男性の国会議員が育児休暇を取るかどうか、という話題がニュースになったことを覚えていますか? 育児休暇取得は、男性にも女性にも平等に与えられた権利です。とはいえ、日本社会では、男性の育児休暇はまだまだ一般的ではありません。働くママはどのように考えているのでしょうか?
(イラスト:mico Ꮚ•ꈊ•Ꮚ @gogo_aokun)
働くママとして、男性育休について賛成ですか?
男性の育児休暇についての賛成かどうかを聞いてみると、「賛成」が74%、「賛成じゃない」が15%、「その他」が11%という結果になりました。賛成派が7割を超え、ママたちの大多数が男性の育児休暇取得について、肯定的に考えているようです。
では、どうしてそういった意見を選択したのか、具体的な意見を見てみましょう。
「賛成」と回答した人の意見
子どもは2人で育てたい!
核家族が増えていて、夫婦で育児するのは当たり前だと思っているため。 (37歳/金融・証券/営業職)
女性も長時間働く人が増えているので、どちらも協力しあって育児をすることが大切になってくると思うから。 (39歳/金属・鉄鋼・化学/事務系専門職)
夫婦で子育てするのは当たり前だし、協力なくして成り立たない。 (38歳/小売店/事務系専門職)
近年、「ワンオペ育児」の弊害が広く認知されるようになりました。アンケートにも、「子どもはひとりで育てるものではない」「夫婦で子育てをがんばりたい」から賛成、という意見が多く見られました。夫は仕事、妻は家庭、という価値観は古い考え方になりつつあります。育児休暇は、これから20年近く続く子育ての大事なスタートです。協力関係を築くには、はじめが肝心と言えるでしょう。
パパにも、子育ての大変さをわかってほしい
近くに頼れる親類がいない場合は、家族で育児にあたらないと共倒れになると思うから。 (36歳/印刷・紙パルプ/クリエイティブ職)
わざわざ休みを取れば、夫も協力的になると思うから。 (27歳/金融・証券/秘書・アシスタント職)
夫婦の会話や絆が深まると思うから。 (40歳以上/金融・証券/事務系専門職)
子育ての大変さは、体験してみないとなかなか実感できないものです。また、短い時間しか関わっていない場合、全体像を把握することは難しいでしょう。育児休暇は、24時間、子どもと一緒に暮らし、お世話をするいい機会です。子育てを母親にまかせっきりにさせないためにも、男性の育児休暇取得に賛成、という意見が聞かれました。育児休暇をきっかけに、男性にも「わかるわかる」という共感の気持ちを持ってほしいですね。
パパにも、日々の子どもの成長を感じてほしい
育休中くらいしか、べったり一日中子どもといないから。 (40歳以上/医療・福祉/専門職)
赤ちゃんの成長を一緒に感じることができる。子どもと過ごす時間を確保できる。 (35歳/医薬品・化粧品/事務系専門職)
取得しやすい環境であれば、子どもと過ごす貴重な時間になる。 (34歳/小売店/販売職・サービス系)
育児は、大変なことばかりではありません。赤ちゃんがはじめて笑ったり、げっぷをしたり、日々の成長を間近で見られることは大きな喜びでもあります。育児休暇は義務ではなく、与えられた権利であり、ごほうびだと考えてもよいのではないでしょうか。子どもは日々成長します。育児休暇は、赤ちゃんを抱っこしたり、写真を撮ってあげたり、楽しい時間を夫婦で共有できる貴重な期間になるでしょう。
「賛成じゃない」と回答した人の意見
本当に育児してくれるか不安
育休をとっても、家事や育児を積極的にやるとは思えないから。 (32歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)
男性育休自体は賛成ですが、中身が問題。育休を取得したのはいいとして、一日1時間、2時間家のことをやって終了では、逆に女性の方が大変。お昼の用意なども含めて。 (40歳以上/小売店/販売職・サービス系)
ただ家にいるだけの育休だけだったら、いらない。 (28歳/機械・精密機器/秘書・アシスタント職)
一方、男性の育児休暇取得には賛成ではないママもいます。理由は、男性が本気で育児参加してくれるかどうか不安だから。特に、ママと同時に育児休暇を取得すると、気分はゆるみがち。「最後はママが面倒を見てくれる」と思ってしまう男性もいるでしょう。ママの産後8週間以内に育休をとってもらった場合、あとから2回目の育児休暇申請ができるという制度もあります。上手に利用して、ママの職場復帰時にパパに育児を任せてみてはどうでしょうか?
「そのほか」と回答した人の意見
ケースバイケースで判断が必要
育休というよりは、半日勤務や、早引きなどフットワーク軽く動けるようにしてほしい。 (34歳/学校・教育関連/秘書・アシスタント職)
男性が育児に積極的な人ではないと、だめだと思う。 (40歳以上/小売店/販売職・サービス系)
完全な育児休暇だけではなく、時短勤務や残業制限など、育児と仕事の両立支援は男性も利用できます。これは法律で認められた権利で、「うちの会社にはそうした制度がない」という場合でも、申請すれば本来は認めてもらうことができます。男性の育児休暇取得率が低い日本社会でも、時短勤務なら抵抗感が薄いかもしれません。パパが積極的に「育児休暇をとりたい!」と考えているご家庭なら、チャレンジする価値はありそうです。
まとめ
令和元年度の厚生労働省の「雇用均等基本調査」によると、女性の8割が育児休暇を取得する一方で、男性の育児休暇取得率は全体の1割にも満たないという調査結果が発表されました。働くママの間でも、賛成派と慎重派にわかれ、さまざまな意見が挙がりました。ただ、取得した男性は「とても貴重な体験だった」として、その後の育児参加にも積極的になる方が多いようです。妊娠中から、育児休暇取得について話し合ってみてはいかがでしょうか?
マイナビウーマン子育て調べ 調査日時:2020年9月8日~9月13日 調査人数:133人(22歳~40代までのプレママ・ママ)
(マイナビウーマン子育て編集部)