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今年も世界が注目するデザインの祭典[ミラノ・サローネ]が、4月4日~9日@Milan(Italy)で開催された。世界最大規模のインテリア国際見本市に加えて、ミラノ市街各地でイベントや展示が催される「Milan Design Week」。ミラノに3泊4日の強行スケジュールで飛んだ筆者が、最新のインテリアやイベントの様子を3回に分けてレポートします!
世界のトップデザイナーたちが集結!
通常簡単に会えないトップデザイナーたちとも、バッタリ出会えるのがMilan Design Weekの魅力。
彼らの作品に込めた思いを、肉声で聞くとやっぱりワクワクする。
●Vincent Van Duysen(ヴィンセント・ヴァン・ドゥイセン) @Molteni&C|Dada
国際見本市会場の開場前に立ち寄ったのは、ミラノの中心Duomo大聖堂近く、Corso Europa通りの「Molteni&C|Dada」フラッグシップ・ショールーム。
こちらでは、昨年からクリエイティブ・ディレクターに就任したベルギー人建築家のVincent Van Duysenと遭遇! Molteni&C社の家具だけでなくDada社のキッチンもデザインし、このショールーム空間をデザインすることでDuysenカラーのMolteni&Cが完成した。
地上1階・地下1階で約1300m2、家具からキッチンまで見ごたえのある“home living”ショールームとして新たにオープン。家具を引き立たせるよう、フローリングは温もりのあるグレーで幅広パネルに、壁のパネルは酸化オーク材。
ミラノに先行してオープンした東京・青山のMolteni&C HOMEショールーム(完全予約制)も、同じくVincent Van Duysenデザイン。コンパクトに同じ雰囲気が味わえるので青山のショールームも必見だ。
そして165カ国から34万人を超える人が来場した、国際家具見本市「Salone del Mobile.Milano」の会場ではあちらこちらに有名デザイナーたちが出没……。
●Karim Rashid(カリム・ラシッド)@ Riva 1920
「Riva 1920」はむく木を革新的なデザインで発表してくれるイタリアの家具ブランド。そのブースにスーパーカーLamborghiniが展示⁉︎ 今回、Lamborghiniブランドが家具をRiva 1920社製で出したのだ。
なんと、そのデザイナーはカイロ出身で世界的に活躍するKarim Rashid。流線型のデザインが印象的なスーパーデザイナーとスーパーカーのナイス・マッチング!
●FRONT(フロント)@ FontanaArte
見本市会場Fiera内を回っていると筆者も大好きなデザイナー、FRONT(スウェーデン人のデザインユニット)と遭遇! 今年も8社のブランドで家具・照明をデザインし、イベントにも引っ張りだこ。
「GTV(Gebruder Thonet Vienna)社やKartell社のように、続けてデザインを依頼されるのは今までの作品を評価していただいているということなので、とてもうれしいの」と、丁寧に話してくれるSofiaの人柄と作品が重なる。
筆者が会場でFRONTデザインとは知らずに「面白い!」と思って撮影していたFontanaArte社のスタンド照明、これもFRONTの新作だった。3本の脚に、3方向に照らされた灯りはソファ側などで便利そう。
●nendo(佐藤オオキ)@ 「nendo : invisible outlines」
そのFRONTと同じく、ミラノ・サローネの新人デザイナー登竜門「SaloneSatellite」で見出され世界に飛び立ったデザイナーが、日本のnendo(佐藤オオキ)。今年SaloneSatelliteは20周年、46人の国際的に活躍するデザイナーの一人としての特別展示やトークイベントにも登壇。
各社製品のプロダクトデザインに加え、ミラノ中心にあるJil Sanderの大規模なショールームで個展を行っていた佐藤氏を訪ねた。
個展でハッと驚かされた、水槽の中の花瓶。このほか、計16作品が展示された。
【動画1】この感動は動画でないと分からないので、ぜひ見てみてほしい(YoutubeのAkihiro Itoチャンネルより)洗練されたシンプルデザインのなかに“カワイイ”を感じさせてくれる、nendo-world の個展だった。
nendoの作品も展示されていた、フランスのラグジュアリーブランドLOUIS VUITTON 。今年は吉岡徳仁も新作スツールをデザイン。
LOUIS VUITTON が旅をテーマに展開する家具[Objets Nomades]の展示は、ミラノ市街地にあるPalazzo Bocconiというクラッシック建築が会場。
●吉岡徳仁@Kartell
その吉岡氏には、Kartell社でお会いすることができた。
Glass Italia社からの[FOUNTAIN_glass tables]を展示したインスタレーションが市内のイッセイミヤケshopで行われたりと、今年も大忙しな吉岡氏。
そして最終日発表された、『Milano Design Award 2017』の最高賞が吉岡徳仁による[S.F._Senses of the Future](LG社)に贈られるというニュースが入った!
●喜多俊之@Universita degli Studi di Milano
世界から評価が高い日本人デザイナーに加え、日本の素材や伝統工芸にも注目が集まっている。
インテリア誌「INTERNI」が主催するミラノ大学でのクリエイティブイベントに出展していたのは、50年近くイタリアでも活動しミラノが第二の故郷と言う喜多俊之。今年は、Cassina社の90周年特別展でも1980年にデザインした「Wink」が展示された。
竹の特徴的な表皮の節や繊維までを残しながら、新しい技法で平面にすることを可能にした島根県のウッドスタイル社の新技術。平版加工によって椅子など家具にデザイン、竹の新たな活用法を提案した。
一方、トリエンナーレ美術館で集合展示を行っていたJAPAN DESIGN WEEKの「匠」展では、津軽塗の新しいデザインプロジェクト作品のお披露目もした喜多氏。
●Jasper Morrison(ジャスパー・モリソン)@maruni
そして忘れてならない日本・広島の家具メーカー「maruni(マルニ木工)」。
国際見本市会場Fieraの人気ブランドと肩を並べて、世界にアピールする姿が定着してきた。人気シリーズ「T&O」のデザイナー、Jasper Morrisonがブースにいらっしゃった。
深澤直人デザインの[HIROSHIMA]シリーズでは、スタッキングチェアに新しい張座タイプが加わっていた。
maruniはミラノ・サローネに出展し続けることで販路も拡大し、日本らしい繊細で確実な技術によって世界から信頼されるブランドに成長しているようだ。
駆け足で回った現場そのままの内容でしたが、続編では人気インテリアブランドの動向や照明見本市「EuroLuce」、日本企業のインスタレーションなどをお伝えしたいと思います。お楽しみに!
●ミラノ・サローネ2017の記事この記事のライター
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