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毎日、私たちは様々な手段で、他社とコミュニケーションを取っています。その中で、文字によるコミュニケーション手段として、メールやSNS、文書や手紙などがありますが、圧倒的に多いのが「メール」によるコミュニケーションではないでしょうか。
みなさんは、一日にどれだけのメールに目を通しますか? メールを読んでいる時の集中力はそれほどしっかりしたものではなく、たいていの人は、先頭から一字一句なめるように読むのではなく、ざっと斜め読みをし、必要な情報をピックアップする感じかと思います。
そこで目の動きさえスムースにすることがわかりやすいメールの条件のひとつとなります。いったいどんな文章が読者の負担をかけないとされるのでしょうか。
私はネット上に教室がある国語教師です。小学生の子どもたちにはなるべく「漢字」や「熟語」を使うように指導しています。漢字や漢字を使った熟語というものは、非常に圧縮率の高いものです。
例えば「転倒」。これは「転ぶ」と「倒れる」が合体した熟語で、これを見た日本人はすぐに、転んだり倒れたりする様子を頭に思い浮かべるはずです。これを「てんとう」と書くと、「店頭」や「点灯」なども考えられますので、何を表した「てんとう」なのかを文の流れから、読み解く必要が出てきます。これが読者の負担です。
たしかにこれくらいならたいしたことはないと感じるかもしれませんが、例えば、同じようなことが一つの文章の中で30回起きたとすれば、それはかなりの読者負担になるはずです。そこで必要なことは漢字や熟語に直そうというのが、小学生向けの指導方法です。もちろん、習った漢字を使うという練習の場の意義もあります。「ならったかんじをつかうというれんしゅうのばのいぎもあります」これでは意味が頭の中にすーっと入ってこないですよね。
私は大人の文章指導もしているのですが、今度は逆に変なところで漢字を使っている人が多いことに驚かされます。代表的なものを10個、最近添削した文章から、副詞をピックアップしてみました。
読めないものもあるかと思います。このように副詞が漢字になったものは、年配の方の文章に多いです。だから、私たちは、このような文章に対して少し古くさい印象を持つのだと思います。古くさいイメージはもちろんあるのですが、文章につっかかりを与えることが問題です。次の二つの文章を読み比べてみてください。
読める、読めないの問題以上に、例えば「有る」に関して言えば「ある」とは読めるのだけど、ふと目の動きが止まってしまいませんか?つっかかりとは、そういう負担を生みます。
すーっと読めないので、内容についても少し立ち止まって理解するように、とどこおります。
特に、副詞に関してはひらがなで書いた方が、よいでしょう。副詞は形容詞や動詞を修飾するものですから、いわば影武者。主役ではないのでさっと身を軽くした方がよいでしょう。
さきほどの副詞をひらがなにしてみます。
どうでしょう?主役は何なのかが一目でわかりますよね?
このように、少なくとも副詞の言葉をひらがなにするだけでいいのです。古くさいイメージが取れるだけでなく、ポイントが修飾される形容詞や動詞にあることがわかるので、文全体の主旨がわかりやすくなるのです。主役でない副詞はひらがなに直してみましょう。それだけでずいぶんと印象が変わりますよ。
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