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ここ数年で、子どもを取り巻くデジタル環境は劇的に変化。私たち親世代は、子どものデジタル機器の付き合い方や、ITリテラシーの教え方にどう向き合ったらよいのでしょうか? ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザーとして活躍し、自身も二児の母である鈴木朋子さんに教えてもらいます。
執筆者プロフィール 鈴木朋子さん ITジャーナリスト・スマホ安全アドバイザースマホやSNSなど、身近なITサービス全般に関する記事を執筆。なかでもSNSに関しては、コンシューマーからビジネスまで広く取材を行い、最新トレンドを知るジャーナリストとして定評がある。また、安全なIT活用をサポートするスマホ安全アドバイザーとして記事執筆や講演も行う。著書は『親が知らない子どものスマホ』(日経BP)、『親子で学ぶ スマホとネットを安心に使う本』(技術評論社)、『インターネットサバイバル 全3巻』(日本図書センター)など。今年もまた夏休みが始まりました。子どもにとってはうれしい休暇ですが、保護者のみなさんは「これから毎日どうやって過ごそう」と頭を悩ませているかと思います。私も子どもが小さかったころは何もできないまま1日が過ぎ、夏休みが明ける9月を心待ちにしていたものです。
とはいえ、夏休みは子どもとしっかり向き合える期間でもあります。普段はおろそかにしている習慣を立て直す機会と捉えてみませんか。特にスマホやタブレットとの付き合い方をこの機会に正しておくと、親子ともに楽しい夏休みになりそうです。
今回は、夏休みだからこそ取り組んでほしい、スマホやタブレットの使い方をお話します。
夏休みは、幼稚園や保育園、学校が休みになり、生活リズムが乱れがちです。朝早く起きることがおっくうになり、段々と夜ふかしになってしまいます。大人も急かすことに疲れてしまいますよね。
生活リズムが乱れる原因はいくつもありますが、そのひとつがスマホやタブレットでしょう。「YouTubeを見ていたら止まらない」「ゲームを何度もやりたがる」など、スマホやタブレットはまさに時間泥棒です。
しかし、いくら夏休みとはいえ、どっぷりスマホ漬けも困りますよね。そこで、使用時間を短くするための約束をしておきましょう。
約束の仕方は、ただ「スマホは1日30分」と決めるだけでもいいのですが、守られないかもしれません。そこで、決め方の例を挙げますので、お子さんの性格に合わせて考えてみてください。
●利用時間を決める1日30分など、時間で決める。スマホの利用時間機能を使うか、大きめの時計を用意して「○時までね」とするのもよい。
●アプリごとに利用回数を決める「YouTubeは1日3本まで」「ゲームは1日3回まで」というように、時間で区切るのではなく、本数や回数で決める。キリがいいタイミングで終われるため、子どもはストレスを感じにくい。
●やるべきことをしたらOKとする「夏休みの宿題を○ページしたら」「朝ご飯を食べ終わったら」など、きちんとやるべきことをこなせたらスマホの時間にする。この場合、「お出かけまで」など終了のきっかけも決めておく。
スマホやタブレットの利用時間については、すでにご家庭でルールがあるかもしれません。もちろん夏休みもそのままにしていてもいいのですが、期間限定のルールで運用してみるといいでしょう。お子さんと相談してみてくださいね。
子どもがずっとスマホやタブレットに向かっていると、仕事や家事がはかどりますね。でも、その間にトラブルが起きているかもしれません。
子どもがスマホやタブレットを使っている間に目を離していたら、使い終わったあとに以下の点を確認してみてください。
●どのアプリで遊んだのか子どもが使い終わったら、起動していたアプリを確認しておくと安心です。ホーム画面の下から上にスライドすると、起動していたアプリをある程度確認できます。知らないアプリがインストールされていないかも確認しておきましょう。●YouTubeで何を見たかもしYouTubeで何を見たのかチェックしておきたい場合は、YouTubeアプリの下部にあるボタンから「ライブラリ」をタップすると、「履歴」が表示されます。
●課金をしていないか親のスマホを貸していて、決済情報が入ったままだった場合、ゲームの有料アイテムなどを知らないうちに購入しているかもしれません。iOSであれば「設定」の「アカウント」から「購入履歴」を確認できます。Androidは「Play ストア」を開き、プロフィールアイコンをタップ、「お支払いと定期購入」、「予算と履歴」、「購入履歴」と進むと履歴を確認できます。早めに気づくことで、被害を最小限に留めることができます。
まるで「監視」のようだと考えるかもしれませんが、どんなアプリが好きなのかを知ることで、「あれおもしろいね」と会話をしたり、類似のアプリを遊ばせることもできます。YouTubeに関しても、動画の検索の仕方などを教えることでさらに子どもの探求心を引き出せるかもしれません。
課金については「うっかり」で多額になるケースが後を絶たないので、ときどきチェックをしておきましょう。
スマホやタブレットから離れてほしいと思っても、保護者は仕事や家事に忙しいもの。夏休みで時間が余っている子どもと、ずっと一緒に過ごすわけにはいきません。そこで、保護者も安心して使わせることができるアプリを活用して、長い休みを乗り切りましょう。
身近なモノの名前や特徴を学べるアプリ。画面をタッチするだけで遊べるので、小さなお子さんでも遊べます。アンパンマンと仲間たちが出てくるので、親しみも持ちやすいですね。無料で遊べる「おためしパック」で気に入ったら、「いろパック」や「のりものパック」などを追加購入できます。
料金:無料(App内課金あり)https://www.anpanman.jp/sp/korenaani/
ごっこランドは「お店屋さんごっこ」を通して社会体験ができるアプリです。ハンバーガー屋さんや鉄道など、実在する企業が監修したゲームが入っているので、馴染みのある名前に子どもが飛びつきそうです。100以上の知育ゲームが用意されており、ゲームは定期的に追加されます。完全無料な点もうれしいですね。
料金:無料https://app.kidsstar.co.jp/code0007
Think!Think!は、パズルや迷路のゲームで論理的な思考力を育むアプリです。ゲーム感覚で解いていくと、いつの間にか自分で考える力が身につくとされています。1日最大10分の制限がされているのも安心ですね。有料コースに入ると、ユーザー数やプレイの回数を増やせるなどの特典があります。
料金:無料(App内課金あり)https://think.wonderlabedu.com/
ワオっち!ランドは、文字や数のミニゲームや、お絵描きなどを通じて楽しく学べるアプリです。対象年齢は2~7歳となっているので、兄弟姉妹で遊ぶこともできます。たくさんのゲームが用意されていますが、無料ですべて遊べます。同社が制作している他のアプリへのリンクもありますので、興味があればダウンロードしてみてください。
料金:無料https://waochi.wao.ne.jp/waochi-apps/
スマホやタブレットの利用時間を決めても、時計の読み方がわからないというお子さんはぜひこちらのアプリを。アナログ時計の表示を使って、時計の読み方を覚えられます。難易度も設定できるので、小さなお子さんでもOK。「ふつう」レベル以上は有料となっています。
料金:無料(App内課金あり)iOS:https://itunes.apple.com/jp/app/id1251796553Android:https://play.google.com/store/apps/details?id=jp.amgm.and.tokei
スマホやタブレットは子どもにとって悪いものではありません。うまく活用することで子どもの知育にも役立ちますし、アプリの使い方に慣れておくと、将来ほかのアプリを使うときにもスムーズに覚えることができます。うまく活用することで、楽しい夏休みをお過ごしください。
(文:鈴木朋子、編集:マイナビ子育て編集部)
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