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宅配物の増加と再配達問題に対応。タワーマンション内に「物流センター」を導入

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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宅配物の増加と再配達問題に対応。タワーマンション内に「物流センター」を導入

トイレットペーパーのような日用品や食品まで、ネットショッピングで購入するのが珍しくなくなった昨今、宅配物の増加とそれに伴う再配達が社会問題として知られるようになりました。特に多くの世帯が暮らすタワーマンションでは、大規模マンションならではの課題があるようです。そこで、現在の課題を宅配事業者に取材。さらに一部のマンション内に「宅配スタッフが常駐する物流センター」をつくる取り組みや今後の動きについて、三井不動産レジデンシャル 開発室の大熊さんに話を伺いました。
宅配物の増加が住民や宅配事業者、管理面の負担に

このところ関心を集めている宅配物の増加とそれに伴う再配達問題ですが、大規模マンション、特に住民が多いタワーマンションなどでは、以下のようなストレスがあるといわれています。

(1)インターホンが鳴ってから住戸に届くまでに時間がかかる
(2)宅配ボックスが埋まっていて受け取れないことがある
(3)宅配ボックスから自宅まで荷物を持ち運ぶのがおっくう

特に(1)の住戸に届くまでに時間がかかる、については配達先の住戸数が多いと宅配事業者がエントランスのインターホンから各住戸に連絡をしてから、実際に配送されるまで数十分かかることもあり、その間に住民が外出してしまい、再配達になるというケースもあるといいます。

従来のインターホンの呼び出しから荷物が配達されるまで(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

従来のインターホンの呼び出しから荷物が配達されるまで(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

また、宅配事業者で現場スタッフとして働く方に大規模マンションでの配達の宅配事業者としての悩みを聞いてみたところ、複数の宅配事業者同士で宅配タイミングが重なると、トラックの駐車場所を確保するのが難しいほか、運ぶ荷物の個数が多く、午前・午後・夕方・夜間と一日のうちに何度も訪問する必要性から、スタッフを重点的に配置しているとあかしてくれました。

さらに、宅配事業者が駐車場や、エレベーター、エントランスのインターホンを長時間使用することは共用部の清掃などを担う管理会社の業務に影響する懸念がありそうです。

住民、宅配事業者、管理側から見た「宅配物増加と再配達問題のストレス」。大規模物件ならではの悩みだ(住民、宅配事業者の取材をもとに筆者作成)

住民、宅配事業者、管理側から見た「宅配物増加と再配達問題のストレス」。大規模物件ならではの悩みだ(住民、宅配事業者の取材をもとに筆者作成)

とはいえ、共働き世帯が増え、在宅時間が減るなかで宅配ニーズは高まるばかり。そこで、これらの問題を解決すべく、いっそのこと「物流センター」をマンション内につくってしまおう、という動きがでてきたのです。

今回、マンション内に物流センターを設ける予定となっているのは、現在建設中で2020年に竣工予定のタワーマンション「ザ・タワー横浜北仲」です。では、なぜここまで注力するのでしょうか。

「三井不動産レジデンシャルではこれまでも武蔵小杉等のタワーマンション内にも物流センターを設けて、宅配物をよりスムーズに受け取れるよう、取り組んできました。これはネットショッピングの普及などにより宅配物が増加していることを考慮してのことです。

今回、物流センターに加えて、宅配スタッフの携帯電話から各住戸内インターホンに連絡できるシステムなどを導入し、より配達効率を上げようという試みを始めました」と話すのは、三井不動産レジデンシャル横浜支店開発室の大熊麻祐子さん。

物流センターには宅配スタッフが常駐。インターホンと宅配ボックスも改良

では、具体的にはどのようなシステムになるのでしょうか。

「3つの施策を考えております。まず1つ目はマンションの共有部に物流センターを設け、そこに宅配スタッフが常駐します。複数の宅配事業者から荷物をいったん預かり、まとめて各住戸に配達します」(同)

住民からみると、宅配事業者に関係なく、複数の荷物が一度に受け取れるのはうれしいところでしょう。いつも同じスタッフが届けてくれるので安心感もあり、エレベーターの混雑緩和にもつながるはずです。一方で宅配事業者からみれば、マンション内の物流センターに荷物を届けるだけでよいので、住戸ごとに配達する必要がなくなり、大幅に効率化ができます。

物流センターと配達までのイメージ(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

物流センターと配達までのイメージ(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

今のところ常駐の宅配スタッフは、日中に配置され、およそ2~4名程度で運用する予定だといいます。

2つ目の施策は、マンション内物流センターに常駐している宅配スタッフの携帯電話から直接住戸内のインターホンに連絡ができるシステムを構築したこと。携帯電話から直接、在宅確認ができるようになるので、「インターホンを鳴らしてから自宅到着までタイムラグがある」「宅配事業者がエントランスのインターホンを長時間使い続けている」ということもなくなりそうです。

インターホンシステム改良後のイメージ(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

インターホンシステム改良後のイメージ(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

3つ目は、同じ届け先であれば同一の宅配ボックスに、追加で荷物を預け入れられるようにしました。これにより「一つの住戸が複数の宅配ボックスを占有する」「宅配ボックスが足りなくなる」ということも少なくなり、宅配ボックスに余裕が生まれるため、それだけ多くの住民が荷物を受け取りやすくなります。

宅配ボックス追加預け入れのイメージ(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

宅配ボックス追加預け入れのイメージ(画像提供/三井不動産レジデンシャル)

物流センターの運営費は一部を管理費から捻出。他の大規模物件での展開も

気になる物流センターの場所は地下1階にあり、倉庫と事務所の機能を備えた空間になるといいます。また、費用ですが、一部を管理費からまかない、運営するといいます。

今回の物流センターは、1200戸弱の大規模なタワーマンションだからこそできたともいえます。今後の展開はどうなるのでしょうか。
「今後も、大規模物件に、物流センターを設ける可能性は出てくると思います。またインターホンシステム・宅配ボックスは、物流センターとは別に物件ごとに採用できるので徐々に増えていくかもしれません」とのこと。

ネットショッピングの拡大によって、課題となっていた宅配物の増加と再配達問題。これを宅配事業者の問題と見るのではなく、デベロッパーはもちろん宅配ボックスメーカーなど複数社が現在のシステムを見直すことで、住民と宅配事業者、管理会社、みなが助かる仕組みに変えていけるのだなと思いました。こうした地道な取り組みや改善こそが、実は「住み心地」に直結するのかもしれません。

●取材協力
・三井不動産レジデンシャル 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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