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嬉しいはずの子どもの節目である、小学校入学――本当であれば100%の気持ちで祝いたいけれど、仕事との兼ね合いや保育園とのギャップに不安や焦りを覚え、ともすると「もう無理だ……」と絶望する保護者も少なくありません。
そんな「小1の壁」について、子育てアドバイザーの高祖常子さんの著書『どう乗り越える? 小学生の壁』(風鳴舎)を参考に考える本連載。
第一回目の今回は、✅ 漠然とした壁の具体化✅ 協力体制のつくり方✅ 夫婦で相談するコツについてお伝えします。
※画像はイメージです
「小学校は大変」「小学生は大変」「学童は大変」…。こういった漠然とした不安や心配のイメージは、そのままにしておくとどんどん大きくなってしまいます。「小1の壁」問題に限らずですが、不安や心配という壁を必要以上に高くしないためには、まず具体的な言葉にしてみることです。
また、スケジュールに書き出すと時間軸での困りごとは、だいぶ明確になってきます。そのうえで気持ちの部分なども含めて漠然とした悩みごとを、できるだけ具体的な言葉で書き出してみましょう。
次に挙げるのは、悩みの一例です。例を参考にしながらまずは簡単な箇条書きでいいので、何が不安なのかを書き出してみましょう。
・一人で登校できるのかな?・電車に乗っての登校だけど、一人で行けるのかな?・登校時間には親がすでに出勤しているけれど、きちんと鍵を閉めて一人で学校へ行けるかな?・子どもの帰宅時間に親が帰宅できないけれど、一人でお留守番できるのかな?
・友だちとうまくやっていけるのかな?・先生に対して苦手意識を持たなければいいけれど。・授業中、椅子に座ってじっと聞くことができるかな?・勉強についていけるのかな…。・休んだ分は個別に教えてくれるのかな?
・学童に入れるのかな?・学童にはいろいろ種類があるみたいだけど、よくわからないな。・わが子には、どんな学童がいいのかな?・学童が合わない場合はどうしたらいいのかな?・学童のお迎えが必要なときはどうしよう?
「悩みを具体的に考えてみた」「子どもの学童についても調べた」となれば、今度は「じゃあどうするか」ということです。
一番大切なのが、なんでも夫婦で相談するということです。
特にママの場合、「夫は仕事で帰りが遅いから」「夫は朝早く出なくちゃならないから」「夫に言ってもなにもしてくれない」と、自分だけで解決してしまう傾向が強いように思います。このような関係性は乳幼児期からかもしれませんが、協力体制がない中で子育てしていくのはとてもつらくて大変なこと。そして夫が戦力外となると、家族の時間の中にも夫の存在が薄くなってしまうでしょう。
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どんなときでも子どものことを共有し、心配を打ち明けておくことは、「大変なときに一緒に相談したり、協力して乗り越えた」という体験となり今後の家族関係、夫婦関係にも大きく影響を与えることなのです。
子どもはこの後、思春期に突入していきますが、このときに相談できる相手が複数いることが大切です。パートナーだけではなく、親族のおじさんやおばさん、ご近所さんや学校で知り合ったママ友も含めて、「鍵を忘れちゃったときには、お隣の○○さんに相談してみて」など、何かあったときには頼れる相手を作っておくことが大事です。
これは小学校の壁を乗り越えるためだけではなく、今後子どもが生きていく中でも、頼れる相手を増やしておくということにもつながります。悩みごとによっては、母親ではなく父親の方が話しやすいということもあるでしょう。親には話しにくいけれど、ご近所さんになら話しやすいということもあるのです。
小学生の壁を解決しながら、人とのつながりを作っておく、そんな関係性は、きっと子どもやあなた自身が生きていく中で、困ったときの選択肢を増やすことにもつながります。
恋愛時代はあんなにもたくさんしゃべっていたのに、結婚して子どもが生まれたら最近は、ほとんど会話がスケジュール調整、連絡、愚痴、文句になっていませんか。お互い忙しいので、まず子どもの行事や、習い事の調整、そして家事の分担など、報告や、連絡事項が多くなっているのではないでしょうか。
もちろん、それも大事ではありますが、夫婦の仲をスムーズにさせるためには雑談と相談が大事です。「昨日こんなことがあった」「○○ちゃん、こんなこと言ってたよ」など、子どもの様子も含めて雑談を心がけましょう。
気持ちの伝え方として、「なんでやってくれないの!」と言うのは、言葉をぶつけるアグレッシブ(攻撃的)なメッセージ。相手には怒りや自分の機嫌の悪さしか伝わりません。
「どうせ言ってもやってくれないし、変わらないし」と言わないのは、ノンアサーティブ(受け身的)な自己表現。言わないとぶつかり合いは避けることができますが、結局問題解決にはつながりません。
相手も自分も大事にするアサーティブ(主張と尊重)な自己表現を心がけることが大事です。
これは、I(アイ)メッセージ、自分を主語にして話します。「私はこれで困っている」「私はこんなことが心配」と自分の気持ちや状況を伝えたうえで、「○○できないかな?」「△△するのはどうかな?」と相談してみる方法です。
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そして「子どものために」と思って、親が犠牲になるという考え方ではなく、子どもとともに家族が幸せでいられる状況を考え、作っていきましょう。
子どものためにと思うと、自分の心が大変になったときに「あなたのために仕事を辞めたのに」「あなたのために時短を選んだのに」と子どものせいにしてしまうことにもつながります。そんな言葉を投げられた子どもはどんな気持ちでしょうか。「自分が悪いんだ」「自分のせいで親は思い切り働けないんだ」と思ってしまうのではないでしょうか。
子どもの成長に合わせながら、家族で一番いいバランスを考えてみる。親も幸せであることが子どもの幸せにもつながっていくのです。
※この記事は『どう乗り越える? 小学生の壁』(著者:高祖常子、風鳴舎)より一部抜粋・再編集しています。
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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