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春の公園や道端に咲くたんぽぽは、恋にちなんだ花言葉をもつ野草です。ただし、ひと口にたんぽぽといっても、綿毛・色・国ごとに花言葉の意味は異なります。この記事では、たんぽぽの花言葉の意味や由来を綿毛・色・国別に解説します。
まずは、たんぽぽの花言葉の基本的な意味や由来を紹介します。
たんぽぽの花言葉は、『神託』『愛の神託』『真心の愛』の3つです。
それぞれの意味と由来は以下の通りです。
▪️『神託』『愛の神託』
『神託』とは、神様からのお告げを意味する言葉で、『愛の神託』は、恋愛にまつわるお告げを指します。
どちらの花言葉も「たんぽぽの綿毛を一息で吹き飛ばせたら恋が実る」というヨーロッパに伝わる花占いに由来する花言葉です。
▪️『真心の愛』
『真心の愛』は、偽りや飾りのない心からの愛を意味します。
たんぽぽが太陽に向かってまっすぐひたむきに生長する様子を、一途に誰かを愛し続ける様に例えた花言葉です。
たんぽぽの花言葉に怖い意味はありませんが、綿毛には『別離』という少し怖い意味があります。
もっとも有名な由来は、『タンポポと南風』というアメリカの先住民に伝わる小話。
怠け者の南風は、マグノリアの木陰に寝そべるのが日課。
ある日、南風が野原の方を見ると、美しい黄色い髪の少女が立っていました。
ひとめぼれをした南風ですが、怠け者なので行動する気にはなれず、木陰から少女を眺めるだけにしました。
ところが、南風が恋をしたのは少女ではなくタンポポだったのです。
長い月日が流れたある日、野原の方を向いた南風の目に映ったのは、黄色い髪の少女(タンポポ)ではなく白髪の老婆(綿毛)でした。
変わり果てた少女の姿に落ち込んだ南風がため息をつくと、老婆の白髪(綿毛)はあっという間に飛ばされてしまい、南風は二度と少女(タンポポ)に会えなくなってしまいました。
このような言い伝えから「タンポポの花言葉には怖い意味がある」と思われがちですが、あくまで『別離』は、たんぽぽではなく綿毛の花言葉です。
たんぽぽの綿毛には、先ほど紹介した『別離』だけでなく、『思わせぶり』という花言葉があります。
黄色い花びらが白い綿毛に変わる日が定まっていないために付いた花言葉です。
たんぽぽの英名は『dandelion(ダンディライオン)』。
フランス語の『dent-de-lion(ダン ドゥ リオン、ライオンの歯)』に由来し、たんぽぽのギザギザした葉っぱの形がライオンの歯に似ていることから付いた呼び名です。
英語でのたんぽぽの花言葉は、
・『oracle(神託)』
・『lover’s oracle(愛の神託)』
・『happiness(幸福)』
・『faithfulness(忠実)』
以上の4つで、日本語と同じく恋愛にちなんだ花言葉が多くみられます。
また、真心をもってよく努めることを指す『faithfulness(忠実)』という花言葉は、厳しい環境下でも一生懸命咲くタンポポの姿に由来するとされています。
たんぽぽの韓国名は『민들레(ミンドゥルレ)』。
韓国語でのたんぽぽの花言葉は『愛の神託』『不死身』です。
『愛の神託』は日本語と共通の意味をもちますが、『不死身』は韓国ならではの花言葉。
踏まれても、踏まれても、生長をやめず、アスファルトの裂け目からでも咲き続ける生命力の強さに由来します。
実際に、逆境に負けず夢に向かう女性をタンポポに見立てた、『一途なタンポポちゃん』という韓国の人気ドラマもあるほどです。
国ごとに意味合いが変わるたんぽぽの花言葉ですが、実は、花びらの色によっても、たんぽぽの花言葉は変わります。
ここでは、一風変わった『ピンク』『白』『オレンジ』の色別に、たんぽぽの花言葉を解説していきます。
ピンクのたんぽぽの花言葉は『あたたかみのある心』。
開花すると、花びらの外側から内側に向かってグラデーション状にピンク色が濃くなり、熱が伝わっていくように見えることに由来しています。
学術名では、モモイロタンポポ・センボンタンポポと呼ばれ、ヨーロッパを原産地とするキク科の外来種・越年草です。
白いたんぽぽの花言葉は『私を見つめて』『私を探して』。
特定のエリアにのみ分布する珍しい花であることに由来しています。
学術名では、白花蒲公英(シロバナタンポポ)と呼ばれ、関東より西の本州、九州、四国に分布するキク科の在来種・多年草です。
オレンジのたんぽぽの花言葉は『眼力』『めざとい』。
別名でコウリンタンポポ(英名:hawkweed、鷹の雑草)と呼ばれ、開花すると、鷹の瞳のように鋭い印象を受けることに由来しています。
ヨーロッパ原産ですが、オレンジのたんぽぽは日本にも生息するキク科の帰化植物です。
ここからは、たんぽぽの基本情報を紹介します。
たんぽぽの基本情報
『たんぽぽ』の名前の由来には諸説あります。
そのひとつが、たんぽぽの花の形が太鼓・鼓(ツヅミ)に似ており、太鼓を叩くと「タン・ポン・ポン」という音がすることにちなんで付けられたというもの。
ちなみに、江戸時代までは『鼓草(ツヅミグサ)』という和名で呼ばれていましたが、そこから転じて『たんぽぽ』と呼ばれるようになったそうです。
もうひとつは、たんぽぽの綿毛の丸い穂が、稽古用の槍の先に付ける『たんぽ(布に綿や毛を丸めて包んだもの)』に似ていることから「たんぽ穂」と呼ばれるようになったというものです。
たんぽぽの別名は『セイヨウタンポポ(西洋蒲公英)』。
ヨーロッパが原産地であることから、西洋のたんぽぽという意味の名前が付けられました。
たんぽぽは、外来種・在来種をあわせるとさまざまな種類に分類できますが、日本でよく見かけるたんぽぽは大半がセイヨウタンポポです。
古来より、ヨーロッパや中東におけるセイヨウタンポポは食用として扱われていました。
たんぽぽ特有の苦みはあるものの、サラダに入れて食べていたようです。
私たち日本人でいうところの食用菊のような位置づけですね。
春にかけて咲くたんぽぽは、下記日付の誕生花です。
・2月18日
・2月19日
・3月13日
・3月23日
・3月29日
・5月3日
また、先ほど白色のたんぽぽとして紹介した『シロバナタンポポ』は2月7日の誕生花とされています。
恋にちなんだポジティブな花言葉が魅力のたんぽぽですが、実はことわざもポジティブなものばかり。
ここでは、たんぽぽにまつわる2つの代表的なことわざを紹介します。
どれだけ踏まれても、太陽に向かって美しく笑顔を向けるように咲くタンポポの姿を切り取ったことわざです。
「人、逆境、苦難に踏みつけられるような辛いことが起きても、タンポポのように何度でも立ち上がり、前を向いてひたむきに生きていこうよ」という励ましの一句!
有名歌手のドリカムさんの一曲『何度でも』が、まさにこの句を表現しています。
「身近にあるものを大切にね」という意味をもつことわざです。
恋愛に置き換えた場合、「遠く及ばない高嶺の花(バラ)より、あなたの目の前に寄り添うタンポポの存在に気づいて」と解釈できます。
似たことわざに『遠くの親戚より近くの他人』という一句があり、「遠くにいる血縁者より近くにいる他人の方が、いざというときに頼れる」という意味です。
ニュアンスは違いますが、「身近にあるものを大切にしよう」という趣旨は共通です。
同じ花でも、綿毛・色・国ごとに花言葉が異なるたんぽぽ。
たんぽぽの花言葉やことわざの意味を正しく理解することで、大切なあの人へのギフト選びや手紙の執筆がもっと楽しくなるはずです。
「大切なあの人に、今ぴったりの花言葉は何だろう?」と考え、最適なギフトや手紙を送ってあげてくださいね!
・スタンダードなたんぽぽ(セイヨウタンポポ)の花言葉は『神託』『愛の神託』『真心の愛』
・綿毛の花言葉は別れを意味するネガティブなものが多い
・たんぽぽの花言葉はどこの国でも恋にちなんだポジティブなものが多い
・色ごとにたんぽぽの花言葉や意味・由来が違う
・人生の教本・大切な人へのお手紙に、たんぽぽのことわざが使える
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michill トレンド
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