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【医師取材】自閉症スペクトラム障害(広汎性発達障害)、年代別の特徴と症状は

目次

発達障害には、いくつか種類がありますが、「自閉症スペクトラム障害(ASD)」もその1つです。ここでは、自閉症スペクトラム障害の特徴や、年齢別で現れやすい症状、自閉症スペクトラム障害と広汎性発達障害の違いなどについてお話していきます。

この記事の取材先ドクター

西條クリニック西條朋行先生 新宿御苑前駅 徒歩1分にある、心療内科・精神科のクリニックです。当院では、根拠に基づいた良質の医療を提供し、患者さんの苦痛の軽減と解消をはかることのみならず、患者さんの問題を、それを内在する「環境全体の問題」と捉え、患者さんご自身について、あるいは、ご自身の環境との付き合い方について、 「前よりもはっきりわかった」「役に立つことを知った」と実感していただけるように心がけています。 http://saijo.net

自閉症スペクトラム障害(ASD)とは

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自閉症スペクトラム障害って何?広汎性発達障害と違うの?

「自閉症スペクトラム障害(ASD)」は、社会性やコミュニケーション能力などの持続的な欠陥を特徴とする発達障害の一種です。以前は、自閉症、アスペルガー症候群、特定不能の広汎性発達障害(PDD-NOS)など、同じ自閉症の仲間でも細かく分類され、その全体を「広汎性発達障害(PDD)」と総称していました。しかし、生物学的な研究からはそれぞれにオーバーラップする部分もあり、はっきりとした境界線を引くのが困難であることが分かってきました。

そこで、精神疾患の国際的な診断基準となっているアメリカ精神医学会の『DSM(Diagnostic and Statistical Manual of Mental Disorders「精神障害の診断と統計マニュアル」)の略』が大幅に改定され、2013年に公表された第5版(DSM-5)では、細かな分類をなくし、自閉症の仲間を「自閉症スペクトラム障害障害(ASD)」という診断名に統合しました。「自閉症スペクトラム障害」と「広汎性発達障害」は、ほぼ同じ概念を指します。

自閉症スペクトラム障害(ASD)がわかる年齢とは

自閉症スペクトラム障害を含め発達障害は、発達の遅れが重度であれば、1歳までに気づかれることもありますが、典型的には1〜2歳(月齢12〜24ヶ月)の間に気づかれます。

発達障害に気づくきっかけになりやすいのは、乳幼児健診です。1歳6ヶ月や3歳の乳幼児健診は、主に体や言葉の発達が順調かどうかを確認するためのものなので、ここで言葉の遅れなどを指摘され、「もしかすると発達障害かもしれない」と気づくケースが少なくありません。しかし、気づくタイミングは、子どもの状態などによって個人差があるので、中には、大人になってから判明するケースもあります。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の症状とは

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社会性・対人関係の障害

自閉症スペクトラム障害の人は、次のように、対人関係を築いたり、その場に合った行動をとったりするのが苦手なことがあります。

・感情表現が乏しい。 ・感情と表情が噛み合わない。 ・人と視線を合わせられない。 ・人に関心がなく、マイペースに行動する。 ・相手との関係性に関心がなく、誰彼かまわず話しかけてしまう。 ・受動的で、言われたことに何でも従ってしまう。

言葉の発達やコミュニケーションの問題

自閉症スペクトラム障害の人は、次のように、言葉の発達やコミュニケーションに問題があることがあります。

・言葉の発達に遅れがある。 ・オウム返しをする。 ・自分だけが一方的に話す。 ・妙に大人びた言葉遣いで話す。 ・敬語や口調が不自然。 ・会話のキャッチボールが苦手。 ・「そこ」「これ」「あれ」「こっち」など、代名詞を理解できない。 ・皮肉や冗談が通じず、言葉通りに受け取ってしまう。 ・抽象的な言葉や省略された言葉を理解できない。

興味や行動の偏り

自閉症スペクトラム障害の人は、次のように、特定の物事に強いこだわりを見せることがあります。

・毎日同じ場所で同じ時間に同じ行動をとる。 ・1つの動作を飽きずにずっと繰り返す。 ・好きなことに異様な興味や集中力を見せる。

そして、予定外の行動を求められるなど、そのこだわりを乱されると、パニックに陥って、泣きわめいたり、奇声をあげたりすることがあります。

感覚のアンバランスさ

自閉症スペクトラム障害の人は、次のように、特定の光・音・匂い・肌触りなどに過敏に反応することがあります。

・光に敏感で、木漏れ日や電飾などのチラチラ光るものを嫌がる。 ・抱っこされたり頭をなぜられたりするのを嫌がる。 ・身の回りのものの匂いを何でも嗅ぎたがる。 ・味や歯ざわりに敏感で特定のものしか食べられない。

しかし、その一方で、感覚がひどく鈍感な側面もあり、暑さや寒さに鈍感だったり、痛みをあまり感じなかったりすることがあります。

年齢で見る自閉症スペクトラム障害(ASD)の特徴

自閉症スペクトラム障害で現れる特徴は、成長過程や環境の変化などによっても変わっていきます。年代別に現れやすい特徴を見ていきましょう。

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乳幼児期の場合

・生後6ヶ月になっても目を合わせない。 ・生後10ヶ月頃になっても呼びかけに反応しない。 ・抱っこがしにくい、抱っこを嫌がる。 ・1人で放っておかれても寂しがらない。 ・あまり泣いたり、笑ったりしない。 ・言葉が出ない、話さない。 ・激しい癇癪をよく起こす。 ・決まった遊びだけを繰り返す。 ・つま先立ちで歩く。

児童期の場合

・集団になじめず、1人でいることを好む。 ・ルールを好み、臨機応変に対応できない。 ・「どのように」「なぜ」など、説明がうまくできない。

思春期の場合

・抑揚がない不自然な話し方が目立つことがある。 ・コミュニケーション能力が乏しく、人の気持をうまく汲み取れない。 ・雑談が苦手。 ・興味のあることにとことん没頭する。

成人の場合

・興味のあることにとことん没頭する。 ・会社の暗黙のルールがわからない。 ・仕事の予定や計画に臨機応変に対応できない。 ・場の空気や雰囲気が読めず、チーム内での連携がうまくできない。 ・「適当に」「いい感じに」「きちんと」など、曖昧な指示が苦手。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の原因とは

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なぜ自閉症スペクトラム障害になるのか、その原因は、今のところ、まだ詳しく解明されていません。しかし、主な原因は、先天的な脳の機能トラブルであることがわかってきています。この脳の機能トラブルは、遺伝的な要因と、さまざまな環境的要因が複雑に絡み合うことで引き起こされるというのが、現在主流となっている説です。

お子さんが自閉症スペクトラム障害だとわかると、「私の育て方が悪かったのかもしれない」と、自分を責めてしまう親御さんもいるかもしれません。しかし、生まれ持っての脳機能障害なので、親の育て方や愛情不足によって引き起こされるわけではありません。かつては、親の教育や家庭環境に原因があるとされ、自閉症スペクトラム障害の子を持つ親が責められる傾向がありました。しかし、現在では、多くの研究によって、その考えは否定されています。

自閉症スペクトラム障害(ASD)の診断基準とは

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医師による面談や観察

お子さんが自閉症スペクトラム障害かもしれないと感じたら、できるだけ早く、自治体の相談窓口や医療機関に相談しましょう。子供の自閉症スペクトラム障害は、小児神経科や児童精神科が専門になりますが、保健所や保健センター、発達障害支援センターなどの相談窓口、かかりつけの小児科医に相談すれば、必要に応じて、専門医を紹介してもらえます。

専門の医療機関では、医師が実際に子供の行動を観察したり、保護者に子供の発育歴、ふだんの様子、不安に感じている点などの質疑応答をしたり、診断基準に基づいたテストをしたりして、総合的に診断を確定させます。

DSM-5における診断基準とは

アメリカ精神医学会のDSM-5による「自閉症スペクトラム障害」の診断基準では、「A」の項目を3つすべて満たしているとともに、「B」の項目中2つ以上に当てはまるものがあることが、診断の目安となります。

A 複数の状況で社会的コミュニケーションおよび対人的相互反応における持続的な欠陥があり、現時点または病歴によって、以下により明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)。

(1)相互の対人的・情緒的関係の欠落で、例えば、対人的に異常な近づき方や通常の会話のやりとりのできないことといったものから、興味、情動、または感情を共有することの少なさ、社会的相互反応を開始したり応じたりすることができないことに及ぶ。

(2)対人的相互反応で非言語コミュニケーション行動を用いることの欠陥、例えば、まとまりの悪い言語的・非言語的コミュニケーションから、視線を合わせることと身振りの異常、または身振りの理解やその使用の欠陥、顔の表情や非言語的コミュニケーションの完全な欠陥に及ぶ。

(3)人間関係を発展させ、維持し、それを理解することの欠陥で、例えば、様々な社会的状況に合った行動に調整することの困難さから、想像上の遊びを他人と一緒にしたり友人を作ることの困難さ、または仲間に対する興味の欠如に及ぶ。

B 行動、興味、または活動の限定された反復的な様式で、現在または病歴によって、以下の少なくとも2つにより明らかになる(以下の例は一例であり、網羅したものではない)。

(1)常同的または反復的な身体の運動、物の使用、または会話(例:おもちゃを一列に並べたり物を叩いたりするなどの単調な常同運動、反響言語、独特な言い回し)。

(2)同一性への固執、習慣へのかたくななこだわり、または言語的・非言語的な儀式的行動様式(例:小さな変化に対する極度の苦痛、移行することの困難さ、柔軟性に欠ける思考様式、儀式のようなあいさつの習慣、毎日同じ道順をたどったり、同じ食物を食べたりすることへの要求)。

(3)強度または対象において異常なほど、きわめて限定され執着する興味(例:一般的ではない対象への強い愛着または没頭、過度に限定・固執した興味)。

(4)感覚刺激に対する過敏さまたは鈍感さ、または環境の感覚的側面に対する並外れた興味(例:痛みや体温に無関心のように見える、特定の音、感覚に逆の反応をする、対象を過度に嗅いだり触れたりする、光または動きを見ることに熱中する)。

C 症状は発達早期に存在していなければならない(しかし社会的要求が能力の限界を超えるまで症状は明らかにならないかもしれないし、その後の生活で学んだ対応の仕方によって隠されている場合もある)。

D その症状は、社会的、職業的、または他の重要な領域における現在の機能に臨床的に意味のある障害を引き起こしている。

E これらの障害は、知的能力障害(知的発達症)または全般的発達遅延ではうまく説明できない。知的能力障害と自閉スペクトラム症はしばしば同時に起こり、自閉スペクトラム症と知的能力障害の併存の診断を下すためには、社会的コミュニケーションが全般的な発達の水準から期待されるものより下回っていなければならない。

まとめ

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自閉症スペクトラム障害の子どもが周囲の理解が得られないまま育つと、劣等感に苛まれたり、過度なストレスでうつになったり、不登校や引きこもりになったりするなど、二次的な問題が引き起こされることがあります。

早い段階から子どもの特性を理解できれば、その特性に合った適切な支援が行いやすくなり、子どもにかかるストレスが減って、このような二次的な問題が起こるリスクが減らせます。「もしかして、うちの子は自閉症スペクトラム障害」かもしれないと思うと、ショックを受ける親御さんもいるかもしれませんが、必要な対応をしていくためにも、できるだけ早く相談窓口などに相談するようにしましょう。


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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