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【医師監修】子どもがなりやすいトゥレット障害とは? 症状・原因・治療法まとめ

目次

子どもがなりやすいとされているトゥレット障害とはどのような病気なのでしょうか? ここでは、症状・原因・治療法などを通して、トゥレット障害について知識を増やしていきましょう。

この記事の監修ドクター

森若奈 先生 精神保健指定医、日本精神神経学会専門医、日本医師会認定産業医。精神単科病院、総合病院、クリニック、産業医等様々な場での経験を活かし、現在は予防医学や早期介入にも力を入れている。 女医+(じょいぷらす)所属。

トゥレット障害ってどういうもの?

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トゥレット障害は子どもの0.1~1割に現れると言われており、小児期では決してまれな病気ではありません。ここではどのような病気なのかを見ていきましょう。

まずはチックについて知ろう

チック症とは乳幼児から学童期の子どもに見られる病気です。チックとは、突発的で急速な、反復性のある、リズムなく繰り返される運動、または発生のことを言います。

4~11歳頃に発症することが多く、6、7歳で最も発症しやすいと言われています。チック症の症状は慢性化していく場合もありますが、ほとんどの場合一過性で、年齢を重ねるにつれて改善すると言われています。チックは一種の癖のようなものとされていますが、咳払いや奇声を繰り返す「音声チック」と、瞬きや首振りを繰り返す「運動性チック」とに分けることができ、それぞれに「単純チック」と「複雑チック」があります。

チックとトゥレット障害

チック症を重症度で分類した際の1つが「トゥレット障害」で、音声チックを伴い、複数の運動チックが1年以上持続する精神神経疾患のことを言います。1960年代後半Shapiroらは、出現するチックの種類(運動チック、音声チック)と経過期間(1年以上を慢性と定義)により分類し、①小児期に見られる一過性のチック症、②慢性運動チック症、③慢性音声チック症、④慢性運動および音声チック症としました。この分類の④をトゥレット障害と定義しました。

トゥレット障害の診断基準

チック症は、小児科や心療内科で比較的簡単に診断できます。発症しているかどうかは、DSM-5(米国精神医学界編集による『精神障害の診断と統計マニュアル』第5版)というものの診断基準にのっとり診断されることが一般的です。この診断基準では、症状の種類と継続時間によって3つに分類されますが、連続性のある病気なので、必ずしも3つに分類されるわけではありません。

・1つまたはそれ以上の音声チックおよび、多彩な運動チックの両方が、同じタイミングとは限らないが、疾患のある時期に存在したことがあるか ・チックの頻度は増減することがあるが、最初にチックが始まってから1年以上は持続しているか ・発症は18歳以前であるか

これら3つの条件が当てはまるかどうかをチェックします。

トゥレット障害の症状

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トゥレット障害は、運動性チックと音声チックの両方が、同時に存在するとは限らないものの、疾患のある時期に存在します。まばたきや首振りといった多彩な運動チックと咳払いや発声といった音声チックがあり、1年以上症状が続きます。ここでは、どのような症状があるのか見てきましょう。

運動チックと音声チックをともなうトゥレット障害

単純運動チックから始まることが多く、続いて単純音声チックが加わります。一つのチックが消失してもまたすぐに新しいチックが出現するというように、数週間~数ヶ月の周期で増悪・軽快を繰り返し、慢性化していきます。思春期頃に複雑性チックが加わることが多いです。単純チックは思春期以後自然に治りますが、複雑チックは10歳以後併発症を伴い、永続、難治化することもあります。

また依存症としては、強迫性障害、不安・抑うつ傾向、睡眠障害、学習障害、注意欠如・多動性障害、自閉症スペクトラム障害などが報告されています。怒り発作という、突然コントロールがきかないほどの暴力をふるうといった症状も認められることがあります。

約半数の患者さんは、18歳頃までにほとんどの症状が消失します。しかし、個人差があるので成人後も長期間重症のチック症状が続くこともあります。トゥレット障害よりも、併存症の方が問題となることがあります。

運動チックの症状

運動チックは「単純性運動チック」と「複雑性運動チック」に分けられます。

・単純性運動チック 瞬き、首振り、顔をしかめるなどがあります。

・複雑性運動チック 顔の表情を変える、においをかぐ、物に触る、物を蹴る、飛び上がる、自分をたたくなどがあります。

手にチック症状が現れると、文字を書くのが難しくなるなど、日常に支障をきたすこともあります。

音声チックの症状

音声チックも、運動チックと同じように「単純性音声チック」と「複雑性音声チック」に分けられます。

・単純音声チック 発声、咳払い、鼻鳴らしなどがあります。

・複雑性音声チック 人前や公共の場で言うことではない汚言症(複雑音声チックの一種ではありますが、必発ではありません)や、他人の言った言葉を繰り返す反響言語、音声や単語の発声を繰り返す反復言語などがあります。

トゥレット障害の原因

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原因は完全にはまだ解明できていませんが、大脳基底核のドーパミン神経受容体の異常が現在は示唆されています。ドーパミン神経とは、情動・注意・意欲・報償・依存・歩行運動などをつかさどる重要な神経です。このドーパミン神経系の活性低下にともなう受容体の過活動がトゥレット障害を引き起こすと考えられています。また。遺伝要因と環境要因の両方が関係しているとされています。それでは、原因について見ていきましょう。

トゥレット障害は遺伝が関係する?

原因は完全に解明できていませんが、トゥレット障害の65~90%に家系発症が見られることから、遺伝的要因があると考えられています。必ずしも全てが遺伝するわけではありませんが、同じ家庭内にトゥレット障害の患者さんがいない家庭より、いる家庭の方が発症する可能性は高いとの報告があります。また、大脳基底核という脳内の運動の調整に関わる部位を含めた回路の異常が主要な発症原因と考えられています。セロトニン系やド-パミン系などの神経伝達物質の異常が関係しているともいわれています。

トゥレット障害になりやすい子供って?

対人関係が不器用である、ストレスを感じやすい、緊張を感じやすいなど、デリケートな子供に発症しやすいと言われています。また、性格が優しい子にも多いようです。性別では、女子1に対して男子3と、女子よりも男子に多く発症が見られます。トゥレット障害を発症した子供は、音感やリズム感がよかったり、運動神経がよいことがあります。

トゥレット障害の治療

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トゥレット障害の治療では、心理教育、環境調整が効果をあげることが多いです。しかし、未だ確立はしていないので、早期診断、年齢に応じた環境要因の調整、本人の意識、理解が大切です。

心理療法・行動療法

軽い症状の場合は、家族や学校などの周囲の理解により通常通りの生活に戻れます。慢性化、重症化した症状の場合は心理療法と行動療法が用いられます。小児は特に、ストレス因子の除去、疾患から生じる二次的な劣等感の除去や予防、症状から生じる周囲の偏見や、学校でのいじめの予防などが重要となってきます。

日本ではあまり普及していませんが、「ハビットリバーサル(習慣逆転法)」という行動療法があります。この療法は、①意識化練習、②拮抗反応の学習、③リラクゼーション練習、④偶然性の管理、⑤汎化練習の5つのステップを用いて、チックを行わないような動きを身につけるという方法です。

トゥレット障害の薬

心理教育や環境調整だけでは解決できない場合は薬を使用します。抗精神病薬などによる薬物療法が一定の効果を示すとされています。用いられる薬には、ドーパミンの過剰な働きを抑制する「ハロペリドール」などがあります。ハロペリドールほかドーパミン受容体の異常に対し、種々の薬剤が試みられていますが、すべての患者に有効なものはありません。小児期から日中の活動を高め睡眠覚醒リズムを正し、きちんとした歩行を行わせることも併発症発現予防になります。

トゥレット障害の子供への対処法

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トゥレット障害を改善するためには、家族や学校などの周りの人が症状を理解し、本人が通常通り日常生活を送れるように支えてあげることが必要です。それでは、トゥレット障害の子供たちに対しどのように対処していけばよいのでしょうか。

周囲に理解してもらう

まずは、家族・教師などの周囲の人々に、障害の特徴を正しく理解してもらうことが大切です。障害のある子供が、チックや併存症を持ちながらも成長し、社会に適応できるように周りの人は支援していきましょう。また、精神的ストレスによって症状が悪化することもあるので、周りの人が気遣ってあげる必要があります。

子供の心の負担を取り除く

トゥレット障害は不安や緊張、興奮などに影響されるため、ちょっとした変動に過剰に反応しないようにしましょう。家族はなるべく症状に注意を向けず、子供の周囲の環境から心理的な負担になっていると思われるものを取り除いてあげましょう。症状が現れたからといって、叱責したり、無理に行動を辞めさせたりすることは避けて下さい。本人に症状を意識させないよう、運動でストレスを発散させたり、何か熱中できるものを与えてあげたりすることもいいでしょう。とにかく本人に症状を気にさせないことが大切です。それでも本人が症状を気にする場合や、生活に支障ができるほど重度の場合、症状が長期化した場合は、病院での治療を検討しましょう。

まとめ

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トゥレット障害は子どもの0.1~1割に発症し、小児期では決してまれな病気ではありません。トゥレット障害は周りの人が理解することで、症状が変わることもあります。子どもがトゥレット障害かもと感じても、慌てずにお子さんの症状を理解してあげましょう。ストレスを減らしてあげることが症状の軽減に関わります。まずはママ、パパが子どもを受け止めてあげましょう。


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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