セルフメディケーション税制はレシートが必要!薬剤師さんが解説

更新日:2017年3月5日 / 公開日:2017年3月5日

2017年1月からはじまった、新しい医療費控除「セルフメディケーション税制」。定期検診などを受けている人が、風邪薬、胃腸薬などを薬局で購入した場合、一定の所得の控除が受けることができる制度です。軽い風邪などの場合は、病院を受診せず、市販の薬を利用して、時間もお金も上手に使いたいですね。

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この記事のポイント

  • ・2017年1月から、新しい医療費控除「セルフメディケーション税制」がはじまりました。
  • ・一定の条件を満たすと、OTC医薬品を購入した際に所得控除が受けられます。

2017年1月から、新しい医療費控除「セルフメディケーション税制」がはじまりました。花粉症や風邪、胃の痛みなどの軽度な身体の不調を、病院にかからずに薬局で購入できるOTC医薬品(市販のお薬)で手当てすることができ、また、所得の控除も受けることができる制度です。

対象者や対象となる医薬品、控除になる金額など、一定の条件がありますので、一緒に確認していきましょう。

対象者は?

誰もが対象となるわけではありません。この医療費控除の対象は、「健康の維持増進及び疾病の予防への取組を行う個人」とされており、具体的には、以下の定期検診などを受けていることが必要です。自治体や企業での定期的な健診を受けていれば対象になります。

特定健康診査(メタボ健診)
予防接種
定期健康診断(事業主が行う健診)
健康診査(自治体などが行ういわゆる健康診断)
がん検診

対象となる医薬品は?

いわゆる「スイッチOTC医薬品」と呼ばれる医療用から転用された一般用医薬品が対象になります。対象になる医薬品の例としては、風邪薬、胃腸薬、鼻炎用内服薬、水虫・たむし用薬 、肩こり・腰痛・関節痛の貼付薬などが挙げられ、平成29年1月17日時点で83成分、1,577品目が対象です。対象製品の多くには、以下のマークが入っていますが、徐々に対応されていきますので、対象になる医薬品かどうか、薬剤師または登録販売者に確認してみましょう。

昨今では、花粉症の治療に用いられる医薬品の多くが、スイッチOTC医薬品になっています。病院にかからなくても、薬局で購入でき、また控除も受けられる!となれば、時間もお金も節約できますね。

どのくらい控除される?

さて、ではどのくらい控除されるのでしょうか。

例えば、対象医薬品を年間50,000円購入した場合、下限額である12,000円を引いた額が、控除の対象額となります。50,000円-12,000円=38,000円となりますが、38,000円がそのまま控除されるわけではありません。(※所得税率20%、住民税率10%と仮定して計算します。)

・所得税:38,000円×所得税率20%=7,600円
・住民税:38,000円×住民税率10%=3,800円

実際には上記の計算がなされ、確定申告をすることによって、所得税から7,600円、住民税から3,800円が控除され、合計で11,400円の減税効果が期待できます。

この対象医薬品の購入額は、生計を同一にする配偶者や家族も含まれるため、旦那さんの水虫の薬と、ご自身の風邪薬などが対象医薬品であった場合は合算することができます。

※もし、お子さんが保育園などに行っている場合には、自治体にもよりますが保育園の料金は住民税の支払額によって計算されますので、住民税額が変わることで保育園の料金も安くなる可能性もあります。詳しくは自治体の窓口に確認してみてください。

控除を受けるために、気をつけることは?

控除には確定申告が必要です。そのために、薬局やドラッグストア、コンビニエンスストアで市販薬を購入した際のレシートは保存しておきましょう。

また、対象となる購入金額の上限金額は88,000円とされています。

最も気をつけなければならないことは、医療費控除と併用できない、という点です。医療費控除は、1年間に自己負担した医療費の合計が10万円を超える場合(※ただし、年収200万円未満の場合は所得額の5%以上)に控除されますが、それとは併用できません。治療のために定期的に受診している人でなければ、医療費が10万円を超えることは珍しいと思いますので、日ごろからレシートは保存しましょう。

軽い風邪などの場合は、病院を受診せず、ぜひOTC医薬品を活用してみてください。上手にセルフメディケーションをできるようになることで、時間もお金も上手に使いたいですね。



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