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「浜名湖を臨み煎茶に満たされる」をテーマとした、静岡県にある星野リゾートの温泉旅館「界 遠州」に、俳優でフォトグラファーの染谷ノエルが訪問。そこでの体験を2回にわたってレポートします。1回目は伝統工芸品「遠州綿紬」をあしらった客室や浜名湖名物のうなぎを堪能できるお食事をご紹介。「界 遠州」の魅力をたっぷりとお届けします。
「界 遠州」は、静岡県浜松市の舘山寺(かんざんじ)温泉に位置する、全室レイクビューの温泉旅館。舘山寺温泉は、浜名湖に面し温泉街が広がる温泉地で、泉質は全国的にも塩分濃度が高いことで有名です。
浜名湖を臨む客室や、うなぎや河豚などのご当地グルメ、お茶処ならではのおもてなしが特徴。いろいろな方法でお茶の楽しみ方を教えてもらえ、これまで以上にお茶のことが好きになること間違いなしです。
界 遠州の公式サイトをチェック >「界 遠州」には、趣の異なる2つの大浴場「華の湯」「湖都(こと)の湯」が、男女入替え制で用意されています。そして、大浴場に行くまでの通路も見どころ。通路の天井から遠州綿紬が吊るされた様子が美しいので、写真を撮るのをお忘れなく。
さらに、大浴場までの道のりには中庭があり、静岡では馴染みある傾斜地に作られた茶畑の風景を再現した「つむぎ茶畑」が広がります。取材時は、綺麗な新緑の茶畑が広がっていました。
茶畑は、浜名湖側と施設側の2ブロックに分かれていて、浜名湖側はチャノキとドウダンツツジが交互に、施設側はドウダンツツジとクルメツツジが交互に配置されています。秋になると紅葉したツツジと緑のチャノキのコントラストが、まるで遠州綿紬のストライプ柄のように。また、ツツジの花が咲く頃は白いお花が咲き誇る様子が見られ、季節ごとに違った風情を楽しめます。
中庭に設けられた椅子やソファで休みながら、心地よい風と、さわさわと揺れる緑の音と、鳥の声に癒されます。とても気持ちのいい場所なので、大浴場への移動の際にぜひ立ち寄ってみて。
舘山寺温泉は、日本で3番目に塩分濃度が高い、塩化物強塩温泉。肌にまとわりついて、熱を逃げにくくし、入浴後もポカポカが続くのが特徴です。
熟練の職人が仕上げた大きな桶型のヒバの露天風呂がある、「華の湯」。湯面に木々の緑色が映り込み、まるでお茶の色のように染まっています。
湯面に浮かぶのは、地元静岡の茶葉を詰め込んだ籠。お茶処ならではの入浴法「お茶玉美肌入浴」を楽しむことができます。入浴するとほのかに茶葉の香りがし、ほっとリラックスできます。
内湯は、木の優しい温もりに包まれた広々とした空間。シンプルなしつらえで、穏やかでゆっくりとできます。
もう一つの大浴場、「湖都の湯」には、浜名湖からのそよ風を感じながら、ゆったりと癒しのひとときを過ごせる露天風呂と檜造りの内風呂があります。
脱衣所にはお茶の蛇口が設けられていて、入浴前におすすめのお茶「かけ湯茶」と、入浴後におすすめのお茶「仕上げ茶」を飲むことができます。
大浴場で温泉を楽しんだ後は、湯上がり処で休憩を。湯上がりにぴったりな、みかん酢やアイスキャンデーなどをいただきながら、クールダウン。目の前には中庭の茶畑が広がります。
温泉に入る前には、湯上がり処で「界 遠州」の湯守りが、舘山寺温泉の歴史や泉質、効果的な入浴法などを説明してくれる「温泉いろは」に参加。
舘山寺温泉は1958年に開湯した、比較的新しい温泉。温泉街の北側の舘山(たてやま)にあるお寺「曹洞宗舘山寺(そうとうしゅうかんざんじ)」より名づけられたそう。
温泉いろは後半戦はクイズの時間。温度が何 ℃以上から温泉と言われるか?舘山寺温泉の他に塩分濃度が高い温泉地は?入浴で体内から何mlの水分が失われるか?クイズを楽しみながら、温泉の知識を深められます。入浴前にお茶を飲むと、カテキンの吸収率が通常の約7倍にもなるのだそう!
「界 遠州」は全室が浜名湖の眺望を楽しめ、浜松の伝統的な織物「遠州綿紬」のアイテムをふんだんにしつらえた、ご当地部屋「遠州つむぎの間」。ベッドスローやクッションカバー、障子やランプシェードなどは全て、浜松にある「ぬくもり工房」の遠州綿紬。
また、全室にお茶を淹れる施設「茶処リビングカウンター」があり、シーンに合わせた茶葉と茶器で、たっぷりとお茶の世界に浸れます。時間と共に表情を変えていく浜名湖の姿や、遠州綿紬のあたたかみのあるインテリアと共に、素敵な一夜を過ごして。
浜名湖が望める露天風呂と、広いパウダールームを備えた茶処リビング付特別室。定員4名で「界 遠州」で最も広い部屋なので、グループや家族での利用に最適です。茶処カウンターと、IHコンロのついたダイニングテーブルがあり、広々としたスペースでお茶を楽しめます。
キッチンスペースにもIHコンロがあり、南部鉄器の鉄瓶が置かれています。ふとした瞬間にお茶を飲もうかな、という気持ちになれる部屋です。
「くつろぎ煎茶」「おやすみ煎茶」「おめざめ煎茶」の3種類のお茶「ひねもす遠州お茶三煎」が用意されています。
鉄瓶を使ってじっくりとお湯を沸かし、お茶とお菓子をいただいてほっと一息。どれを飲もうかな、と迷ったり、飲み比べてそれぞれの色や味をじっくり感じてみたり。新たなお茶の楽しみ方を体験して、ワクワクが止まりません。
茶葉の香りを楽しめる茶香炉。茶さじ3杯ほど入れて電源をつけると、中の電球が光り、その熱でお茶が温まり香りが広がっていきます。夜になって電気を消すと、まあるい光が辺りに映し出されます。部屋に入るたびに優しいながらも濃厚なお茶の香りがして、リラックス効果抜群です。
広々とした開放感たっぷりな、部屋の露天風呂。この日の湯温は41℃に設定されていましたが、フロントに連絡して温度調整をしてもらうことも可能です。浴槽が深いため、肩までしっかりと浸かれ、足も十分に伸ばせる広さ。身体が温まってきたら一度お湯から上がり、バスタブ横のテーブルと椅子でお茶を飲みながら休憩して、また入浴する、といった贅沢な楽しみ方も。
夜の入浴ではボーッとしながら癒され、朝の入浴では今日も頑張るぞ!とやる気が出てきます。
ルームキーのキーホルダーにも遠州綿紬があしらわれています。
同じく定員4名の茶処リビング付和洋室。特別室とはまた違った雰囲気があります。
茶処カウンターとリビングスペースで、選び抜かれた茶葉と急須、お茶請けのペアリングを楽しめます。
優しい色味のクッションカバーは遠州綿紬。障子は実は障子ではなく、こちらも遠州綿紬の生地を貼り合わせたものです。
大きな窓から見える、浜名湖の壮麗な姿を眺めながら、思う存分にお茶の魅力を味わって。
夕食は、落ち着きのある食事処で、浜松の名産を味わう会席料理をいただきます。それぞれの料理にあうお茶を提供してくれる、“ティーペアリング”が楽しめるのは「界 遠州」ならでは。
先付け「鰻とアボカドの山葵和え」は、地元で親しまれている「うざく」と呼ばれる、鰻にきゅうりを和えた酢の物をアレンジした一品。花穂紫蘇の茎の部分を手に持って花を散らし、紫蘇の香りと共にいただきます。「爽華(そうか)」という、ハーブのような香りと優しい口当たりが特徴の、オリジナルブレンドのお茶と一緒に。
八寸、お造り、酢の物が華やかに盛られた「宝楽盛り」。河豚の薄造りは、高等ねぎ、紅葉おろし、酢橘、ふぐ皮二種などとお好みで。付けダレは、駿河湾深層水を使用した塩、ポン酢とオリーブオイル。塩とオリーブオイルをあわせるとカルパッチョのような味わいになるので、おすすめです。
宝楽盛りにあわせて出てきたお茶は、こっくり穀物の味がします。河豚の味の邪魔をせず、河豚とお茶って相性がいいんだと新たな発見です。
焼き物の「鰻の白焼き」。白焼きは、一度蒸してから余分な油を落としてその後に炭火で皮目を焼き上げていて、鰻本来の美味しさや香ばしさを楽しめます。
揚げ物は「ふぐの唐揚げ」。フグのかま、あご、くちばしの3つの部位を唐揚げにしていただきます。くちばしはプルプルとした食感で、コラーゲンたっぷり。
締めは「鰻共だれ焼の土鍋ご飯」。鰻本来の旨味を感じられるよう、砂糖は控えめで、醤油やみりんなどで味付けをしたタレで仕上げています。鰻はふっくらしていて美味しいのはもちろん、見た目も美しいです。
最後のデザートは「緑茶あんみつ」。自家製の緑茶の蜜に漬け込んだ、抹茶の寒天を一番下の層に。上にはバニラアイスとフルーツ、栗風味のあんこが添えられています。
このあんみつと一緒に味わうのは、ほんのりと桜の香りが広がる「静7132」という名前のお茶。グラスに注がれるお茶がどんどん濃い緑色になっていくのを楽しみます。
急須の中でもじわじわと最後の一滴まで美味しさを出そうとお茶が頑張っているので、余すところなく注ぎきっていただきます。
今回は、ご当地部屋「遠州つむぎの間」や大浴場など施設の情報をたっぷりとご紹介しました。
「界 遠州」で体験できるアクティビティを紹介した記事も、併せてチェックしてみてくださいね。
界 遠州の予約はこちらから! ><住所>〒431-1209 静岡県浜松市中央区舘山寺町 399-1
<TEL>050-3134-8092(9:30〜18:00)
<駐車場>あり
<車>東名高速道路「舘山寺スマートIC」から約15分
<電車・バス>JR東海「浜松駅」北口バスターミナル1番乗り場から遠州鉄道バス乗車、「浜名湖ベイストリート」バス停から徒歩で約1分
※この記事は2024年5月の取材内容に基づき執筆されています。時期により、イベントや食事などの内容が変更になっている可能性があります。詳細は「界 遠州」にお問い合わせください。
星野リゾートの温泉旅館「界」をチェック >染谷ノエル(Noel Someya) / 俳優・フォトグラファー
東京都出身。演劇を学ぶため中学卒業後に単身渡英し、ノーサンプトンのBosworth Independent Collegeなどに通う。4年半後に帰国、上智大学にて英文学を専攻。在学中より劇団、東京ジャンクZに所属、舞台俳優のキャリアは15年目を迎える(2023年時点)。写真は留学中、"Photography"の授業がきっかけで本格的に取り組むようになった。旅や日常をドラマチックに切り取る表現を得意とし、雑誌やWEBメディアなどでの作品掲載多数。 撮影、執筆、被写体の三役をこなすキャリアを活かし、取材、連載などでも活躍する。
Twitter: @noel_engeki
Instagram: @noelle.s12
STAFF
Photo&Writing:Noel Someya
Edit:michill編集部
この記事のライター
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