ログイン・会員登録すると好きな記事をお気に入り登録できます

【ほめる子育てはよくない?】子どもは無理にほめてほしいわけじゃない『「ほんとのこと」は、親にはいえない』

目次

「子どもが学校のことを話してくれない」「本音が聞けているか自信がない」など、親子の会話で悩むこともありますね。そんなとき、長年教育現場で子どもと関わってきた先生の子どもとのコミュニケーション論を参考にしてみては。木村泰子先生の書籍『「ほんとのこと」は、親にはいえない』(家の光協会)の一部を連載形式でお届けします。

<<『「ほんとのこと」は、親にはいえない』の記事を最初から読む>>

ほめて育てれば自己肯定感は育まれる?

子どもはほめれば喜ぶと思っているとしたら、それ、子どもを舐めています。 他者の評価で幸せを感じるような生き方を子どもにさせてはいけません。

485125850

Getty logo

「ほめて自己肯定感を高めましょう」 「子どもをよく見て、よいところを探してほめましょう」 そんなフレーズが家庭や学校、育児書など、世の中のいたるところにあふれています。 親はプレッシャーを受けて、子どもを見て、ほめなきゃいけないと焦る。 でも、せわしない日常の中、「なかなか時間がないんです」と自分を責める親もいる。真面目な人ほどそうなってしまいます。 でもね、時間なんて関係ないんですよ。 子どもを見るとは、「子どもが今困っていないかな?」という目線を、子どもに発信しているかどうか。困ってないときに、見る必要なんてないでしょ。 「わが子のいいところが見つけられない」「ほめられない」と悩む人もいます。

ほめて子どもを育てる。 この言葉は、大人を主語にした、大人の独りよがりなんです。なぜこの言葉があふれているかといえば、大人が一番苦手なことが、子どもをほめることだから。 親も教師も、自分が苦手なことを努力して克服すればいい子が育つと、妄想みたいに信じこんでいるのでしょう。

一度、ある男の子に言われたことがあります。 「大人って、ほめたらいいって思ってない? ほめられて喜ぶ子ばっかりちゃうで」 その子は「発達障害」のレッテルを貼られて、困り感をたくさん持って転校してきた子どもでした。 私ははっとして、じっくり考えて正直にこう答えました。 「今、そのことを悩んでるねん。私は人にほめてもらったらうれしい。でも、一回ほめられたら、次にほめてもらえなくなると不安になる。だから私はどっちかというと、ほめられたらすごく不安になるなあ」 するとその子は驚いたんです、「えーそうなん?」と。「違うの?」と聞くと、こう返ってきました。 「ほめてくれる大人なんて信用できへん。俺は、怒られるやろなあと思って、言いにくいことを話したときに、怒らないで、『ああ、そう思ってたんか、なるほどな。そういうことか。そうなんか』って聞いてくれた人を信用する。そういうのがうれしい」と。

1207518810

Getty logo

ほめるという行為が目的になっていませんか。子どもはほめればなんでも喜ぶと思っているとしたら、それ、子どもを舐めてます。 たとえば、その子にとってはそれが特別なことではないのに、「君は体格がいいね」とか、「頭の回転が早い」とか、大人がほめることは、まわりの子と比較して評価して格付けをしただけ。そこから子どもに生まれるものは本物の自尊感情ではありません。大人が結果的に、差別や偏見を種のようにまいただけです。 まわりにほめられることで、他者の評価で、幸せを感じるような生き方を子どもにさせてはいけません。いつか社会に出たときに、ほめてもらえないことで苦しむ、そんな結果につなげないでほしいのです。 無理にほめてコミュニケーションをとるのではなくて、子どもが本当に言いにくい本音を話したときに、大人は真正面から受け止めて、否定でも肯定でもなく、その子が言葉を向けてくれたことに「そうなんやね」と返す。それは「私は今、あなたの言葉を聞かせてもらったよ」という、直接的に言わないけれど「ありがとう」という意味の言葉ですよね。

もちろん、ほめることが悪いのではありません。 今までできなかったことができるようになった。心の底から感心したときには思わず口から言葉が出ます。 「わ、すごい、できたやん、すごいやん!」 認めてもらったことで、子どもは「よっしゃ!」と自尊心が高まります。 子どもはほめてほしいのではなく、認めてほしいのです。自分が納得した、自分が学んだ、自分が変われたと思うこと。人と違っている自分が当たり前と思えること。自己肯定感が高まるってそういうことなんですよ。

<<『「ほんとのこと」は、親にはいえない』の記事を最初から読む>>

書籍『「ほんとのこと」は、親にはいえない』について

45年間教育現場で子どもたちと対話を重ねてきた木村泰子先生が伝える、親子のコミュニケーション論。対話とは「意見の違う相手の考えを受け取り、ともに新しい考えをつくっていく」こと。本書を読めば子どもとの接し方が変わります。 子どもとのコミュニケーションに悩むときに読みたい一冊です。

著者プロフィール 木村泰子先生 大阪府生まれ。武庫川学院女子短期大学(現武庫川女子大学短期大学部)卒業。大阪市立大空小学校初代校長として、「すべての子どもの学習権を保障する学校をつくる」ことに情熱を注ぐ。その取り組みを描いたドキュメンタリー映画『みんなの学校』は話題を呼び、劇場公開後も各地で自主上映会が開催されている。2015年に45年の教職歴をもって退職。現在は、全国から講演会、セミナー等に呼ばれ、精力的に各地を飛び回り、学び続けている。

(文:木村 泰子『「ほんとのこと」は、親にはいえない (子どもの言葉を生み出す対話)』(家の光協会)より一部抜粋/加筆修正:マイナビ子育て編集部)


関連記事


/

この記事の著者

マイナビウーマン子育て

ありがとうを贈るとライターさんの励みになります

トップへ戻る




michillの人気ランキング

SNSでも新着記事をお知らせしていますmichill 公式アカウント

ログイン・無料会員登録