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子どもの急な体調不良。発熱や下痢、咳などの症状があったら小児科に行くところですが、耳や皮膚にも異常があったら受診科はどこになるのでしょう?今回は家庭医療専門医の鹿野耕太先生(鹿野クリニック院長)に、「複数の症状があるときの受診先」について解説いただきました。
■今回の解決ドクター:鹿野 耕太 先生(鹿野クリニック院長/家庭医療専門医)
—————————Q 子どもの体調不良で小児科を受診しようと思うのですが、発熱など以外にも発疹があったり、耳を痛がったりしていると、何科に行けばいいのか迷ってしまいます。—————————
発熱+αの症状があったときの対応についてのご質問ですね。
「熱だけなら小児科」となりそうですが、それ以外の症状があると小児科で良いのか、別の診療科がいいのか、など、色々考えてしまって不安ですよね。子どもを病院につれていくためには、職場との調整、他の家事などの予定変更が必要になりますし、体調が悪い子どものケアに加えてご両親も不安や心配を感じていることと思います。
家庭医療を行っている当院でも、患者さんやご家族が心配そうに「こんなことも相談していいかわからないんですが……」と打ち明けるように症状を話されることがあります。これまで話せなかった症状をお話いただけたことを嬉しく思うと同時に、医療機関にかかるというのが患者さんやそのご家族にとって気楽ではなく、ストレスのかかる経験なのだと感じ、切なくもなります。
ご質問についてですが、まずは小児科を受診していただくのがおすすめです。小児科は臓器ではなく、対象とする年齢層が科の名前になっています。小児科の医師は子どもの問題であれば臓器によらず総合的な診療を行い、責任を持って対応してくださるでしょう。
もちろん、小児科の医師や私のような家庭医・相合診療医であっても、すべての臓器に対応出来るわけではなく、苦手とする分野はあります。眼、耳、鼻などの感覚器官はその一つです。
例えば、同じ中耳炎であっても軽傷の場合には小児科、耳鼻咽喉科のどちらでも対応可能ですが、鼓膜が破れる、耳の聞こえが悪い、などの状態をともなってくると、小児科では対応が難しくなることが多いです。その段階が疑われる場合には、小児科の医師が耳鼻咽喉科受診を勧めたり、紹介したりしてくださると思います。
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—————————Q 親も子どもと同じような症状が同時に出た場合、大人は別の病院を受診したほうがいいのでしょうか?—————————
親御さんが子どもと同じ症状のとき、内科も別途受診すべきか、小児科で一緒に診てもらえるのか、というご質問ですね。
子どもが風邪を引いて、自分もそれをもらってしまっているという状況。体調が悪いのに複数の病院を受診するのはなおさら大変ですし、親子で同じ症状なら両方同時に見てもらえたら楽ですよね。
以前は「小児科なら子どもだけ、内科は大人だけ」というようにはっきりと分かれていて、「同時に診てもらう」というのは難しかったです。大きな病院ではなおさら診療科の壁は高いです。
しかし、近年は家庭医療や総合診療という、問題となる臓器によらず対応する診療科が少しずつ日本でも広がりつつあります。まだ数は少ないのですが、内科と小児科の両方を標榜しているクリニックや、「〇〇ファミリークリニック」という名前のクリニックは同時に見てもらえる可能性が高いです。ご自宅の周りにそのような医療機関がないか、病気になってからでは余裕がないので、前もって調べておくと、安心ですね。
(文:鹿野 耕太 先生、協力:株式会社メディコレ、構成:マイナビ子育て編集部)
※画像はイメージです
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