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リノベしやすい中古マンションはどう選ぶ? 物件探しとプランづくりのコツを聞いてみた

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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リノベしやすい中古マンションはどう選ぶ?物件探しとプランづくりのコツを聞いてみた

「中古マンションを購入してリノベしたい」という声をよく耳にするようになった。しかし思いどおりの部屋をつくるためには物件探しが重要だ。実際は「リノベしやすいマンション」「リノベしにくいマンション」もあるからだ。買った後に「こんなはずじゃなかった!」とならないために、見分けるためのポイントを「中古×リノベーション」を数多く手掛ける株式会社NENGOの林久順(はやし・ひさより)さんと小堀良治(こぼり・よしはる)さんに聞いてみた。
自分が手にしたい「理想の暮らし」に合わせた物件を探す

NENGOではリノベーションしたい人を物件探しの段階からサポートする『おんぼろ不動産マーケット』を運営している。不動産の紹介担当の小堀氏は「マンションを探す段階から、その人の理想の『くらし』が、環境や立地に加えて、リノベーションで実現できるかどうかを一緒に考え、物件を探す必要があると思っています」と言う。確かにはじめてマンションを購入する人たちは、知識も経験も少ないことがある。専門知識をもった人にサポートしてもらえるのは安心だ。

「建物については、構造が大切ですね。竣工図面があれば、それを確認します。例えば壁構造(柱がなく、壁梁や壁により、支えられる構造)の場合は、ラーメン構造(柱と梁により構成されている構造)に比べて、壁を抜いて広い空間にするということができない場合もあります」
ラーメン構造であっても抜ける壁と抜けない壁はある。スケルトンの状態になっていれば確認しやすいが、まだ内装が残っている場合の内見の状態では分かりづらい。「図面がなくても、壁を叩いてみたり、ユニットバスの点検口から確認できることもあります」と林さん。

「床や天井の状態も大切です。古いマンションの場合、上下水道の配管が下の階の住戸の天井の中に埋め込まれている場合があります。そのときは自宅内に配管を通す必要があり、水まわりの場所を大きく変更することができなかったり、室内に段差をつくらざるをえない場合もあります」とのこと。

また建築時の検査済証があるかどうかも大切なポイントだ。「検査済証がないような物件の場合は、銀行に融資してもらえない場合があります」現金でマイホームを買える人なら別だが、住宅ローンを組んで買うケースがほとんどだろう。資金計画の点でも重要になるということだ。

古いマンションであれば耐震性も気になる。「耐震基準適合証明書(※)を取っているかもポイントになりますね。建物への信頼もありますが、住宅ローン減税における築後年数要件の緩和でも必要になります」と小堀さん。買ったあとで確定申告に行ったときに住宅ローン減税の対象ではないことを知る人もいるので気を付けておきたい。

※耐震基準適合証明書:建物の耐震性が基準を満たすことを建築士等が証明する書類。中古住宅の場合、住宅ローン減税が利用できるのは、非耐火構造で築20年未満(耐火構造の場合は築25年未満)の建物に限られるとされているが、「耐震基準適合証明書」付きの物件であれば、築年数が古くても住宅ローン減税の対象となる

【画像1】NENGOが手掛けた、中古リノベーションの事例。写真左:解体後。写真右:リノベーション後(画像提供/株式会社NENGO)

【画像1】NENGOが手掛けた、中古リノベーションの事例。写真左:解体後。写真右:リノベーション後(画像提供/株式会社NENGO)

築年数よりも、管理の行き届いたマンションを選ぶことが大切

内見時にはマンションの管理状態も確認しよう。「マンションの管理状態がいいか悪いかは、内見に行って共用部を見ると分かります。そこを見ないでどうするんだ、くらいの感じですね。管理のいいマンションは清掃がきちんとされていて、スキがない感じがすると思います」と小堀さん。

マンションによっては専有部のリノベーションでも、使う素材が指定されているところもある。「主に遮音性に関係する床の素材の場合が多いです」(同)。例えばむくフローリングの部屋にしたいと思っていても、遮音性の観点で決まりがある場合もあるので、どう解決できるか確認が必要だ。

いずれにしても「理想の住まい」を手に入れるには、マンション全体の管理状況も大きく影響をしてくる。マンションの管理状況を調べる詳細は、以前取材した「中古マンション見学のポイントを、熱血マンション理事長に聞いてみた!」を参考にしてもらいたい。規約や修繕計画などを確認しておくことは、快適なマンション暮らしには欠かせないポイントだ。

住み心地を左右するのは、目に見えない「温熱環境」を重視したリノベーション

ディレクション担当の林さんは「弊社が手掛けたリノベーションは、一見、写真映えがしないかも知れません。それは一番重視しているのが断熱や遮熱といった『性能』の部分だからです。この部分に配慮するのとしないのとでは、住んでからの快適さが違います」と話す。

住み始めて不都合を感じるのは、実は目に見えない「住宅の性能」だ。壁紙やフローリングは後からいくらでも変えることができる。しかし断熱性や気密性能といったものは、最初にきちんと対処しておかないと後から高めることは難しい。

「特に温熱環境は健康という面でも大事だと思います。家の中のヒートショックで亡くなる方は交通事故で亡くなる人より多いそうです」とのこと。加えて2020年からは建築物省エネ法(建築物のエネルギー消費性能の向上に関する法律)により住宅にも最低基準が設けられる。

「これからは『耐震』のように、旧省エネ基準・新省エネ基準と区別され、建物の資産価値を左右することになると思いますよ」(同)

【画像2】NENGOのリノベーションでは、断熱材や複層ガラスなど快適な温熱環境を実現できるプランを提案している(画像提供/株式会社NENGO)

【画像2】NENGOのリノベーションでは、断熱材や複層ガラスなど快適な温熱環境を実現できるプランを提案している(画像提供/株式会社NENGO)

「インスタ映え」よりも、ていねいな素材選び

リノベーションを実施するにあたって、NENGOでは見学会を度々開催するそうだ。林さんは「経験した人の話を聞いてもらうのが、一番参考になるようです。弊社でリノベーションをした人は協力的な方が多く、自宅を公開してくれる場合が多いですよ」と言う。なかには何度も足を運び、仲良くなってしまうこともあるそうだ。

林さん自身も、ヒアリングを通して顧客と親しくなることが多い。「ご夫妻の履いている靴が、偶然僕の履いている靴と一緒だったということもありました。趣味が一致するということは暮らし方も一致する可能性がありますね。一見建物とは関係ない会話が、リノベーションプランのヒントになることも多いんですよ」本の趣味や暮らしの趣味を知ることで、より満足してもらえる住まいが提案できる。そのための時間を大切にしているそうだ。

また、むく材の使用など素材をていねいに選ぶということを重視しているそうだ。「弊社のリノベーションは、出来上がったときはそっけないように見えることが多いです。いわゆる『インスタ映え』はしないかも知れません。でも、なんだか居心地がいいな、と感じてもらえる空間をつくっています」(同)。住んでいる人がいずれ自らつくりこんでいく余白を残し、住まいと住み手が一緒に成長していける空間を用意しているそうだ。

【画像3】不動産の紹介担当の小堀さん(左)と、設計ディレクション担当の林さん(右)。(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

【画像3】不動産の紹介担当の小堀さん(左)と、設計ディレクション担当の林さん(右)。(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

いろいろハードルが高そうな「中古マンションを購入して自分スタイルにリノベーション」。だが、自分であらかじめ知識を身に付けておくこと、そして必要なときには専門家のサポートを得ることで、実現できるかもしれない。

●取材協力
株式会社NENGO 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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