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賃貸住宅の建設が増えているけど、そんなにつくって大丈夫?

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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賃貸住宅の建設が増えているけど、そんなにつくって大丈夫?

国土交通省が2016年の新設住宅着工戸数を公表した。着工、つまり工事に着手した住宅の戸数がどれだけあったかを、持ち家、分譲住宅、貸家などに分けて公表しているが、大幅に伸びた「貸家」に注目して見ていこう。【今週の住活トピック】
「2016年新設住宅着工戸数(年間)」公表/国土交通省2016年の住宅着工戸数2年連続で増加、貸家が2ケタアップで牽引

2016年の全国の新設住宅着工戸数が公表された。全国の新設住宅着工戸数は96万7237戸で、対前年で6.4%増、2年連続で増加した。

内訳をみると、持ち家として住宅を建設する「持家」は29万2287戸で前年比3.1%増。 分譲する住宅を建設する「分譲住宅」は25万532戸で前年比3.9%増(このうちマンションは11万4570戸で前年比0.9%減、一戸建ては13万3739戸で前年比8.2%増)だった。

これに対し、アパートや賃貸マンションを建設する「貸家」は41万8543戸で、前年比10.5%増と大きく伸びて、着工戸数全体を押し上げる結果となった。貸家が40万戸を超えるのは実に8年ぶりのことだ。

【図1】新設住宅着工戸数の推移(総戸数,利用関係別)(出典:国土交通省「2016年新設住宅着工戸数(年間)」)

【図1】新設住宅着工戸数の推移(総戸数,利用関係別)(出典:国土交通省「2016年新設住宅着工戸数(年間)」)

どうして貸家が増えた?

貸家がこれだけ大きく伸びているのは、2015年からの相続税増税の影響があるといわれている。実勢価格で計算される現金や株で相続するより、実勢価格より低い評価額で計算される不動産で相続したほうが、節税効果がある。加えて、貸家の場合は借家人が住んでいて売買に制約を受けることから、さらに評価額が下がる仕組みとなっている。

アパートの建設をしたい建設事業者が、長期間借り上げて賃料を保証することを安心材料に積極的に営業しているという背景もあれば、住宅ローンの貸し出しが頭打ちの金融機関が低金利のアパートローンを積極的に営業しているという背景もあって、貸家が増えていることが考えられる。

でも、ちょっと待ってほしい。すでに日本は家余りの状態にあり、多くの貸家が存在している。しかも、人口や世帯数が確実に減っていくことが分かっている。需要が細くなっているなか、長期間常に入居者で埋まっているということはそう簡単なことではない。

貸家を建てることは、賃貸経営に乗り出すことになるので、常に入居者のニーズを把握して、満室にするためにリフォームやDIYをしたり、付加価値を付けるために工夫を重ねる心づもりが必要だ。

貸家建設ラッシュは、地方のほうが加速している?

貸家の新設状況について詳しく見ていこう。貸家が伸びているのはどのエリアだろうか?
前年比では、首都圏が10.1%、中部圏で9.6%、近畿圏で9.5%と似たような伸び率を示しているが、その他の地方で11.5%と最も高い伸び率を示している。貸家の建設が地方にも広がっているということだ。

都道府県別に見ると、前年比で伸び率の高い順に、長野(36.8%)、富山(36.7%)、徳島(32.4%)、福島(30.7%)、新潟(27.4%)となっている。このうち、復興需要の強い福島と北陸新幹線で活気がある富山は、需要があるのかもしれないが、自分の住んでいるエリアで人口が増えているのか、貸家に住む若年層が流入しているのかなどをよく考える必要があるだろう。

賃貸経営未経験の土地所有者が、30年などの長期間一括借り上げで安定した資産運用ができると思って安易に貸家を建ててしまうことには、リスクがあることをきちんと理解してほしい。建物が古くなったり、競争が激しくなったりすれば空室が常態化し、家賃の引き下げや高額なメンテナンス費用を求められることもあり、それを拒めば一括借り上げの契約解除という事態も起こりうるのだ。

筆者が知っている貸家のオーナーや賃貸管理会社のなかには、入居率を高めるために相当の努力をしている人もいる。賃貸経営に乗り出すということはその覚悟が必要だということだ。節税になるから、勧められたからというだけで、賃貸経営に乗り出す覚悟なくして、安易に貸家を建てることは熟考したほうが良いと思う。

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