員を配置するなど、20年以上にわたる長期的プロジェクトの成果が、「多くの人が移住してみたい場所」として認知されるという形に現れたのだと、嘉本リーダーと黒崎主任主事は分析している。

【画像2】"オールしまね"が実現させた支援体制(画像提供/島根県・しまね暮らし推進課)

【画像2】”オールしまね”が実現させた支援体制(画像提供/島根県・しまね暮らし推進課)

特徴的な支援にも注目。HOTワードは”教育””自己実現”

これまでは各市町村が、限られた予算のなかで個々に実施するしかなかった定住促進施策だが、”オールしまね”として総合的に実施できる体制を進めたこともあり、島根県は実に多彩な、かつ特徴のある定住促進・定住支援プログラムを展開している。

●島根県が展開している定住促進・支援プログラム
・総合ポータルサイト「くらしまねっと」での情報発信
・東京・大阪・広島で定期的に実施している全市町村参加の「しまねUIターンフェア」
・都市部への定住アドバイザーや人材誘致コーディネーターの配置
・農業や漁業などを志す人を対象にした長期体験プログラム「UIターンしまね産業体験」
・移住を前提としない”島根とかかわりをもつ”ことを出発点とした講座型プログラム「しまコトアカデミー」
・グリーンツーリズムを定住と連結させた「しまね田舎ツーリズム」など

農山漁村でのくらしを体験する「しまね田舎ツーリズム」などは近年、若い世代にも共感を呼び、大きな注目を集めている(しまね田舎ツーリズムは、ロハスクラブ主催のロハスデザイン大賞で、3年連続・コト部門大賞を獲得)。

実際、県が把握しているUIターン者の数は2015年度で4252名。毎年約4000~5000人で推移している県の減少人口(転出者と死亡者の合計)に匹敵する数の人が流入していることになる。この数を見ても、これまでの定住関連の取り組みの成否は問うべくもないだろう。

さらに、県外の高校生を県内19の学校が積極的に受け入れる「しまね留学」など、新たな枠組みの構築にも余念がない。まさに定住促進において島根県は国内有数の先進県といえそうだ。

【画像3】「UIターンしまね産業体験」のホームページでは、実際に産業体験受入先と、事業者の方々からのメッセージも見ることができる。同プログラムを活用し、その後受入先事業者となった方もいるとか(画像提供/島根県・しまね暮らし推進課)

【画像3】「UIターンしまね産業体験」のホームページでは、実際に産業体験受入先と、事業者の方々からのメッセージも見ることができる。同プログラムを活用し、その後受入先事業者となった方もいるとか(画像提供/島根県・しまね暮らし推進課)

【画像4】今回、直撃取材に快く応じていただいたしまね暮らし推進課のお二人(左:嘉本博行グループリーダー、右:黒崎裕人主任主事)(写真撮影/Yamada Taizo)

【画像4】今回、直撃取材に快く応じていただいたしまね暮らし推進課のお二人(左:嘉本博行グループリーダー、右:黒崎裕人主任主事)(写真撮影/Yamada Taizo)

「まだまだこれからです!」と熱く語る、嘉本リーダーと黒崎主任主事。お二人の話を伺って、”オールしまね”を実現させた背景には、行政機関や財団などの組織による機能的な連携の実現によるところが大きいが、それ以上に「島根を元気にしたい」という”人の想い”の集積が、最大の成功要因なのだと感じた。

●取材協力
・島根県/地域振興部しまね暮らし推進課 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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情報提供元:SUUMO

更新日:2017年2月2日

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