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カフェの旅に出かけよう!(前編)[世界を旅するネコ 番外編なノダ!]

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旅人にとってのオアシス……それはカフェ。
町歩きの休憩に、小腹が空いたときに、道を尋ねたり、Wi-Fiを使わせてもらったり……。カフェのない旅というのはちょっと想像することができません。

また現地の人々の生活を垣間見ることができるのもカフェの魅力。言葉は解らずとも、そこで得られる情報はどんなガイドブックよりもフレッシュで、まるでその町に住んでいるかのような、特別な気分に浸らせてくれます。

さあ、カフェの旅に出かけましょう。
まずは本場のエスプレッソを飲みにイタリアへ!

■イタリアのカフェ(バール)
濃くて美味しいエスプレッソ。でも日本人にはイマイチ理解できない、素朴な疑問、ありますよね? それは……

・あんな量で満足なのか?
・ホントにみんな砂糖を入れてるのか?
・そんなにエスプレッソばかり飲んでるのか?

この謎を確かめるべくイタリアに行ったのですが、答えは全て「Sì(イエス)」でした。
イタリア人は毎日、何度も、デミカップの底にちょこっと入った濃いエスプレッソに砂糖をばさっと入れて、スプーンで混ぜてクイっとやっていました。これが、笑ってしまうくらい皆同じ。

何度も通ううち、エスプレッソは飲むものではなく、舐めるものなのだと気がつきました。濃く抽出したコーヒーのエキスを砂糖でまとめて、ペロッといただく感じなのです。量も日本で出てくる半分くらい、すごく少ないです。

……で、僕の結論は、エスプレッソ=コーヒー飴。

飴なので、あの量と甘さがいいのです。値段も100円ちょい。ちょっと一服、というかんじで1日に何度も利用するから長居は無用。イタリアのカフェ=バールが基本的に椅子なしなのも納得です。大人の男がコーヒー飴をペロリできるお洒落なお店、それがバールなんだと思います。


↑夏場はエスプレッソをシェイクしたカフェ・シェケラートがおすすめ。
ただし気前のいいバリスタはリキュールをたくさん入れてくれるので、実態はほとんどカクテルです。アルコールが苦手な方はご注意を……。

■フランスのカフェ
店先のカラフルなテントの下に並べられた円卓と籐椅子。エスプレッソベースの飲みものにプレート料理。日本人が思い描くカフェにいちばん近いのは、たぶんフランスのカフェだと思います。

基本の飲みものはcafé(カフェ)、つまりエスプレッソなのですが、イタリアの倍くらいの量がなみなみと注がれて出てきます。日本人には安心感のある量ですが、イタリアの友人に言わせると「あれは別物!」なのだとか。本場のエスプレッソを知る彼らにとっては「あんな薄いのエスプレッソじゃない!」って……。

この違いは絶対的なものようで、車でイタリアからフランスに入った途端にカフェのエスプレッソが薄くなるという経験は数知れず……。ついでにパスタの茹で加減も柔らかめになります。
EUの統合が進み、国境が曖昧になっているなか、味覚の国境のほうは今もきっちりと残っているのがフランスとイタリアらしい!?


↑サン・ポール・ド・ヴァンスの「Le Café de la Place」。フランスのジュース「オランジーナ」のCMロケ地としても有名だと言われている、ここのエスプレッソも薄めでした。
 

■イギリスのティールーム
昨今の世界的なコーヒーブームで、紅茶の国イギリスでも都市部を中心にコーヒーを出す店が増えているのですが、やはり多いのはティールーム。アフタヌーンティーのメニューにはいろいろありますが、量もお会計も結構なものになってしまうため、ちょっと小腹を満たしたい時は「クリーム・ティー」がおすすめです!

クリーム・ティー? 名前だけ聞くとミルクティーかと思いがちですが、実はポットに入ったストレートティーとスコーン、それに苺ジャムとクロテッドクリームがついたセット。日本でもよくある「スコーンセット」のことなのです。

日本との違いはクロテッドクリームの量。クロテッドクリームはうっとりするほど濃厚(生クリームよりも高脂肪!)な、それはそれは旨い食べものなのですが、日本では高価なこともあって、こんなてんこ盛り状態(※上写真のミルクポットの奥に注目!)でテーブルに並ぶことはなかなかありません。

スコーン自体も大人の拳(こぶし)くらいあろうかというサイズ。クリーム・ティー、いろいろな意味でやばいです。僕はこれを食べる日の昼食は抜いておく、というマイルールを定めています……。

■スペインのカフェ
スペインといえば、前述のイタリアの「バール」と同じスペル(bar)の「バル」が有名ですが、スペインではお酒と小皿料理のタパスを中心とした居酒屋の意味になります。ただし、昼間にバルでコーヒー休憩できたり、かと思えば、お茶を出すcafé(カフェ)にワインやタパスのような軽食があったりもするので、境界は曖昧なよう。

スペインのコーヒーも基本的にエスプレッソです。メニューのいちばん上に書かれている「café solo(カフェ・ソロ)」を頼むと、イタリアより量多め&薄めな、これまた本家のイタリア人が顔をしかめそうな微妙なエスプレッソが出てきますが、フランスよりは気持ち濃いめで、僕はこれはこれでギリギリありだと思います。

スペイン版エスプレッソの特徴は、ミルク入りのバリエーションが多彩なこと。加えるミルクの量や温度の違いで、覚えきれないほどたくさん種類があるのです。またイスラム文化の影響なのか、中東のチャイのように、温かい飲みものをガラスのコップに入れて出す店が多いのも特徴です。

同じコーヒーでこんな違いを感じられるのも、カフェの旅の楽しみのひとつなのです。



カタルーニャ音楽堂の1階カフェ「Cafetería Foyer」にて 

後編は老舗カフェやサービスエリアのカフェなどをご紹介します。お楽しみに!

 

ノロのひとこと
「ボクもカフェを楽しんでるノダ。ボクにはおひやをください!」

*次回は6/4(日)更新予定です
illustration: Tomoyuki Okamoto

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■著者プロフィール
平松謙三(ひらまつ けんぞう)

1969年、岡山県生まれ。
2002年から現在まで、黒猫の「ノロ」と37カ国を旅し、世界の美しい風景とノロを写真に収め、書籍やカレンダーなどを通して発表している。
ふだんは八ヶ岳南麓の山小屋に暮らし、フリーで、グラフィックデザイン、WEBディレクションなどを行う。
趣味は自転車と薪作り。

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世界を旅するネコ(小社刊)
クロネコノロの飛行機便、37ヵ国へ
著者:平松謙三 写真・文

アルプス、地中海、ピラミッド……
37ヵ国を巡ったノダ。

飛行機も客室で!? 旅する猫のフォトエッセイ。

童話やアニメの話ではなく、本当に世界中を旅するネコがいます!黒猫の「ノロ」は、2002年から2016年現在まで、飼い主の平松さんと一緒に世界37ヵ国以上を旅行しました。ヨーロッパを中心にアフリカから中近東まで、美しい風景とノロの写真に、思わずほっこりする旅エピソード(猫エピソード)がぎっしり。ペットと海外旅行をするためのハウツーも満載です。加えて、アートディレクター・寄藤文平氏による装丁も光ります。

↓書籍「世界を旅するネコ」はこちらからもどうぞ!
「The Official NOROSHOP」

※誌面画像、イラストの無断転載はご遠慮ください


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宝島オンライン

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