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ライナスの毛布?安心毛布?ブランケット症候群…って何?

目次

子供がお気に入りのタオルケットやぬいぐるみなどをどこにでも持ち歩き、ボロボロになっても離さない。それはもしかしたら「ブランケット症候群」かもしれません。ブランケット症候群はどんなものなのかとともに、対処法を解説します。

ブランケット症候群はどんなもの?

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まずは「ブランケット症候群」について、どんな状態のことを指すのかや 、なぜ現れるのかを知っておきましょう。

お気に入りの毛布やぬいぐるみなどを離さないこと

「ブランケット症候群」という言葉は、主に幼児が気に入った毛布やぬいぐるみなどを肌身離さず持ち歩き、それがないと著しく不安になる状態を指してよく使われます。

「ライナスの毛布」や「安心毛布(security blanket)」という言葉を聞くと、なんとなくわかる人も多いのではないでしょうか。ライナスはスヌーピーが登場する漫画「ピーナッツ」のキャラクター。いつも水色の毛布を持っている男の子です。どこへ行くにもその毛布を引きずって行き、頬に当てながら指しゃぶりをしたり、角をかじったり、頭からかぶって巻きつけたりもします。

ブランケット症候群は、名称に「症候群」と付いていますが病気ではありません(あとでくわしく解説します)。また、この呼び方は俗称で、専門的には「移行対象(transitional object)」などと呼ばれることが多いようです。

分離不安を克服するために現れる

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「移行対象」は、「分離不安」に対して現れる防衛手段だといわれています。

「分離不安」は、乳幼児が「母親など養育者から離れる際に感じる不安」のこと。ほぼすべての子供で起こることですが、いったん離れたとしても養育者は戻ってくることを子供が学習すれば自然に治まると言われています。ただ、中にはこの分離不安を感じているときに安心感を得るために移行対象を必要とする、つまり一般的に「ブランケット症候群」と呼ばれる状態になる子がいるのです。

移行対象は母親の代理物と考えられており、毛布のように柔らかいものや肌触りがいいもの、温もりを感じられるものが選ばれます。欧米では毛布やぬいぐるみが一般的ですが、日本の子供ではタオルやタオルケットの場合も多いようです。

ブランケット症候群は病気ではありません

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どんなにボロボロになってもひとつの布製品やぬいぐるみにこだわり続ける様子を見ると、親としては心配になりますね。「ブランケット症候群」という言葉を聞くと、病気ではないか、受診が必要ではないかと思うかもしれません。

でも、さきほども説明した通り、「ブランケット症候群」を起こす背景には、幼い子供の発達過程で見られる正常で健康的な気持ちの変化があります。母親とのほど良い関係を前提に起こるともいわれています。

移行対象は子供が眠りにつくのに役立ったり、親から離れたときに安心させたりする効果があります。怖い思いをしたときや動揺したときにはその気持ちを慰めてくれて、慣れない場所でもそれがあれば落ち着いて過ごすことができます。自分のお気に入りがいつでもそばにあるという快適さが、幼児が依存から独立へ移行する際のストレスに対処することを助けてくれるのです。

意外とよくある

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移行対象を持つようになる子の割合は、アメリカでは53.9%、韓国では18.3%、中国では16.5%という報告があります。日本では、過去のいくつかの研究からおよそ3割程度といわれています[*1]。一方で、日本の大学生を対象に行った調査では、85.5%が子供のころに移行対象を持っていたと答えたという結果も[*2]。

「ブランケット症候群」や「移行対象」といった言葉はあまり聞き慣れないかもしれませんが、意外に身近なもののようです。

ブランケット症候群はいつからいつまで?

ブランケット症候群はいつごろ始まり、いつまで続くのでしょうか。

未就学児のころによくみられる

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ブランケット症候群を示す子は0歳代から移行対象を選び始め、そのまま何年も持ち続けますが、大半は5歳ごろまでに離れていきます[*3]。2歳~3歳のころが一般的ともいわれています。

中には、小学校を卒業するころになっても移行対象を持ち続ける子もいますが、やはり心配はありません。ストレスがあり少し抱きしめてほしい、でも親を頼りたくないときには、思春期に入ってからでさえブランケット症候群が出てくることもあります。

実は大人でも珍しくない!?

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ブランケット症候群は、基本的には幼児期で卒業すると言われていますが、大人になっているのに移行対象を持ち続けている人も実は珍しくないようです。さきほども紹介した日本の大学生を対象にした調査では、子供のころに移行対象を持っていたと回答した大学生のうち、15.6%が「移行対象からまだ卒業できていないと思う」と回答しています[*2]。

また、英国のあるホテルチェーンの行った調査では、英国の成人の約51%が子供のころから持っているテディベアがあり、所有期間の平均は27年だったと報告しています[*4]。このように、安心できる何かを心の寄りどころにしている人は案外、大人にも多いようなのです。身近な誰かに聞いてみたら、実はお気に入りのぬいぐるみと寝ているという大人がすぐに見つかるかもしれませんね。

ブランケット症候群の対処法

ここまでで、ブランケット症候群は病気ではなく、心配いらないということはおわかりいただけたと思いますが、子供にこの状態が見られたときは、どのように対処すると良いのでしょうか。

対処①自然に手放すまで見守る

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子供が移行対象を持つことを止めさせる理由はありません。あまり心配しすぎず、子供が自分から手放すまで見守りましょう。子供は移行対象を持っていれば安心して眠ることができるので、入眠儀式のアイテムとしても役立ちます。

時には、移行対象を持っていることが、「指しゃぶり」を促すように見えて、それが心配になるかもしれません。ですが指しゃぶりも、幼い子供が自分自身を慰めるためによく行う自然な行動です。成長するにつれてストレスに対処する他の方法を見つけ、移行対象を持つことも指を吸うことも徐々になくなっていきます。

なお、指しゃぶりは歯並びなどへの影響を考えると、2歳ごろまでにはやめたほうが良いとされています。指しゃぶりについて詳しくは、下記の記事も参照してください。

対処②同じものをもう一つ用意する

見守るといっても、口に入れることもあるため、衛生面には気をつけてあげましょう。とはいえ、いざ洗ったりクリーニングに出したりするために離そうとすると、子供は嫌がります。そんなときは、子供が決めた移行対象と同じものをもうひとつ用意すると良いでしょう。

同じものがあれば、ひとつを持っている間にもう一方を洗うことができます。大きな毛布やタオルケットであれば、半分に切ることもひとつの方法です。サイズよりも手触りやにおいが大切なので、赤ちゃんや小さな子供は特に気にすることはないでしょう。

なお、同じものを用意したら、できるだけ早く2つを交互に使うようにさせます。片方が新しいままだと子供は違和感を抱き、拒絶する可能性があります。同じものをもうひとつ用意することは、洗い替えだけでなく、紛失対策にもなります。

登園などで持っていけないときの対処法

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ブランケット症候群で困るのは、登園などで持って行けないときですね。そういった場面で困ることが多いなら、事前にルールを決めて少しずつ離れる時間を作って慣れるようにしましょう。そして最終的に車など乗り物に乗るときだけ、子供部屋の中でだけ、などと使用するシーンを限定するといいでしょう。

ただし、下の赤ちゃんが生まれたばかりのときや引越しの前後など、ストレスがかかる時期には無理に離そうとしないでください。どうやっても離さなくて困るときは、保育園や幼稚園の先生にも相談してみましょう。

まとめ

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ブランケット症候群は、病的なものではありません。成長に伴う変化に適応するのを助けてくれるもので、決して愛情不足とか、お子さんの心が弱いとか、不安やストレスが強いせいで起こるのではありません。乳幼児期に多いものですが、何歳から始めても、何歳まで続いてもあまり心配しないでください。お気に入りアイテムのおかげで安心して眠れるといったメリットにも目を向けて、洗い替えを用意しながら自然に離れる日まで見守ってあげましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:大越陽一 先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]十文字学園女子大学紀要vol.46, 2015「双生児における「移行対象」の特徴について」 https://core.ac.uk/download/pdf/233937214.pdf [*2]心理相談センター年報第4号2008「移行対象・移行現象からみる大学生における分離不安に関する研究」 [*3]American Academy of Pediatrics「healthychildren.org Transitional Objects」 https://www.healthychildren.org/English/ages-stages/baby/Pages/Transitional-Objects.aspx [*4]UPI:35 percent of British adults sleep with bear https://www.upi.com/Odd_News/2012/02/21/35-percent-of-British-adults-sleep-with-bear/49791329806031/?ur3=1

この記事の監修ドクター 大越陽一先生 杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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