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子どもが真冬に半袖・半ズボンで外へ……! 親としては、寒くないの? と心配になってしまいますよね。半袖・半ズボンを着たがる理由には、感覚の異常やこだわりの強さが関係していることがあるそうです。
精神科医として30年以上、発達障害の診療と研究に携わる本田秀夫先生による著書『マンガでわかる発達障害の子どもたち』(SBクリエイティブ、マンガ:フクチマミ)では、自閉スペクトラムの不可解な行動についてママ・パパのお悩み別に具体的なサポート例をマンガと共にわかりやすく解説されています。
第三回目となる今回は、真冬でも半袖・半ズボンを着たがるお子さんのケースについてお届けします。
イラスト:フクチマミ「マンガでわかる発達障害の子どもたち」より
真冬でも半袖・半ズボンを着たがる子どもが一定数います。親としては「寒くないのだろうか」と思ってしまいますよね。
そのなかには体温が高めで薄着を好む子もいれば、感覚の異常があって半袖や半ズボンを着たがる子もいます。また、こだわりが強くて同じ服装をしたがる子もいます。
感覚の異常としては、主に2つのパターンが考えられます。
①皮膚の感覚過敏があって、長袖や長ズボンを嫌がっているパターン
例えば、チクチク感じるような肌触りの衣類を着るのが感覚的に苦痛で、長袖を嫌がる子もいます。別の素材の衣類であれば、着られる場合もあります。
②暑さ・寒さに対する感覚に鈍麻があるパターン
気温の変化を感じにくく、自分の肌感覚では衣類の調節ができないというケースです。薄着を好むというよりは、気温が変化しても「長袖を着たほうがいい」と気づけないんですね。
感覚の異常やこだわりがあって、真冬でも半袖・半ズボンを着ている場合に、子どもが健康を維持できていて、社会的に見ても極端に不自然ではなければ、私は特に問題はないと考えています。まわりで見ていると「寒そう」と感じるかもしれませんが、本人が健康に過ごせているのであれば、そのままでもいいでしょう。
ただ、マンガのように風邪をひいてしまうことがあり、それが冬の間、何度も続くようであれば、なんらかの対応が必要です。子どもが「半袖・半ズボンを着たがる理由」を理解しながら、対応を検討していきましょう。
①の感覚過敏がある場合、本人が着たがらない服を差し出して、「嫌がらずにこの服を着なさい」と言っても、その子を苦しめてしまう可能性が高いです。どのような長袖・長ズボンであれば着られるのかを確認し、対応していく必要があります。感覚の異常は理解しにくい面もあるので、医師に相談しながら対応したほうがいいかもしれません。
②の感覚鈍麻の場合には、肌感覚ではなく、外部から得られる情報で判断する方法に切り替えれば、長袖・長ズボンを着られるようになる場合もあります。
暑さ・寒さの感じ方というのは、基本的には本人の主観です。主観で判断するのが難しければ、天気予報などの客観的な情報で考えればいいのです。例えば、「その日の最高気温によって服装を決める」というルールをつくる方法があります。「20度以上の日は半袖・半ズボン」といった形で、その子に合った基準を設定します。
親子で相談してルールを決め、書き出しておくといいでしょう。子どもが天気予報を見て、その日の服装を自分で判断できるようになっていくこともあります。
イラスト:フクチマミ「マンガでわかる発達障害の子どもたち」より
著 本田秀夫/イラスト フクチマミ『マンガでわかる発達障害の子どもたち』(SBクリエイティブ)より抜粋
この記事のライター
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