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妊産婦の死因は自殺が最多。母親を「産後うつ」から守るために重要なこと【ママ小児科医からのメッセージ】

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目次

出産後の女性の10人に1人がなるといわれる「産後うつ病」。産後うつ病を防ぐためには、また悪化させないためには何が重要なのでしょうか。小児科医の森戸先生が回答します。

妊産婦の死因で最も多いのは自殺

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(photoAC)

国立成育医療研究センターの調査によると、産後1年までの妊産婦の死因は自殺が最多です[*1]。とても悲しくなる調査結果ですね。じつは以前から出産後の女性の10人に1人が「産後うつ病」を発症することが指摘されていて、この産後うつ病が自殺に関係していると専門家は考えています。

そもそも「産後うつ病」は、出産後に起こる抑うつ状態のこと。わけもなく気分が塞いだり、ひどく悲しくなったり、涙が出たり、落ち込んだり、怒りっぽくなったりなどの症状が現れます。産後すぐの時期に多くの人がなる「マタニティーブルーズ」が3日程度(長くても2週間程度)でおさまるのに対し、産後うつ病は数カ月続いてしまうこともあります。

この産後うつ病の原因ははっきりとわかっていませんが、妊娠前からうつ病にかかっていた場合はリスクが高くなります(この場合、妊娠中からの相談・対策が大事です)。また、産後すぐのホルモンの大きな変動、睡眠不足、疲労、ストレスなどが、母親のメンタルヘルスや抑うつの程度を悪化させることがわかっています。

出産後、日常生活があまりにもつらく感じたり、自分や子どもを傷つけたりしかねないときは、早めに子育て支援センターで相談したり、精神科を受診したりしましょう。治療をしない場合、ますます悪化したり、何年も長引くことがあるからです。

真面目な人ほど追い詰められてしまう

では、どうしたら「産後うつ病」を防ぐことができるでしょうか。これもまたはっきりとはわかっていませんが、間違いなく大事なことは適度な休息と睡眠を取ることでしょう。

特に初めて親になった時は、子育ての何もかもが慣れないことなので、誰でも精神的にも身体的にも疲れます。1日に何度も授乳して、その度にゲップをさせてオムツを替えて、お昼寝をさせて、お風呂に入れて、ボディケアをして、寝かしつけて……基本のお世話だけで1日が終わってしまいますよね。

しかも、赤ちゃんによっては日中も夜中もずっと泣き続けるため、真面目な人ほど抱っこしっぱなしで、何もできなくなって追い詰められるのです。ですから、心情的に難しい場合も多いでしょうが、たとえば赤ちゃんが少し泣いていても他の家族に任せたり、安全で快適な部屋に寝かせておくなどして、短時間でも別室で睡眠や休息を取りましょう。子育ても家事も完璧でなくても問題ありません。

そして、普段のお世話はもちろん、夜間の授乳や夜泣きなどの対応も、できるだけ夫婦交代制で行いましょう。産後すぐの疲れ果てた母親だけで、育児の何もかもを行うのは過酷すぎるからです。また可能であれば、お父さんもですが、お母さんも家族や周囲の人、保育施設などを頼って自由な時間を作り、外出や趣味などの「自分のしたいこと」をしてくださいね。何よりも気分転換になると思います。

参照)森戸やすみ『子育てはだいたいで大丈夫』(内外出版社)

参考文献国立成育医療センター「人口動態統計(死亡・出生・死産)から見る妊娠中・産後の死亡の現状」

(編集協力:大西まお)


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マイナビウーマン子育て

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