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子育て中のママ・パパの悩みを臨床心理士・公認心理師に相談する『子育て心理カウンセリングルーム』。今回は、息子のゲーム・ネット依存に関するママのお悩みです。「8歳の長男が学業にも支障が出てきている」というその実態は……。
長男が夜遅くまでゲームやネットを見て学校の授業中に居眠りをしてしまい、学業に支障がでています。何度注意してもやめません。休日も外で遊ぶように促すのですが、家でごろごろしている方が良いと言います。もっと子どもらしく遊んでほしいのですが、どうすればよいでしょうか。(38歳・男性・建設・土木/設計・エンジニア)
■家族構成:自分38歳、妻38歳、長女14歳、次女11歳、長男8歳■お困り度:★★★★★★★★★★
※写真はイメージです
今回の心理カウンセラー 石堂 達也 先生(臨床心理士)(うららか相談室)
今回のご相談者は、ゲームやネットに夢中で学業や生活に支障が出てしまっている長男に対してどのように対処したら良いのか悩んでいるお父さんです。
最近は携帯電話の進化に伴い、ゲームや動画が生活の中にあって当然になりました。今回の親御さんのように子どものゲーム問題に頭を悩ませる人は急増しています。
では、現在の子どもを取り巻く環境に言及しながら、どのように対処したら良いのかを一緒に考えていってみましょう。
実は、ゲームに熱中し利用時間などを自分でコントロールできなくなり、日常生活に支障が出ることを『ゲーム障害』といって、WHO(世界保健機関)が新たな病気として2019年に国際疾病分類に加えています。それほどに昨今ゲームが生活に与える影響は大きいものとなっています。
とはいえ、簡単にゲームを取り上げることも出来なくなってきた時代です。親のコントロール下にある時は良いのですが、親の手から離れてしまうと抑制が効かなくなるというケースも増えています。
では、そんな状況の中で親がとるべき行動は何なのでしょうか?
ゲームを取り上げるという選択は、実はあまりよくない行動なのです。ゲームを無理やり取り上げて関係性が悪化し、長く引きずるということもあります。
大切なのは「良い親子関係」の構築です。ゲームは敵ではなくただの道具です。うまく活用していくことが関係構築のカギとなると考えます。
まずはゲームに対しての理解を示します。味方になるためには先ず相手の好きなことを知りましょう。そしてゲームを理解したうえで、長男とルールについて話し合ってみましょう。いつもは話が通じない長男だとしてもゲームに理解を示し味方になろうとする親の言うことには耳を傾ける可能性があります。そこで、ゲームをしてはいけないのではなく、生活が崩れてはいけないことが大事だと伝えましょう。まだ小学生の長男なので就寝時間はコントロールしてあげるべきでしょう。
そのうえで、時間を守ってゲームを共に楽しんでみてください。親と遊ぶ習慣をつけた後に、外遊びの魅力に引きずり込んであげてください。男同士の遊びというのは家族ではお父さんにしかできないアプローチでしょう。
子育てはお母さんの方が上手と考えてしまう保護者の方は少なくありませんが、お父さんだからこそというシーンも多いものです。ぜひとも長男さんと良き時間を過ごし、良き関係を構築してみてください。きっとゲームとの良い距離感を学んでいけるでしょう。
(文:臨床心理士 石堂 達也/うららか相談室)
この記事のライター
マイナビウーマン子育て
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