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【医師監修】原因がわからない子供の病気? 川崎病とは

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目次

子供がかかりやすいという川崎病。原因も症状も完全には解明されていませんが、早期発見の必要な病気です。冠動脈癌や心筋梗塞など死に至る場合もあるので、注意しましょう。

この記事の監修ドクター

女医によるファミリークリニック大井美恵子先生 当院では受診していただく患者様は家族と思い治すことをモットーとしており、生まれたときから、生涯を終えるときまで、ご家族全員のプライベートホームドクターを承っております。最新の小児科内科皮膚科・美容医療に、東洋医学などの代替医療やアンチエイジング医療を取り入れながら、 ご家族全員がいつまでも健やかで美しくあるためのオリジナル医療を提供しております。 http://www.familyclinic-hiroshima.com/

川崎病ってどういうもの?

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乳幼児に多い病気と知られている川崎病。いったいどのような病気なのでしょうか?

1歳前後の赤ちゃんがかかりやすい?

川崎病は赤ちゃんでも心筋梗塞になります。発症例は1歳頃が最も多く、主に4歳以下の乳幼児がかかると言われています。男子は女子の約1.5倍かかりやすいというデータもあります。川崎病の危険性の一つに冠動脈障害を原因とする心筋梗塞が発生する場合があることが挙げられます。一般的には心筋梗塞は動脈硬化を原因とした生活習慣病(成人病)ですが、川崎病の場合は小さな子供でも心筋梗塞になってしまうことがあるのです。

川崎病は小児期に発症する他の病気に比べて重症であり、いつもは元気だった子どもが急にぐったりして動けなくなります。ごくまれに、心筋炎と呼ばれる心臓の筋肉の炎症を原因として心不全となり、死にいたるケースもあります。また、川崎病にかかった後、冠動脈障害によって何年も後に心筋梗塞が起こる可能性もあります。小さい子供がかかった時は特に注意しましょう。

川崎病の発見

1967年に川崎富作博士が、手足の指先から皮膚が剥ける症状を伴っている小児の「急性熱性皮膚軟膜リンパ腺症候群(MCLS)」という名前で発表されました。のちに新しい病気であることが分かり、博士の名前をとって、「川崎病」という病名になりました。

川崎病の流行

日本川崎病研究センターの調査では、川崎病の患者数は1980年代後半~1990年代は毎年6000人程度(1982年、1986年を除く)でしたが、2005年は約10000人、2010年は約12000人、2014年には約16000人と年々増加傾向にあります。

1982年と1986年に大流行した川崎病は、この時期兄弟あるいは姉妹で発症したケースも1982年は2.1%、1986年は1.9%と例年より多くなっています。同時期に家族内での発症数が増えたということは、何らかの形で感染する可能性があると思われます。

この病気は世界各地で確認されていますが、特に日本人、韓国人、日系アメリカ人などのアジア系の人々に多く見られます。開発途上国はまれです。

川崎病の症状

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川崎病の特徴的な症状

川崎病にかかると、主要症状と呼ばれる6つの特徴的な症状がみられます。ある日突然、急な発熱で始まることが多く、それから数日の間に、主要症状が次々と現れます。6つの症状全てが確認されなかったとしても、下記の中の5つに該当するか、もしくは4つ以下の場合でも症状を総合的に見て川崎病と診断されます。

・発熱 38度以上の高熱が5日以上継続

・発疹 患者によって様々な発疹が出ますが、形や大きさが不揃いのケースが多い。発疹はお腹や背中など全身に出る

・目の充血 白目の部分が、両目同時に充血してくる

・唇や舌の発赤 唇が荒れて赤くなり、ひび割れて出血したり、カサブタが出来たりする。舌がイチゴのように赤くブツブツになり、「イチゴ舌」と呼ばれる状態になる

・手足の発赤や腫れ 手足の指先がパンパンに腫れ、熱が下がった頃になると皮がむける

・首のリンパ節が腫れる 多く場合、首の片側に見られる

主要症状が出そろうには2~5日ほどかかり、同時に現れるわけではありません。また、何かしらの治療を開始している場合は、発熱が5日以内で治まることもあるので注意しましょう。

川崎病による冠動脈障害とは

冠動脈とは、心室壁に血液を送ることで、心室自体の働きを維持している血管です。この冠動脈に川崎病の急性期に瘤ができ、その後血栓ができて詰まったり、血管壁が厚くなるなどして血管が収縮し、心筋に十分な血液が行き渡らなくなると、冠動脈障害がおこります。

急性期の症状と共に全身の血管炎、冠動脈の血管炎がおこります。その後、1~2週間後に①血管炎のみで症状が治まる②血管の軽度の拡張(瘤はない。通常3ミリ以下)③瘤の出現の3つの場合に分かれます。冠動脈の起始部の近く、特に左冠動脈の左前下行枝と左回旋枝の分かれ目が瘤の出来やすい場所です。冠動脈瘤になると、心臓の筋肉に酸素や栄養を供給している冠動脈で炎症が起き、コブのような膨らみ(動脈瘤)ができます。血液の通り道が細くなって血流が悪化すると、心筋梗塞など、命にかかわる事態に陥ることもあります。心筋梗塞は川崎病の発症から1年半以内に起こることが多いです。

急性期にできた冠動脈瘤は、その後どうなるのでしょうか?「一過性拡大」といって数ヶ月で瘤が見られなくなる場合があります。そうでない時は、①数ヶ月から数年たって瘤が見えなくなり、冠動脈造影では正常に見える、要するに瘤が「退縮」する場合と、②瘤が残る場合があります。一過性拡大は、血管壁の障害は軽度で、炎症が治まると共に冠動脈の太さは元に戻ります。

川崎病の原因

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川崎病は、子供がかかる病気で、全身の血管に炎症性の変化が見られるのが特徴ですが、原因はどのようなものなのでしょうか?

原因は特定されていない

さまざまな症状が見られる川崎病ですが、原因はまだ解明されていません。細菌やウイルスへの感染、何らかの環境物質による刺激など、あらゆる説が提唱されてきました。最近では、日本人をはじめとするアジア系の人々が多いことや、兄弟や姉妹が同時期に発症するケースが多いことから、遺伝的な要素との関連も研究されています。また、ウイルスや細菌に感染したのを契機にそれを防ぐための免疫反応が起き、全身にある中小の血管に炎症が生じるのではないかとも考えられています。

5日以上、原因不明の熱が続くときは注意

38度以上の高熱が5日以上続いたら、川崎病を疑いましょう。発熱が10日以上続くと、冠動脈瘤ができやすくなります。発熱だけでは川崎病かどうかわからないと思うので、5日以上の高熱の場合は早めに病院へ行きましょう。川崎病は合併症や後遺症として、冠動脈瘤ができ、場合によっては死に至ることもあります。このように、早期治療が欠かせない病気なので十分注意しましょう。

川崎病の治療

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現在原因不明の病気であるため、原因に対する根本的な治療はできませんが、さまざまな治療法があります。ここでは、どのような治療法があるのかを見ていきましょう。

治療は炎症の抑制が目的

川崎病は全身の血管に炎症が起こる病気であり、これによって冠動脈瘤になる危険性があります。急性期の強い炎症反応をできるだけ早く終息させ、冠動脈瘤の発生頻度を最小限に抑えることを目的にアスピリン療法や免疫グロブリン療法を行います。これが川崎病の一般的な治療法です。

川崎病のアスピリン療法とは

アスピリンの内服薬を用いる療法は古くから川崎病の治療でおこなってきました。アスピリンは、熱を下げて炎症を抑制したり、血を固まりにくくすることで血栓ができるのを防ごうとするする作用があります。アスピリンの内服は入院してすぐに開始されます。入院期間は1ヶ月~3ヶ月で、冠動脈に後遺症が残った場合は、冠動脈瘤がなくなるまで継続して服用します。

少量の服用の場合であれば副作用はほとんどありませんが、服用量の増加に伴い、肝機能障害が出ることがあります。また他にも、出血、消化性潰瘍、喘息発作の誘発、皮膚や粘膜のただれ、じんましん、腎障害、食欲不振などが見られることもあります。このような症状が見られた場合は、担当医に相談しましょう。アスピリンの服用を一時中断することもあります。

また、アスピリンはインフルエンザに罹患した時に服用してしまうと、肝臓や脳が機能障害に陥るライ症候群を併発することがあるため大変危険です。注意しましょう。

免疫グロブリン療法とは

軽症の場合や、自然に解熱した場合はアスピリン療法だけで治療することもありますが、免疫グロブリン療法と併用されるのが一般的です。この治療法は、免疫グロブリン製剤を、静脈内に点滴で投与します。免疫グロブリンは、人の血液中に存在し、病原体に対して抗体の役割をするタンパク質のことです。免疫グロブリン製剤は、献血された血液から抽出された免疫グロブリンを主成分にしている薬で、毒素を中和したり、炎症を抑制したり、リンパ球や血小板の働きを抑えたりする作用があると言われています。

免疫グロブリン療法は、現時点で、冠動脈瘤の予防にもっとも効果的とされています。1980年代にこの治療法が行われるようになると、冠動脈瘤の後遺症が大幅に減少しています。免疫グロブリン両方によって、発疹、発熱、吐き気、むくみ、震え、肝機能障害などの副反応が出ることもあります。また、まれにアナフィラキシーの様な症状を起こす場合もあり、そうしたケースでは投与を中止したり、投与するスピードを調整する必要が生じます。

治療後の生活

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病院へ行き治療が終了したら、どのようなことに気をつけて生活していけばよいのでしょうか?

後遺症が残ることはある?

川崎病にかかった後で、生活の中で一番心配なことは冠動脈の障害によって何年も後に心筋梗塞が起こり得るということです。また冠動脈瘤は、症状が色々出てくる急性期に合併したり、のちに後遺症として出てきたりします。冠動脈瘤が出来てしまうと、将来的に狭心症や心筋梗塞を起こす危険性があります。

後遺症が無くても動脈硬化には注意

川崎病は、発熱や発疹などの主要症状が治まっても心臓の冠状動脈が硬化するリスクがあります。再発を恐れる前に、大人になってからも定期的に検査を受けるなど、継続的なフォローをしていくことの方が重要です。動脈硬化の進行には、生活習慣が深く関わっています。この機会に生活習慣も見直してみましょう。

再発することも

川崎病は再発することがある病気です。日本川崎病研究センターの全国調査(2013〜2014年)によると、再発例は4.2%で、男子のほうが若干多く、6歳までの子供に多かったという報告がなされています。また中には、1回のみならず2回以上の再発例もあります。再発までの期間は1年以内が多いです。子供が再発した場合は、急性期と同じような症状が出ることが多いですが、必ずしも前回と同じではないようです。成人してから再発した場合、突然胸に激烈な痛みを感じるなど心臓発作を起こすケースが多いと言われています。

まとめ

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もしお子さんが川崎病と診断されたら、不安になってしまうことも多いでしょう。しかし治療法は日々進歩しており、よりよい対処法は生まれ続けています。症状や後遺症には個人差があります。病院へ早く行き、適切な対処をとっていきましょう。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年2月24日

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