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【医師監修】産褥(さんじょく)期の腹痛や貧血の乗り切り方と回復の方法

目次

出産を終えたママの身体が回復する期間を、産褥(さんじょく)期と呼んでいます。出産のダメージや体力は個人差がありますし、産褥期がいつまで続きおわるのかも、人によって個人差があります。腹痛や便秘、頭痛、貧血、腰痛、浮腫など地味に辛いトラブルに見舞われる時期なので、よくある症状の原因や対処法をご紹介します。

この記事の監修ドクター

産婦人科専門医高橋しづこ先生 1995年、米国オレゴン州私立Reed Collegeを卒業。1997年、東海大学医学部へ入学。同大卒業後、東京大学医学部大学院より医学博士。その後は日赤医療センターや山王メディカルセンターで非常勤医師。女医+(じょいぷらす)所属。A型・いて座。自身は39歳で第1子、41歳で第2子と、43歳で第3子高齢で出産。高齢不妊・妊娠・出産のつらさや痛みが分かるぶん、患者さんのお話にはできるだけ真摯に耳を傾けたいというのが信条。趣味はサイクリングで、通勤にもロードバイクを愛用するアクティブな一面も。

そもそも産褥期ってどの時期のこと?

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産褥期の過ごし方次第でママの心身にかかる負担に差が出ますが、最近は産褥期に仕事をしたり遊びに出かけるママが増え、トラブルも急増しています。身体の調子が良いとつい「安静にしている必要性を感じない」と飛び回りたくなるかも知れません。ただ、身体内部ではハードなダメージを負っている状態なので、完全に回復するまでは心身をしっかり休めることが大切です。

産褥記はいつまで続く?外出はいつから?

一般的に産褥期は、出産を終えてから6〜8週間までの時期が該当します。妊娠、出産で激しく変化した身体が、元の状態まで回復するまでの時期が、産褥期です。10ヶ月もの長期間、赤ちゃんをお腹で育てたママの身体には、大変な負担がかかっています。最近は在宅ワークの女性も増え、産後すぐに仕事に復帰するケースも珍しくありませんが、退院して自宅に戻っても産褥期はとにかく安静にしましょう。昔から「産後1ヶ月で床上げ」と言われますが、産褥期はしっかり休まなくてはいけません。この時期に無理をすると心身の疲労が蓄積し、後々悪い影響が及びます。最低でも1ヶ月は外出は避け、無理にでも休むようにしましょう。

悪露が出る期間が知りたい!

産褥期は安静にしていなければならない理由の1つが、悪露(おろ)があるためです。出産で胎盤が剥がれたあと、傷になっている部分からの出血が続きます。さらに子宮に溜まっていた血液や粘液、分泌物などもおりものとして、流れ出てきます。このドロドロの血液が悪露で、産後2日から3日は大量に出血します。通常のナプキンでは抑え切れないので、悪露専用のオムツ状のナプキンを使って対応します。入院中なので、病院側で用意してくれることもありますが、全部自分で準備しなければならない時はとにかく大容量タイプのナプキンを購入して下さい。子宮が回復するにつれて血の量も減っていき、色も段々薄くなっていきます。分娩から5週間ほどで出なくなるのが一般的で、悪露の終了も産褥期が終わる目安の1つになります。

会陰(えいん)の傷回復も産褥期が終わる目安?

産褥期は色々な回復ポイントをチェックしているうちに、なんとなく終わるパターンが大半です。悪露が出なくなった、と言うのも目安の1つですが、会陰(えいん)の傷の回復も産褥期終了のサインです。自然分娩では会陰への負担がかかるので、医師が会陰部をメスで切開することがあります。処置することで赤ちゃんの出口が広くなり、苦しい思いをしにくくなる、と考えられています。また、処置しないことで会陰部が裂けてしまうこともありますが、いずれにしても産後強烈な痛みに襲われます。

会陰に傷ができた場合、不衛生になりやすいので要注意ですが、大体1ヶ月もすれば痛みも治まります。「悪露も止まったし会陰も痛くなくなったから、そろそろ産褥期は終わりかな」と、1つの判断となります。

産褥期の頭痛や腰痛の原因とは

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腹痛や頭痛など、つらい症状で産褥期が長引くケースは要注意です。妊娠前に産褥期の基礎知識を頭に入れておき、間違った対処法をしないようにしましょう。

産褥期の腹痛は便秘が原因なの?

産褥期に腹痛に悩まされるママが大勢います。便秘が原因で腹痛が起こることもありますが、本当の原因は後陣痛からくるものがほとんどです。大きく膨らんだ子宮が産後収縮する時、独特の痛みが発生します。右だけ、または左側だけ痛みをうったえる方がいるなど、同じ腹痛でも痛む部分は個人差があります。いずれにしても、後陣痛による痛みは生理現象なので、耐えるしかありません。2人目以降の出産では後陣痛がきつくなる、と言われていますが、いずれにしても経産婦さんが通る道として覚悟しましょう。

後陣痛かと思ったら盲腸だった!

ただしごく稀に虫垂炎で激痛を引き起こしている場合があります。通常なら盲腸がある右下腹部が痛むのですぐに虫垂炎だと気づくことができますが、子宮が巨大化している妊娠中、産後すぐの時期は虫垂の位置も変わってしまうなど、「痛い場所がころころ変わるのはなぜ?」と混乱をまねきます。立っていられない程の痛みを感じたら、迷わずに病院を受診して下さい。

頭痛がひどいのも産褥期特有の症状?

産後の産褥期は、偏頭痛と緊張型頭痛の症状が出やすくなります。頭痛の種類によって対処法が違うので、まずはご自身の頭痛がどのタイプなのか判断が必要です。また、肩こり、睡眠不足、ストレスはどちらのタイプの頭痛にも大敵です。

偏頭痛

偏頭痛は、一旦起きると何時間も続くのが特徴で、長い時は3日間も痛みが治まらないことも珍しくありません。目の周りやこめかみが激しく痛み、気持ち悪くなって吐いてしまうほどの痛みがあります。原因はさまざまですが、脳の血管が広がると偏頭痛が起こりやすくなるほか、ホルモンバランスの変化も関与しています。産褥期は血管を収縮させるセロトニンが減るので、その結果血管が拡張されてしまい、偏頭痛を起こします。

緊張型頭痛

緊張型頭痛は血の巡りが悪化することで頭付近の神経が刺激され、痛みに繋がります。後頭部から首筋まで、頭全体がぎゅっと絞られるように痛み、倦怠感やめまいを伴うことも少なくありません。肩や首のコリが激しくなることもあるので、頭痛に加え身体の痛みによるダメージで体力を消耗させます。頭部や首、両肩の筋肉が緊張し過ぎてしまい、血流まで滞ってしまうことが原因で起こります。産後の貧血や骨盤の歪み、水分不足も緊張型頭痛の症状に拍車をかけるので、条件が重なると何週間も痛みが続く可能性があります。症状が軽ければ1時間ぐらいで楽になりますが、60分間もずっと頭痛に耐えるのはかなりの苦痛です。

耐えられないほどの腰痛の対処法

産褥期に腰が痛くならないママはいない、と断言できるほど産後の腰痛は避けられません。妊娠、出産を経た身体は骨盤の歪みが生じている状態。そこに授乳やおむつがえ、寝かしつけなどの少しずつ腰に負担をかけているのが原因です。

産後の腰痛に3つの対処法

耐えられないほどの腰痛を抱えている時は、整体で骨盤を矯正して貰うと楽になります。外出が厳しい状況でも、自宅まで出張に来てくれるサービスもあるのでチェックしてみて下さい。骨盤ベルトもおすすめです。その他、産褥体操やストレッチ、血流を促進するための冷え対策も有効な腰痛対策です。ただカイロを腰に貼って温めるだけでも随分痛みが和らぐので、試してみて下さい。

産褥期の貧血と浮腫がつらい時の対策

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貧血になりやすい産褥期は鉄分で対策

産褥期は、栄養バランスも気をつけなければいけません。出産の際、大量の出血があるため産後は貧血になりやすく、それによりに母乳の出が悪くなる恐れもあるので要注意です。

妊娠中すでに貧血症状が出ているママは、産後さらに鉄の貯蔵量が少なくなり、めまいがするほどの貧血になるケースも少なくありません。ヘモグロビン濃度が低いと血液中の酸素を十分に運べなくなり、酸欠状態に陥ってしまいます。めまいのほか、動悸や息切れ、強烈な倦怠感などの症状を伴う貧血に気をつけて下さい。睡眠不足やストレス、授乳の影響で産褥期の貧血が重症化します。

サプリや処方薬で補給

産褥期の貧血は睡眠と安静にするのが一番の対策ですが、サプリメントで鉄分を補うことで状態を軽くできます。病院でも処方して貰えるので、相談してみて下さい。普段の食事から鉄分を摂取するのが理想的ですが、産後は調理と献立作りにゆっくり時間をかけられないこともあるでしょう。栄養不足にならないようにサプリを上手に使って補いましょう。

足がパンパン!つらい浮腫のケア方法

産褥期は顔や身体がパンパンにむくんでしまい、とても人前に出る気分になれないママさんも多くいらっしゃいます。産褥期に浮腫が出やすいのは、水分バランスの崩れが原因です。妊娠中は血液量が普段の1.5倍以上も増えていますが、出産の時大量の水分が体外に流れ出てしまうため、水分バランスが崩れます。その結果、身体も必死で水分を確保しようと働きかけ症状が浮腫トラブルとしてあらわれます。

今すぐできる!浮腫の解決法

産褥期の浮腫は、軽い運動やストレッチで緩和します。身体が冷えて血流が滞っていることもあるので、お風呂や足湯などで温めることも効果的です。横になって足を高くして寝るだけでも浮腫は軽減されます。身体を動かすのがきつい時はむくみ対策用靴下を活用しましょう。

また、食生活では減塩を心がけ、浮腫解消に役立つビタミン、ミネラルもしっかり補いましょう。

まとめ

産褥期は産後6〜8週間続き、腹痛や浮腫、貧血、頭痛など様々な症状に見舞われる大変な時期です。昔から産後1ヶ月に床上げするよう言われていますが、1ヶ月間ぐらいは自宅で安静にして心身をきちんと回復させましょう。会陰の傷が痛まなくなり、悪露も出なくなれば、外出の1つの目安になります。真面目な性格のママほど周りに頼らず、自分一人で頑張ろうと無理をしてしまいがちですが、産褥期は意識して休むことが本当に大切です。


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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