妊娠しやすい体をつくるには、女性ホルモンがバランスよく分泌されていなければなりません。そこで、女性ホルモンの分泌をサポートするとされているサプリメントの選び方をご紹介します。妊活に使われているサプリメントに期待できる働きを知っておきましょう。サプリメントを使用する際の注意点もお伝えします。
この記事の監修ドクター
むさしのレディースクリニック院長大田昌治先生 武蔵境駅北口より徒歩2分の助産師がいる産科・婦人科クリニックです。 いつも患者様に寄り添っていける産婦人科のかかりつけ医でありたいと思っています。女性のトータルライフをサポートしていきます。 http://musashino-ladies.jp
女性ホルモンの調節におすすめのサプリメント
女性ホルモンの豆知識
女性が妊娠・出産できるのは女性ホルモンの働きのおかげです。脳の指令を受けて卵巣でつくられるエストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモン)がバランスよく分泌されることによって生理が周期的に訪れるなどして妊娠に備えた体がつくられ、妊娠後にも胎児を守るなど妊娠や出産に欠かせない役割を担っているのです。
ですから、妊娠しやすい体をつくるためにはサプリメントを摂取して女性ホルモンの分泌をサポートするのもひとつの方法です。
女性ホルモンと似た作用のある「イソフラボン」
大豆に含まれているイソフラボンは、女性ホルモンと似たような働きをすることがわかっています。イソフラボンを摂取すると、女性ホルモンの減少が原因で起こる更年期障害の症状がやわらいだという調査結果の報告もあります。 ただし、イソフラボンをとり過ぎるとホルモンバランスを崩すおそれもあるので、食品安全委員会では1日30mgを上限として摂取するよう定めています。
女性ホルモンのもとになる「DHEA」
日本では医薬品として扱われているので市販されていませんが、女性ホルモンを補う働きをしていると考えられているDHEAも注目されています。 しかし、DHEAは男性ホルモンのもとでもあるので、ニキビができる、ひげが濃くなるといった副作用があらわれる可能性があります。
人気のサプリ「マカ」の効果とは
滋養強壮サプリメントとして知られているマカはアミノ酸やビタミン、ミネラルといった栄養素がバランスよく含まれているので、不妊対策としても使われています。女性ホルモンであるエストロゲンと同じような働きをするともいわれていますが、マカの摂取で卵子の質が悪くなる人もいるという報告もあるのでとり過ぎには気をつけましょう。
妊活にサプリメントを使う際の5つの注意点
まずは医師に相談を
女性ホルモンはエストロゲンとプロゲステロンの微妙なバランスを保つのが重要です。よかれと思って摂取したサプリメントで、かえってホルモンバランスを崩してしまうおそれもあります。 ネットの口コミ情報などだけを参考にして判断せずに、自分に適したサプリメントを摂取できるように医師に相談しましょう。
絶対に妊娠するサプリメントは存在しない
妊活におすすめとうたっているサプリメントは数多く出回っていますが、「これを飲めば絶対に妊娠できる」というものはひとつもありません。サプリメントは、妊娠しやすい健康な体をめざすためのサポートとして活用しましょう。
薬局などで市販されているサプリは表示をチェック
サプリメントには体にいい成分だけではなく、添加物も含まれています。なかには色や香りをつけるためだけの添加物もあるので、原材料名をチェックしてから購入するようにしましょう。
サプリメントの適量を守る
パッケージには摂取量の目安が記載されているはずです。サプリメントは適量を守って摂取しないと体に悪影響をもたらすリスクがあるので、決められた量は必ず守るようにしてください。 外国産のサプリメントは、日本国内で定められている摂取量の基準とは無関係につくられています。
サプリメントだけに頼らない
必要な栄養素がギュッと詰まったサプリメントは手軽で便利ですが、栄養は食事から摂取するのが基本です。サプリメントを飲んでいるからと安心して、食生活がおざなりになっては意味がありません。栄養バランスのとれた食事のほか、適度な運動や十分な睡眠も欠かさないようにしましょう。
まとめ
女性ホルモンのバランスを整えるために効果が期待できるサプリメントとして「イソフラボン」や「DHEA」「マカ」があげられます。しかし、このようなサプリメントはあくまでも補助的に使用するものです。過剰に摂取すると逆効果になるおそれもあります。 栄養を考えた食事を心がけて健康的な生活を送りつつ、必要に応じて医師の指示を受けながらサプリメントを上手にとり入れていきましょう。