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cover interview 永作博美

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「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性にうれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce(ポコチェ)」から永作博美さんのインタビューをお届けします♪

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目次

cover interview 永作博美

1879年の発表から現在まで、140年に渡り世界中で上演されてきた近代古典の名作「人形の家」。その続編としてアメリカの新進気鋭の劇作家が提示した意欲作「人形の家Part2」に、永作博美さんが出演!大胆かつ斬新な新作戯曲で、主人公のノラをどのように演じるのか。作品の魅力や本番への意気込みを聞いた。

Profile

1970年生まれ。アイドルグループで活動した後、1994年に女優デビュー。以降ドラマ、映画、舞台、CM等に多数出演。2011年に第35回日本アカデミー賞最優秀助演女優賞、2015年に第17回台北映画祭最優秀主演女優賞など、数多くの受賞歴を持つ実力派女優。

私にとって舞台は修行のような日々だけど得るものや気づきはたくさんあります

ノルウェーの世界的作家ヘンリク・イプセンが1879年に発表した「人形の家」は、女性の自立を描いた近代古典の名作として知られる作品。主人公のノラが家族のもとを去るという、当時では考えられなかった社会の因習を打ち破る結末は人々に衝撃を与え、以降140年に渡り世界中で上演されてきた。

そして2017年、アメリカの新進気鋭の劇作家ルーカス・ナスが、ノラが家を飛び出した15年後を描いた斬新な意欲作「人形の家Part2」を発表。瞬く間に評判となってブロードウェイを駆け上がり、2017年のTONY賞では作品賞のほか8部門にノミネート。そして2019年、ついに日本での上演が決定した。ノラを演じる永作さんは、「人形の家」の続編が発表されたことに驚きを隠せなかったと語る。

「まず、あの古典の名作の続きを書いてもいいんだ!?と、その型破りな行動力に驚きました。イプセンの作品の続きを書いてそれが上演される、というのがなかなか実感できませんでした」

驚きとともにワクワクしながら戯曲を読んだという永作さん。物語は5場構成になっていて、すべての場が2人芝居で進行する斬新かつスリリングな会話劇だ。

「やはり良い作品は先が見たいと思うのが常ですよね。この先どうなったんだろう、あの2人はどんな人生を送るんだろうとか、見終わったあとについ想像してしまう。だから気になるその先が見られるのはすごいことだなと。実際に本を読み始めたら、弾丸のように言葉が入って来ました」

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家族のもとを飛び出してから15年後、再び人形の家のドアをノックするノラ。その理由は少しずつ明らかになるが、永作さんの目にノラはどんな女性に写ったのだろう。

「家を出る前のノラは、無邪気で幼く、家の中で人形のように振る舞っているイメージ。でも今回のノラは、はっきりとした思いを持って帰ってきていて、大人の女性になったんだなと変化や成長を感じました。以前は「誰かがこう言っているから」とか「家族のために」という思いで生活していたけど、今は1人になり、いくらでも自分の思ったように動くことができる。15年間、本当に色々考えたのだろうなと、その過程が想像できました。

女性が家族を置いて家を出て行くという結末は、当時は本当に衝撃的だったと思います。今はインターネットや新聞などで色々な事件や出来事を知ることができる時代なので、少しは身近な出来事として伝えられるのかな…。Part2は現代に書かれた作品ということもあり、登場人物それぞれの主張がよりはっきりとしていると感じました」

ノラ役に永作さんを指名したのは、演出家の栗山民也氏。栗山氏が「一日でも早く稽古に入りたいほど面白く、一度読んで大変魅せられた芝居」と語るほど魅力的な戯曲で、永作さんとは3度目のタッグとなる。

「栗山さんはすべての捉え方がシャープではっきりと全体が見えている方。演出はいつも的確です。ダメ出しをされていても、つい興味深く聞いてしまいますね(笑)。栗山さんの言葉には納得させられますし、ごまかせないな、この人には見透かされているなって思います。自分が栗山さんの求めるものに至っていないと分かっていながらそれを隠して演技していても、やっぱりバレます。厳しいし怖いので慣れることはないと思いますけど(笑)、そのドキドキや緊張感もまた良いんです。舞台は毎日同じことの繰り返しで修行のような日々だけど、そこから得られるものや気づきもたくさんあります。

見てくださった方には批判も同調もしてほしいし、一緒に揺れて楽しんでほしい。劇場を出たあとに、大いに感想を言い合って盛り上がってもらえたら嬉しいです。女性は特に仕事、家事、育児と忙しくしている方が多いだろうし、この作品が自分と向き合う良いきっかけになれればいいなと。本当の自分は何を思っているんだろうって、なかなか考える機会はないと思うので」

現代社会での女性の生き方、家族のあり方を鋭く突き付ける本作。プライベートでは2人のお子さんを育てる永作さんにとっての家族のあり方、コミュニケーションで大切にしていることとは?

「基本的には自由ですけど、自分が嫌だと思うことは人にはしないでと子どもには伝えています。小さいうちにやっていいことと悪いことの境界線を知らせるのは、大人の役目かなと。叱るときは厳しく言います。今はインターネット社会ですが、その中の意見がすべて正しいと思ってしまうのは危険だし、世の中には色々な意見があるから、それもふまえて自分で判断できるようになってほしい。なかなか難しいですけどね。子どもの成長に合わせて色々動けるようになると思うので、仕事とのバランスも大切にしていきたいです」

PARCOプロデュース2019「人形の家 Part2」

作/ルーカス・ナス 翻訳/常田景子 演出/栗山民也
出演/永作博美、山崎一、那須、梅沢昌代
公演/8月9日(金)~9月1日(日)
会場/紀伊國屋サザンシアターTAKASHIMAYA

PHOTO/Hideyo Fukuda(LinX)
STYLING/ERIKO SUZUKI
HAIR&MAKE/Masaru Hamada
TEXT/Yukari Tanaka

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