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マンションの外壁のタイルがはがれてる。それって施工ミスかも?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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マンションの外壁のタイルがはがれてる。それって施行ミスかも?

最近のマンションは圧倒的にタイルが張られていることが多いもの。自分の住んでいるマンションの外壁を眺めたときにタイルがはがれそうになっているのを発見したらどうすべきか。今回は大規模修繕時に見つかることの多い「タイルのはがれ」問題について、長年対応してきたさくら事務所のマンション管理コンサルタントの土屋輝之氏に話を聞いてみた。
「経年劣化」ではなく、施工ミスの可能性も

マンション外壁のタイルがはがれる事故は度々起きている。なかには下にいる人に直撃してけがをしたケースも。自分の住むマンションでタイルの劣化やはがれを発見した場合、まずは管理会社や分譲会社に相談することが多いだろう。「地震や経年劣化が理由と返答されることが多いですが、実はもともとの施工に問題があることもあります」。“タイルの問題”と言われてよく片づけられるが、タイルを使用することに問題があるわけではなく、下地の問題が大きいそうだ。

「きちんと施工されているマンションなら、そんなに簡単にタイルがはがれることはないはずです。はがれ落ちるタイルの多くは、建設時にコンクリートに張りつける接着方法に問題がある場合もあります」と土屋氏。大きく分けるとタイルの施工方法としては国土交通省の「建築工事共通仕様書」と日本建築学会の「JASS19陶磁器質タイル張り工事」という2種類の基準となる工法があるそうだが、そのどちらでもない工法で施工されていることがあるとのこと。

「下地は型枠などの関係で、以前に比べてツルツルに仕上がるのですが、タイルをしっかり吸着させるためには凸凹させて吸着面を広げる手間が必要です。またタイルの裏側の凹凸部にモルタルが充填されず空隙(くうげき)が多いと、タイルの接着力が低下してしまうのです。不具合のあったタイルを持ち帰って検査しますが、施工時にミスがあった場合も見受けられます」と土屋氏。

【画像1】土屋輝之氏(写真撮影/四宮朱美)

【画像1】土屋輝之氏(写真撮影/四宮朱美)

見た目にも美しく、コンクリートの劣化を遅らせることができるため、マンションの外壁はタイルが採用されることが多い。しかし、大規模修繕の際には問題になることが多いようだ。

「一般的に大規模修繕工事の見積もりは、建物全体の調査を実施せずに、不具合の発生している箇所の割合を推定して工事の金額を決定します。外壁タイルの場合には張り替えや補修が必要となる割合を、約3~5%程度として計算していることが多いですが、実際には10%~15%以上の割合で補修が必要となることがあります」と土屋氏。

このような場合、追加工事に必要な金額が数百万円~数千万円、大規模な場合では1億円を超える費用が必要になったこともあるそうだ。「見積もりよりも高額になりすぎて、一時金を住民に徴収するか、金融機関から融資を受けることなどを検討しなければならない事態となります」とのこと。管理組合の調整がうまくいけばいいが、なかには解決策が見つからず、とりあえず落下防止の網をかけたままでおいてあるマンションもあるようだ。

「タイルは耐久性の高い素材なので、膨れ上がったり変色したりすることもなく、劣化に気付かないことが多いです。でも見つけられた場合は、より正確な大規模修繕の見積もりが作成できるので逆にラッキーだと思います」。また急に落下して歩いている人にケガをさせたりしたら、管理組合の責任になってしまうこともある。事前に不具合を把握して事故を未然に防ぐことは大切だ。

【画像2】はがれたタイルの裏を見ると、タイル裏面の凹凸部にグレーの貼り付けモルタルが充填されていないことが分かる。ここにモルタルがしっかり充填されるとタイルとの密着力が増すが、このように空隙が多いと接着力が低下する(画像提供/さくら事務所)

【画像2】はがれたタイルの裏を見ると、タイル裏面の凹凸部にグレーの貼り付けモルタルが充填されていないことが分かる。ここにモルタルがしっかり充填されるとタイルとの密着力が増すが、このように空隙が多いと接着力が低下する(画像提供/さくら事務所)(画像提供/さくら事務所)

できれば築10年以内に確認しておくとベスト

「大規模修繕を12年に1度程度の周期で実施するマンションは多いですが、その際にタイルのはがれや浮きが15%もあったら問題です」。本来であれば『品確法(※住宅の品質確保の促進等に関する法律)』や『分譲会社のアフターサービス規準』などがあり、雨漏りや住宅が傾くなどの重大な瑕疵が起きた場合は最長10年間の保証が受けられる。

「そのために保証期間中に建物の点検を行い、保証を利用して修繕するほうが良いはずです。けれども保証期間中に点検を実施して、保証制度を活用しない管理組合がほとんど。できれば期間内に診断することをお勧めします」とのことだ。

もちろん10年の保証期間が過ぎても、明らかな瑕疵があった場合は不法行為として、施工会社の責任を追及することは可能だ。だが設計図書通りに施工されているかどうかなど、詳しい検査が必要になる。「できれば早めに点検しておけば、大規模修繕の際に慌てずにすみます。最近では、サーモグラフィを使用して外壁の浮き部を調査する診断方法もあります。打診法に比べて、コストも抑えて外壁調査できますよ」と教えてくれた。

タイルの劣化は不具合が見える部分だけではなく、周辺にも影響を与える場合が多いそうだ。できれば大ごとにならないうちに発見しておきたい。大規模修繕に備えて頭に入れておきたい要素だ。

●取材協力
・さくら事務所/マンション外壁相談.com 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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