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【医師監修】葉酸の取りすぎ!? 出産前に気をつけたい「過剰摂取の症状」

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目次

葉酸は妊娠前の女性には必須の栄養です。ただし過剰摂取については出産前〜出産後まできちんと気をつけてください。

この記事の監修ドクター 女性のトータルライフをお任せいただけるような診療を目指し、 女性のライフサイクルを応援します。 藤東クリニック藤東淳也先生 https://fujito.clinic

葉酸の取りすぎ(過剰摂取)による症状

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妊娠中の女性に不可欠であり、厚生労働省もその摂取を推奨している「葉酸」。葉酸は「赤ちゃんのビタミン」とも呼ばれており、妊娠中の女性のみならず、妊娠前・出産後の女性もしっかりと摂取したい栄養素です。しかし、ママと赤ちゃんにとって心強い葉酸でも、摂りすぎれば健康を害する原因となります。

葉酸の取りすぎ(過剰摂取)は、ほぼ起こらない

葉酸をとりすぎた時の影響はさまざま。ごく軽い症状としては、食欲不振、かゆみ、不眠症などで、 重い症状としては、発熱や皮膚炎、じんましんほか、吐き気、呼吸障害、神経障害などが起きてしまう恐れもあるのです。これらの症状は「葉酸過敏症」とも呼ばれています。さらには、葉酸の取りすぎによって亜鉛の吸収率が下がったり、ビタミンB12の欠乏が原因である「巨赤芽球性貧血」の症状が出にくくなることで、病気の診断が遅れる恐れも出てきます。

ただし通常の食事によって、葉酸の取りすぎ(過剰摂取)が起きることははほとんど考えられません。なぜならば、食品に含まれる葉酸の量は健康を害するほど多くは含まれていないからです。加えて、葉酸は熱に弱いため、調理によってもいくらか失われてしまいます。さらに葉酸は「水溶性のビタミン」であることから、尿などで頻繁に排出されてしまうのです。

「サプリメントの取りすぎ」に注意

葉酸の取りすぎ(過剰摂取)が想定されるのは、ほとんどの場合が「葉酸サプリメントを飲み過ぎた時」です。

サプリメントの葉酸は、食品に含まれる葉酸と異なり、体で活用される割合(生体利用効率)が高くなっています。食品に含まれる葉酸は「ポリグルタミン酸」で、生体利用効率は50%ほどです。一方、サプリメントに利用される葉酸は「モノグルタミン酸」で、生体利用効率が約85%と高められているのです。つまり、同じ量の葉酸を摂取しても、サプリメントのほうが1.7倍も生体利用効率が高く、取り過ぎのリスクも高くなっています。さらにサプリメントは、高濃度の状態でタブレットやカプセルで小さく納められていますので、飲もうと思えばいくらでも飲めてしまいます。普段の食事では摂れない葉酸を補助的に摂取するのには大変便利ですが、推奨される量を無視してたくさん飲むことには何のメリットもありません。

葉酸の取りすぎは赤ちゃんに悪影響?

葉酸の摂取は、赤ちゃんの先天的な障害(二分脊椎などの「神経管閉鎖障害」)を防ぐための大変効果的な手段であることが、国内外の研究・調査によって示されています。しかし、推奨される量以上を取ったからといって、さらに何かメリットがあると言うことはありません。

海外の研究発表では、妊娠末期の葉酸を取りすぎで、赤ちゃんの喘息やアレルギーのリスクが高まったという報告もあるようです。葉酸の取りすぎによる赤ちゃんへの影響は、まだ十分に研究されていませんが、過剰摂取はすべきでないといえます。

葉酸の推奨摂取量と上限量

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葉酸の取りすぎは母体にとっても、また赤ちゃんにとっても悪影響があることを確認しました。しかし、具体的な量としては、どの程度の量が推奨され、また上限として設定されているのでしょうか? ここでは、厚生労働省が発表している「日本人の食事摂取基準(2015年版)」から、葉酸の推奨摂取量と上限量を確認します。

葉酸の推奨摂取量

一般女性の場合、葉酸の1日の推奨摂取量は240マイクログラムとなります。

ただし、妊娠している可能性がある方や、これから妊娠を計画している女性については、さらに400マイクログラム多く葉酸をとらなければなりません。つまり合計640マイクログラムの摂取が推奨されます。摂取開始の時期としては「1ヵ月以上前から」が望ましいです。また、妊娠中の女性は、一般女性の推奨摂取量(240ナノグラム)からさらに、240ナノグラム多く葉酸を摂取する必要があります。つまり合計480グラムの摂取が推奨されているわけです。

葉酸の上限量

妊娠時、非妊娠時を問わず、女性における葉酸の1日の上限摂取量は1,000マイクログラム(1ミリグラム)となっています。

ただしこれは、食事での葉酸摂取量(240マイクログラム)以外に「さらにサプリメントや強化食品で摂取する量」の上限です。つまり「食事以外で、1,000マイクログラムを超えるサプリメントや強化食品を摂取すると、取りすぎになりますよ」と、厚生労働省は注意しているわけですね。

妊娠前後の女性は多めの摂取を

いずれにしましても、葉酸の1日の上限量(1,000マイクログラム)を覚えておき、飲み過ぎないようにすればサプリメントを恐れる必要は全くありません。

実際に妊娠を考える方や、妊娠が分かった女性は「+400マイクログラム」を、サプリメントや強化食品で摂取する必要があることを覚えておいてください。妊娠している女性は普段の食事に加えて「+240マイクログラム」の摂取が推奨されていますが、やはり、サプリメントを利用することが現実的でしょう。

葉酸は「取りすぎ」よりも「不足」が怖い

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葉酸の取りすぎには様々なデメリットがありますが、実際により恐れなければならないのは「取りすぎ」よりも「不足」です。妊娠前後の葉酸不足は、赤ちゃんの発育に重大な影響を及ぼして、一部の障害を抱えるリスクを高めます。同時に、妊娠中の貧血(妊婦貧血)によってお母さんを苦しめる原因ともなるのです。

「妊婦さんの90%以上は葉酸不足」の可能性も

JECS(Japan Environment and Children’s Study) が日本国内の妊婦約1万名を対象にした調査によれば、妊娠約1ヵ月前から妊娠約3ヶ月目までに葉酸サプリメントを摂取していた妊婦は、わずか7.4%しかいませんでした。この研究は、平成15年〜平成20年にかけて行われたものですが、現在でも葉酸サプリメントをきちんと摂取していない妊婦さんは多いと考えられます。

現在もこの調査結果のままならば「妊婦さんの90%以上の方が葉酸不足の可能性がある」ということになります。

葉酸不足がリスクを高める「神経管閉鎖障害」

葉酸の摂取が不足することによって「神経管閉鎖障害」という先天的な障害の発症リスクが高まります。これは明らかな事実として、厚生労働省の情報サイトでも紹介されています。(*)

「神経管閉鎖障害」は神経管の発育途上で起こる障害で、その多くが脊椎に生じます。これを「二分脊椎」と呼びます。葉酸はDNAの合成や、タンパク質の合成のために働きますので、特に細胞増殖が活発な妊娠初期に不足することで、このような障害が生じやすくなると考えられています。かつて欧米では、神経管閉鎖障害が多く見られましたが、葉酸の摂取がその発症リスクを大幅に低減することが判明し、食品への葉酸添加も進みました。その結果、欧米における神経管閉鎖障害の発症は、大幅に減っているのです。葉酸の重要性に対する、日本での一般的な認知度はまだ充分ではないと考えられますので、憂慮すべき状態と言えるでしょう。

(*「葉酸とサプリメント ‐神経管閉鎖障害のリスク低減に対する効果」厚生労働省 e-ヘルスネット https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-05-002.html)

食事だけでは不充分な可能性も

なぜこれほどまでに、葉酸サプリメントをきちんと摂取する方が少ないのでしょうか?その理由としては「食事できちんと葉酸を取るようにしているから大丈夫」という誤解があると考えられます。

天然の葉酸(食材に含まれる葉酸)は、実は、消化吸収後に「全体の半分」しか利用されていません。つまり、食べ物だけで葉酸を摂ろうとしている方は、食材に含まれる葉酸量を見て「充分に摂取した気」になっている可能性があるのです。なお先ほどもご説明したように、葉酸は水に溶ける性質があり、なおかつ熱に弱いので、調理時の段階である程度失われてしまっています。例えば、それぞれの食材に含まれる葉酸の量をしっかり調べて、400マイクログラム分の葉酸が含まれた料理を作っても、実際に摂取できている葉酸の量はそれよりも少ない可能性が高いと言えます。その意味でも、食べ物だけで1日に必要な葉酸の推奨摂取量を取ることは現実的ではないと言えるでしょう。

葉酸の充分な摂取には「サプリメント」を

天然の葉酸(食材に含まれる葉酸)に対して、一般的なサプリメントに含まれる化学合成で作られた葉酸は、消化吸収後に「全体の85パーセント」が体内で利用されます。つまり、サプリメントを利用すれば推奨摂取量が多い妊娠前〜妊娠中の女性でも、無理なく充分な量が取れるのです。

妊活中の女性や、妊娠中の女性の中には「薬やサプリメントはできるだけ摂取したくない」という方もいます。しかしサプリメントは薬(医薬品)とは異なり、あくまでも健康食品の扱いです。つまり、過剰摂取しない限り、赤ちゃんに何か悪い影響が及ぶ事はほぼないと言えるでしょう。それよりも、実際には葉酸の摂取量が不足していて、赤ちゃんの障害リスク(神経管閉鎖障害…二分脊椎)を高めてしまうことは避けましょう。

なお葉酸サプリメントならば、つわりでご飯が食べられない時や食欲がない時でも、気軽に摂取できて便利です。

まとめ

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妊婦さん、あるいは妊娠を考える女性は、葉酸の充分な摂取に「サプリメント」を利用してください。1日1,000マイクログラム以上と言う過剰摂取は避けるべきですが、毎日不足しないように摂取することで、「神経管閉鎖障害」(二分脊椎)のリスクが低減できます。

葉酸サプリメントの用法・用量は、絶対に守ることが大切です。さまざまな企業が葉酸サプリメントを発売していますので、使用原料や品質管理などの面からも、信用できる製品を選ぶようにしてください。


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情報提供元:マイナビウーマン子育て

更新日:2017年2月23日

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