アプリでmichillが
もっと便利に

無料ダウンロード
ログイン・会員登録すると好きな記事をお気に入り登録できます

新型出生前診断(NIPT)で病気がわかる?染色体検査の種類と方法、メリット・デメリット

目次

赤ちゃんが産まれる前に染色体疾患による病気や障害が分かる染色体検査。具体的にはどのような方法の検査があるのでしょうか?検査を行うことで起こりうるデメリットは?今回は、染色体検査や新型出生前診断についてご紹介します。

この記事の監修ドクター

松本レディースクリニック松本 和紀先生 当院では体外受精など生殖補助医療を専門に行います。赤ちゃんが欲しい、妊娠したいがなかなか妊娠しないとお悩みの方ご来院ください。 http://www.matsumoto-ladies.com/

染色体検査とは?種類と方法、リスク

146878928

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

染色体検査には、どのような種類があるのでしょうか?また、検査結果の正確性についても気になるところ。まずは、染色体検査についてご説明します。

染色体検査とは?

染色体検査とは、胎児の疾患を診断して確定するための「確定的検査」のひとつ。この検査は、胎児が疾患を持っている可能性がどれほどの確率であるのかを調べる「非確定的検査」にて異常が疑われた場合に行われます。

染色体検査には、羊水検査と絨毛検査の2つがあります。

羊水検査の方法とリスク

羊水検査は、羊水に含まれる胎児細胞の染色体を調べる検査で、妊娠16〜18週に行います。検査は、母体のお腹の上から穿刺針で羊水を採取します。検査では染色体の数の異常や部分的な構造の異常が分かるのですが、結果が分かるのは約2週間後です。

羊水検査は、1,000人に3人〜5人ぐらいの割合で流産のリスクを伴います。そのほかにも、羊水がもれ出たり、子宮収縮によって腹部が張ったり、感染の恐れもあります。また、針を刺したり抜いたりする際に、胎児を傷つけてしまう可能性も否定できません。

絨毛検査の方法とリスク

絨毛とは妊娠早期の胎盤の一部のことを指し、それを採取することによる検査が絨毛検査です。期間は、妊娠11週〜14週未満を対象に行います。検査方法には、母体のお腹から絨毛を採取する「経腹法」と、子宮の入り口から絨毛を採取する「経腟法」の2種類があります。

羊水検査に比べて技術レベルが必要とされるため、実施可能な施設が限られてきます。

流産のリスクは1%程度と羊水検査よりも高めですが、これは検査そのものがリスクを高めているのではなく、流産のリスクが高い期間が実施対象となっていることが関係していると考えられます。絨毛検査そのものが原因で流産するリスクは、羊水検査と同程度です。ただし、流産に至らなくても出血や破水などが起こったり、まれに重症合併症が生じる可能性もあります。

また、経腹法の場合には針が腸に刺さったりすると腹膜炎などの重症感染症を引き起こす恐れがあります。経腟法の場合には、絨毛生検鉗子が子宮筋層を穿通すると腹腔内まで達し、腹膜炎などの重症感染症を引き起こす危険性があります。

新型出生前診断「NIPT(母体血胎児染色体検査)」とは?

498187798

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

新型出生前診断、NIPT、母体血胎児染色体検査というものを聞いたことはありますか?現在ではまだ臨床研究として実施されているこの検査、どんなものなのでしょうか。

NIPT(母体血胎児染色体検査)とは?

NIPTとは、母体血を用いた新しい出生前遺伝学的検査のことで、無侵襲的出生前遺伝学的検査とも呼ばれています。最新の医療技術によって母体の血液の中に含まれている胎児のDNAを検出し、染色体の数が正常であるかどうかを調べます。対象期間は、妊娠10週〜22週となっています。

この検査では、21トリソミー症候群(ダウン症)、18トリソミー症候群、13トリソミー症候群の3つの染色体異常症を対象としています。その他の染色体異常や遺伝子異常、先天異常などは判断できません。

検査の結果、陰性と診断された場合には、胎児がこれらの染色体の異常を持つ可能性は極めて低いとされます。陽性の場合には、さらに染色体検査による確定診断を行うことになります。

検査の精度については従来の採血による母体血清マーカー検査よりも非常に高いとされています。しかし、確実に診断できるわけではないのは注意しておきたいところです。また、日本では2013年より臨床研究として実施されている開発したての検査方法でもあります。

NIPTのメリット・デメリット

NIPTの長所は、陰性結果の正確性が極めて高いこと。NIPTを受けた段階で結果が陰性になった場合には、流産のリスクをともなう染色体検査を受ける必要がなくなるのです。血液採取だけで対象疾患を否定できる所はメリットと呼べるでしょう。

一方でNIPTの短所は、検査の結果が陽性だった場合に胎児が対象疾患がある可能性は高いものの確定まではできないことです。ちなみに、30代の妊婦がNIPTで陽性の結果が出た上で実際に胎児が対象疾患を持っていた確率は67.8%。この確率であっても、流産のリスクがある染色体検査を受けなければ確定できないところはデメリットと言えます。

NIPTを受けられる人・受けられない人

NIPTは臨床研究として実施されている検査であるため、希望する誰もが受けられるものではありません。検査を受けることができるのは、次の条件に該当する人です。

・出産予定日の時の年齢が35歳以上 ・これまでの妊娠・出産で、赤ちゃんが対象となる3つの染色体異常のうちいずれかであった ・両親のどちらかが、対象となる染色体異常の胎児を妊娠する可能性が高い染色体転座保因者である ・今回の妊娠で、胎児が対象の染色体異常である可能性が高くなっていることを超音波検査や母体血清マーカー検査で指摘されている

また、次の事項に該当する場合にはNIPTを受ける対象から外れ、羊水検査や絨毛検査が推奨されます。

・胎児に超音波検査で明らかな形態異常が指摘されているが、対象となる染色体異常以外の可能性があると考えられる場合 ・両親のどちらかが転座などの染色体構造異常の保因者である

NIPTを受けられる病院・施設

NIPTを実施している機関は限られており、次の事に該当する場所であることが条件となっています。

・出生前診断、特にNIPTの対象となっている3つの染色体の数的異常例について、自然史や支援体制を含めた十分な知識と豊富な診療経験を持つ産婦人科医師(産婦人科専門医)と小児科医師(小児科専門医)が共に常時勤務していること。そして、そのどちらかが臨床遺伝専門医の資格を有していること。 ・遺伝に関する専門外来を設置しており、産婦人科医師と小児科医師(または認定遺伝カウンセラーか遺伝看護専門職)が協力して診療を行っていること。 ・検査を希望する妊婦に対し、検査の前・後に十分に時間をかけて遺伝カウンセリングを行える環境であること。 ・検査後の妊娠経過の観察を、施設内で続けられること。 ・染色体検査において、妊婦の意思に応じて適切に対応できること。また、染色体検査の後も妊婦のその後の判断に対して支援し、適切にカウンセリングできること。 ・出生後の医療やケアをに対応していること。または、対応できる施設と連携できること。

これらの条件に基づき、2017年3月現在では80施設(http://jams.med.or.jp/rinshobukai_ghs/facilities.html) が臨床研究施設として認可されています。

NIPTを受ける前に理解しておきたいこと

NIPTを含めた出生する前の段階で赤ちゃんの病気を詳しく知る目的としている検査では、望まない結果が出てしまった場合に妊婦は精神的な負担を抱えることになります。そのため、検査を受ける前にきちんと検査についての理解を深めておいた上で受診することが望ましいとされます。

妊婦の精神的負担を考慮し、各機関では検査を希望する妊婦を対象に遺伝カウンセリングを実施しています。遺伝カウンセリングでは、機関からは検査の内容や方法のほか、検査結果によって想定されうる選択肢に関する情報を伝達し、夫婦が望むような将来の見通しを立てていけるように支援します。

また、検査後には結果の解釈を説明し、結果による精神的な影響への支援や過程支援も行います。

遺伝カウンセリングは、妊婦が望まない結果になってしまった場合、冷静になれず結果の正しい解釈を十分に理解しないままで将来の選択をしてしまう事を防ぐ役割をします。検査を受けるにあたっては、遺伝カウンセリングを受けることは重要です。

知っておきたい染色体疾患について

610743360

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

出生前に染色体疾患を調べることができる検査について説明してきましたが、染色体疾患ってそもそもどのようなものなのかも知っておきたいところですよね。次は、染色体疾患についての説明します。

染色体とは?

染色体とは、遺伝情報の発現と伝達を担う生体物質のことで、人間は通常46本の染色体を持っています。その内訳は、両親から1本ずつもらった1組2本の常染色体が22組44本、性別をあらわす性染色体が1組2本となっています。

染色体と病気の関係

通常は計23組46本ある染色体ですが、その中でいずれかの染色体が1組1本だったり、3本であったり、染色体の一部が切れていたり、ひっくり返ってしまっていることもあります。このような異常は染色体疾患であり、先天性の障害や病気の原因となります。

染色体疾患の主な種類

染色体疾患の中でも、1組2本であるはずのものが1本だけの場合は、「モノソミー」、3本もある場合には「トリソミー」と呼びます。

そして、常染色体は大きなものから1〜22まで番号がつけられ、たとえば21番目が3本あると「21トリソミー」、18番目だと「18トリソミー」、13番目だと「13トリソミー」と言われます。ちなみに染色体が大きいもの、つまり番号が小さいほど、障害の度合いが重度になる事が多いです。

ちなみに、「21トリソミー」はダウン症のこと。ダウン症児は外見に特徴があるほか、発育や知能の遅れや心臓に障害が出ることもあります。障害や病気の程度は様々。治療法はありませんが、子供の成長などに応じた教育や生活指導をしていくことで社会生活への適応能力を高めていくことは可能です。

「18トリソミー」や「13トリソミー」に関しては、自然に流産・胎内死亡することが多く、産まれた場合でも障害の程度は重く、短命であることが多いです。

性染色体が1本少なかったり一部ない状態の「ターナー症候群」は、女性のみにある染色体疾患です。産まれてから、新生児浮腫や心疾患、低身長、無月経、不妊症などが見られます。知能の障害は少なく、低身長に対してはホルモン療法などのケアが可能です。

また、染色体の異常があっても病気や障害として表に出てこないケースもあり、一生気付くことのないものもあります。

出生前検査を検討する前に考えておきたいこと

470913492

Getty logo 25b7f2c61b43cc8578dbdb4391bff44f15fecbfdcfd25ce56be1fa24f6dc74a2

出生前検査で染色体の異常が見つかった場合にとる決断は、人によってそれぞれ。中絶を選択する人もいます。日本では、胎児の染色体異常を理由に人工妊娠中絶を受けることは認められていませんが、母親の身体的、精神的苦痛を考慮した「母体保護」を理由に受けることが可能です。結果次第で中絶する可能性がある場合には、早い段階で検査を行う必要があります。なぜなら、中絶が可能なのは妊娠21週6日までだからです。検査の時期が遅くなればなるほど決断に時間をかけられなくなります。

また、障害があっても受け入れて育てていく決断をする人もいますし、羊水検査は受けたけれど色々と考えた末に結果は聞かずに産む決断をする人もいます。

生命に対しての考え方や人生観だけでなく置かれている環境や事情は人によって違うので、どのような決断が正解か、間違いかという事は言えないものです。周囲に流されず、自分自身できちんと考えることが大切です。

まとめ

出生前診断は、自分自身の人生と赤ちゃんの人生が大きく関わってくるもの。その時持っている知識だけで判断したり、安易な考えで受けるのは避けたいところです。カウンセリングをきちんと受け、検査についてきちんと理解することと気持ちを整理することが大切です。


関連記事


/

この記事の著者

マイナビウーマン子育て

ありがとうを贈るとライターさんの励みになります

トップへ戻る

michillの人気ランキング

SNSでも新着記事をお知らせしていますmichill 公式アカウント

ログイン・無料会員登録