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受験校選びは、中学受験の大きな悩みのひとつ。学校ごとに雰囲気も違うため、色々な学校を見れば見るほど選び方がわからなくなってしまう方も多いでしょう。コロナ禍で中学受験を迎えた木村美鈴さんに、どうやって受験校を選んだのか、やってよかったこと、反省していることを率直にうかがいました。
学校選びで私が特に意識していたのは、「学校に通うのは子供自身」ということです。そのうえで次のポイントを踏まえつつ、子供が「通いたい」と思える学校を探しました。
・親は「選択肢」を提案・子供が気に入らなければ受けない
受験校選びにあたっては、まずは通学時間や付属校かどうか、そして授業料などを踏まえ、わが家に合いそうな学校の“理想像”を考えました。そのうえで、その理想に近い学校を親がいくつかピックアップし、それらの学校に見学に行きました。
ちなみに、塾の先生や友達から学校の情報を聞くことも何度かあったようで、子供のほうから私に学校名を教えてくれたこともありましたね。これらの学校のなかには、わが家が理想とする学校とは異なるため選択肢から外していた学校もあり、こうしたときは「この学校をどうして選択肢から外しているのか」といったことを、そのつど子供に説明しました。
子供自身、説明に納得してくれることもあれば、「家からはちょっと遠いけど、図書館がすごく充実しているって聞いたから見学にどうしても行きたい」と言い、私たち夫婦を子供が説得するかたちで見学に行った学校もあります。
このように、わが家が理想とする学校の姿、そして子供自身の考えをもとに話し合いを重ねていきました。こうした話し合いが実を結んだのか、子供が学校選びに真剣に向き合う様子が日に日に感じられましたね。
子供をよく知る塾の先生から「この学校はどうですか?」と何校か提案されたこともあります。
こうした学校にも、子供と見学に行き、私は気に入った学校があった一方で、子供は気乗りしないことも何度か。見学に2回も行った学校もありましたが、最後まで子供が通いたいと思えなかったので受験はしませんでした。
ちなみに子供には「あなたの意見は学校選びで特に重視するよ」と伝えたうえで、「でも家族みんなが6年間を楽しく過ごすことも大切だから、最後はみんなの意見をもとに決めようね」と話をしていました。
あくまで子供の意見を尊重する、そのうえで親子で行きたいと思える学校を受験する。この流れが、わが家が受験校を選ぶうえで特にしっくりとくるものでしたね。
結果的には理想に近い学校に入学できましたが、学校選びが終了した今だからこそ「あのときもう少し慎重になったほうがよかったかも」といった反省もいくつかあります。
・偏差値をもう少し踏まえても良かった・子供を安心させる言葉を掛けるべきだった
子供が4年生のとき、「偏差値的には難しそうだけど一度見に行こうか」と気軽な気持ちで見学した学校がありました。
この学校を子供はとても気に入り、最終的にはその学校を第一志望とすることに。「あの学校に入りたい!」という気持ちが成績アップにもつながり、子供は最後の最後まで努力していましたが、結果は不合格。
私としては子供が落ち込んでしまわないか心配していましたが、気持ちをうまく切り替えられたようで、合格した学校に通うことを楽しみにしている様子が見られて一安心。
ちなみに、小学校の卒業制作として『家族への手紙』を子供が書いてくれましたが、そこには「ママへ。最後まで目標に向かってがんばれるように応援してくれてありがとう。後悔はしていません」と書いてありました。中学受験の経験を子供が前向きに捉えてくれていることを知り、親としてはホッと胸をなで下ろしましたね。
その一方で、「偏差値が届かない学校を受験させたことで、子供に無理をさせてしまったかも……」という後悔があるのも事実です。どの学校を見学するか考えるときに、子供の偏差値とのギャップをもう少し冷静に考えても良かったかもな……、と反省しています。
進学を決めた学校は、「ちょっと遠いけど行ってみようか」と考え、親子で見学した学校です。行きも帰りも座れる路線での通学ですが、通学時間は80分を超えます。ちょっと遠いですよね……。
この学校を受験する際は家族で話し合うだけでなく、塾の先生や、その学校の先生から「ほかの子と比べて時間の使い方に工夫が必要だけど、本当に大丈夫?」と子供に話をしてもらったこともありました。
こうした話を踏まえ、納得のうえでその学校に行くことに決めましたが、祖父母をはじめ、まわりの人から「遠すぎない?」と何度も言われ、子供は「ちょっとイヤだな」と感じていたこともあったようです。
親としては「通学時間はたしかに長いけど、座れるし、心配はいらないよ」といった話をあらかじめ子供にしておき、子供をもっと安心させておくべきだったなと反省しています。
わが家はコロナ禍のときに中学入試を迎えましたが、学校の様子を知る機会が減って苦労したこともありました。そのなかで「これはやっておいて良かった」と感じていることを3つ紹介します。
・学校の近くまで足を運んだ・「学校紹介動画」で雰囲気を掴んだ・「オンライン説明会」の対応を確認した
わが家では土曜日や学校が休みの平日を利用して、コロナ対策をしつつ、志望する中学校の近くに行ってみました。理由は、通学中の生徒の様子を見に行くため。
「子供が実際に通ったら馴染めるかな?」といった視点をもとに、どんな雰囲気の生徒が多いかを確認していました。私たち親子はカフェなどで通学の様子を見ていましたが、土曜日にはほかにも同じように通学の様子を見ている親子を数組見かけることがありましたね。
ちなみに女の子がいるママに話を聞くと、通学風景を見る際に制服やカバンのかわいさをチェックしていることも多いとか。パンフレットで見るよりも制服のかわいさに魅力を感じて、「この制服を着たいからがんばろう!」と勉強のモチベーションが上がる子もたくさんいるようです。
学校見学ができない代わりに、コロナ禍では多くの学校が「学校紹介動画」を制作していました。これらの動画は、学校ごとのカラーを理解するうえでかなり役立ちましたね。
たとえば“名物”校長先生が熱く語ってくれる学校もあれば、校旗が掲げられた校長室で静かにお話ししてくださる伝統校も。こうした動画を通し、実際の説明会以上に学校の特徴を感じられたことも少なくありませんでした。
なかには「オンライン文化祭」を配信してくれた学校もあり、こうした文化祭は生徒が中心になってつくり上げている学校も多いため、生徒の様子がリアルタイムで掴めましたね。
また動画であれば、1日で複数の学校を見ることもできます。一度にたくさんの学校を知れたのも動画のメリットに感じていました。
学校の雰囲気を知るうえで「オンライン説明会」も役立ちました。「わからないことがあれば直接連絡をしてくださいね」と多くの学校が話してくれたので、気軽に質問できたのも良かったです。
ちなみにオンライン説明会後にアンケートがあり、そのアンケートに質問を書くとメールで回答してくれた学校もあります。
回答を具体的に書いてくれる学校は「面倒見が良さそう」と好印象に感じ、こうした学校は「先生に相談しやすそうだね」と子供も笑顔でした。
わが家が受験校選びで大切にしていたのは、まずは「子供が通いたい!」と思える学校を見つけること。
そのうえで「この学校はちょっとな……」と親が思う学校では家族全員が幸せな6年間を過ごすのは難しいと考え、最終的には親子の総意で受験校を選ぶようにしていました。
今となっては、あのとき親子でよく話し合い、みんなが「ここだ!」と思ったところを受験して正解だったと思っています。
一方で、コロナ禍の学校選びに苦労したのも事実。ただ、今は学校側も、さまざまな工夫をして、自分たちの特徴や雰囲気を打ち出しています。
今回お伝えした方法を含め、まずはいろいろな方法でアプローチしつつ、学校の雰囲気を掴んでいけるといいですね。
※中学受験ナビの記事をマイナビ子育て編集部が再編集のうえで掲載しています。元の記事はコチラ。
この記事のライター
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