22時までの延長保育や公立校の小中一貫教育など「品川区」の魅力的な子育て支援

品川区は池田山・島津山といった閑静な住宅地や天王洲・大崎のような高層ビルが立ち並ぶエリア、戸越銀座や中延のような活気あふれるエリアが同居する魅力的な区です。全国に先駆けて開始された公立の小中一貫校など、教育にも力を入れていることで子育て世帯から人気があります。今回は、品川区の子育て支援について詳しく調べてみました。

品川区ってこんなところ

品川区は東京都の南東部に位置し、面積は22.84平方キロメートルです。古くから交通の要として栄えていたこともあり、現在もJR、東京メトロ、東京急行電鉄、京浜急行電鉄、都営地下鉄、東京モノレール、東京臨海高速鉄道など14線、40もの駅があってどこへ行くにもアクセスのよさが光ります。区内は商業地として栄えている品川地区、新宿・渋谷と並ぶ副都心の大崎地区、しながわ水族館や区役所がある大井地区、活気ある商店街で賑わう荏原地区、みどりと水辺に囲まれた八潮地区の5つにわかれており、それぞれに魅力的な特徴があります。「住み続けたくなる」「出かけたくなる」と思えるような地区ごとのよさがあり、各家庭のニーズにあわせたエリアを選ぶことができるのも選ばれるポイントかもしれませんね。

JR京浜東北線 大井駅前にある「きゅりあん」は、大小2つのホール、イベントホールやグループ活動室、会議室、講習室などがある品川区総合区民会館です。ラテン語で「集会所」を意味する「キュリア」から名付けられた通り、文化や芸術、生涯学習等の場として多くの人が訪れる施設となっています。誰でも気軽にワンコインで映画が見られる「ワンコイン名画座」、さまざまな楽しいイベントが行われる「ふれあいこどもまつり」、子どもと一緒に楽しめるコンサートなど、気軽に芸術や文化に触れることができる貴重な場所です。

同じく大井駅前には、劇団四季専用劇場「夏」と「キャッツシアター」があり、大迫力の舞台を見ることができます。人気プログラム「ライオンキング」や「キャッツ」にはファミリーゾーンが設定されており、対象の席を予約すれば3歳~小学6年生までの子どもは料金が約半額。家族で気軽に舞台を楽しめるのがいいですね。また、座面を高くするシートクッションの貸し出しや、周りに迷惑をかけずに観覧できるガラス張りエリア「親子観劇室」など、小さな子ども連れでも安心して楽しめる配慮があるのもうれしいポイントではないでしょうか。小さな頃から芸術に触れることで、感性豊かに育ってくれそうですね。

品川区には、都立公園、都立海上公園、区立公園など多くの公園があります。しながわ水族館に隣接している「しながわ区民公園」は、区立公園では最大規模の総合公園です。また、9体の恐竜像が置かれていることから別名“かいじゅう公園”と呼ばれている「子供の森公園」、交通公園や運動公園の機能を持ち合わせた「東品川公園」などがあります。「鮫洲運動公園」は、改修計画の段階で区内小学生が参加するワークショップが開催され、子どもたちの自由なアイディアで生み出された「全方向すべり台」や「つり橋」といった12個の遊具が取り入れられています。自分たちが遊ぶ公園の企画に携わることができるなんて、とても貴重な経験ですよね。

品川区には、文化や芸術などを子どもと一緒に堪能できる施設や、思いきり体を動かせる公園が数多くあります。また、公園の改修計画に子どものアイディアを反映させるなど、区民が積極的に品川区をよくしていくために活動できることもオススメ。品川区の基本構想の理念「区民と区の協働で、『わたしたちのまち』品川区をつくる」の通り、地域ぐるみで「私たちが品川区を作っていく」という意識を持てるというのは、子育てしやすい環境を作る上でとても重要ではないでしょうか。

品川区で子育て中の働くママに聞いてみました

◎Y.Uさん(38歳)小3、5歳のママ 「しながわ区民公園」は広大な敷地に遊具のある遊び場やテニスコート、区民プールなどがあります。子ども用自転車の無料貸し出しがあり、広い敷地を使って練習することが可能です。テーブルやイスが多く、親子でランチするのにも便利。また、小学生全員に「まもるっち」というGPS搭載装置を一律で配布してくれるのも他の自治体にない魅力的なサポートです。おかげで、登下校の際に安心できます。

◎Y.Jさん(47歳)高2、中1のママ 区内に義務教育学校が6校あり、学区に隣接する場合は選択ができます。義務教育期間である9年間を4・3・2年の3つにわけ、5年生から部活動に参加、教科担任制、50分授業、定期考査があるなど、品川区独自の取り組みを行っているのも特徴的です。また、すべての小学校で「すまいるスクール」が開設されており、学校の敷地から出ることなく放課後を過ごすことができるので安心できます。

品川区の魅力を徹底調査!

短時間就労などの保育ニーズに対応し、待機児童数減少へ

品川区には43の区立保育園以外に、認可保育園、認定こども園、認証保育所などのさまざまな保育施設が存在しています。区内の年少人口は年々増加しており、保育園の利用希望者数も増えています。2015年は待機児童数が215名でしたが、既存保育園の整備による定員増や弾力化、認可・認証保育園の新設誘致などの対策を行うことで減少させ、2020年には13名となりました。年齢によって異なる保育需要をさまざまな形で解消しており、そのうちのひとつが「短時間就労対応型保育」です。就労時間が短く保育園に入りにくいパートや自営業等の家庭の乳幼児(1~3歳児)を短時間就労対応型保育室で受け入れたことが、乳幼児の待機児童数減少の助けとなっています。

9年間の一貫教育で、次世代を担う子どもたちを育てる

品川区には31の公立小学校、9つの公立中学校、全国でも先駆けとなった6つの「義務教育学校(小中一貫校)」があります。どの校種を選んだとしても9年間を通したカリキュラムで教育を受けることが可能です。教育制度の見直しや再構築を図る教育改革「プラン21」をすすめ、市民としての能力や資質を高める「市民科」、経済活動体験「スチューデント・シティ」、将来設計学習「ファイナンス・パーク」、など品川区独自のカリキュラムに力を入れています。また、小学校5・6年生で教科担任制を実施しているのも珍しいケースではないでしょうか。 なお、品川区は学校選択制を実施しており、小学校は本来の学区に隣接する学区から、中学校は区内全域から選ぶことができます。学校ごとに特色のある教育活動や学校づくりを行っているので、複数の選択肢の中から子どもの適正にあう学校を選べる点がいいですね。

就学後も子どもたちの安全な居場所づくりが盛んな、品川区の子育て支援

(1)妊娠期からの相談事業

妊産婦ネウボラ相談員(助産師)が面談を行い、妊娠中に必要な情報を伝えたり、相談に乗ってくれたりします。初回の面談終了後に、お祝い品(1万円分の育児用品カタログギフト)がもらえます。「ネウボラ」とはフィンランド語でアドバイス(neuvo)の場(la)という意味の言葉で、妊娠・出産から育児まで切れ目のない支援を行う「しながわネウボラネットワーク」事業のひとつです。

●妊娠期からの相談事業 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-ninnshinn/kodomo-ninnshinn-service/hpg000026799.html

(2)子ども すこやか医療費助成

中学3年生までの子どもが医療機関等で診療を受けたとき、通院・入院・入院時の食事負担金などの保険診療の自己負担分を品川区が全額助成する事業です。そして、入院時の自己負担分のみに限りますが、助成対象が高校3年生まで拡大されます。一時的とはいえ、入院時はお金がかかることが多いので高校3年生までが対象となるのはうれしいですね。 ※所得制限なし

●子どもすこやか医療費助成 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-iryohizyosei/hpg000017744.html

●高校生等の入院医療費助成について https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-iryohizyosei/20190605164306.html

(3)「はじめてのえほんよんでよんで」事業

子どもたちに早くから本に触れ合ってもらうため、4カ月児健診の際に絵本パックの引換券を渡しています。品川区立図書館全館および大崎駅西口図書取次施設で受取可能で、0~1歳児向けの2種類の絵本から好きな1冊を選ぶことができます。

●「はじめてのえほんよんでよんで」事業 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-kateisoudan/hpg000027890.html

(4)延長夜間保育

共働き世帯の場合、仕事の都合で朝が早かったり、夜が遅くなってしまったりすることがあるかと思います。品川区内の保育園では、基本開園時間である7時30分~18時30分を超えて保育が必要な場合に延長夜間保育が利用できます。全園で延長保育(18時30分から19時30分)を実施しており、園によっては最大22時まで利用できます。 ※事前登録必須。別途利用料金が発生し、園によって延長夜間保育実施の時間は異なります。

●延長夜間保育 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-hoyou/kodomo-hoyou-hoikuen/hpg000029931.html

(5)育休明け入園予約制度

子どもが1歳以降になるまで育児休業を取得し、育児休業前と同様の勤務に復職する保護者が利用できる制度です。復帰月から入園できるようにあらかじめ申し込みをしておくことができるので、年度途中からの利用でもスムーズに通園することが可能です。なお、申し込み者多数の場合は、通常の認可保育所入所選考基準に従い選考となります。

●育休明け入園予約制度 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-hoyou/kodomo-hoyou-hoikuen/hpg000004250.html

(6)病児・病後児保育

保育園や幼稚園等に通園している子どもが、病気または病気の回復期のため集団保育できないにも関わらず、保護者が仕事のため家庭で保育できない場合に、病児または病後児保育施設で一時的に預かってくれます。区内には4つの病児保育施設と4つの病児後保育施設があり、病後児保育に関しては認可保育園の在園児は無料で利用できます。回復期の病後児保育施設への登園は長くなることもあるので、利用料無料は、かなり助かるのではないでしょうか。

●病児保育 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-hoyou/kodomo-hoyou-ichizi/hpg000033509.html

●病後児保育 https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-hoyou/kodomo-hoyou-ichizi/hpg000033507.html

(7)児童見守りシステム(まもるっち)

「まもるっち」は、品川区独自の児童見守り防犯システムです。区内在住の児童および区立小学校・義務教育学校(前期課程)の児童に、GPS機能付き緊急通報装置「まもるっち」を無償で貸与しています。子どもが危険を感じたときにスイッチを引くと防犯ブザーが鳴り、区役所内の「まもるっちセンター」にいるオペレーターと会話ができます。緊急事態と判断した場合には、GPS機能で特定した発信地点へ警察官OBで組織される「生活安全サポート隊」や、現場近くに住む協力者が駆けつけて子どもの安全を確保してくれます。

●児童見守りシステム(まもるっち) https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/bosai/bosai-bohan/hpg000000978.html

(8)すまいるスクール

すまいるスクールとは、品川区の「全児童放課後等対策事業」です。区内すべての小学校や義務教育学校にあり、放課後や休校日の学校施設を活用して子どもたちの健やかな育成を見守る場所となっています。保護者の就労等の理由なしに全学年の児童が利用できるA登録、保護者が就労等の理由により家庭で保育できない全学年の児童を6時まで預かるB登録、同じく就労等の理由で19時まで保育が必要な1~3年生が利用できるC登録の3種類があります。

●すまいるスクール https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-smileschool/smiletouroku/20181211160328.html

(9)しながわ子ども 食堂

2019年12月現在、品川区内には23の子ども食堂があります。社会福祉協議会が事務局となり、地域やNPOの方がボランティアとして運営しています。親が共働きなどのためにひとりで食事をとることが多い子どもたちに、みんなで食べる楽しさや温かさを提供することが目的です。食事だけでなく、学習支援などを行っているところもあります。

●しながわ子ども食堂 https://shinashakyo.jp/kodomonet/

(10)児童センター

児童センターは、0~18歳までの子どもとその保護者が自由に利用できる場所です。区内に25の施設があり、季節にふさわしい行事や子どもたちの想像力、自主性を高めるクラブ活動などを行っています。なお、9つの児童センターでは週に2回、18~19時まで開館時間を延長して中学生と高校生だけが利用できる時間を作っています。居場所がなくなりがちな中高生が、友だちと過ごす場所として最適です。

●児童センター https://www.city.shinagawa.tokyo.jp/PC/kodomo/kodomo-zidoucenter/hpg000000850.html

まとめ

品川区は、保育園の延長夜間預かりや育休明け入園予約制度など、共働き世帯への手厚い支援があること、そして全国でも先駆けである小中一貫教育の推進や独自のカリキュラムを行うなど、教育の質が高いことなど、子育て世帯にとって非常に魅力的な支援が整っていると感じました。また、区民と区が協働で「品川区をつくる」という意識が高いことも、子育てがしやすい理由のひとつかもしれませんね。

(文:安部美和)


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更新日:2020年12月1日 / 公開日:2020年12月1日

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