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【医師監修】妊婦さんに多い浮腫(むく)みのおもな原因と対処法

目次

妊娠中はさまざまな原因で体が浮腫みやすくなりがちです。しかも、中には浮腫みの裏に病気が隠れていて、医師に相談が必要なことも。浮腫みの原因を正しく知って、病気が原因の浮腫みを見分けるポイントを抑えておきましょう。

この記事の監修ドクター 産婦人科医太田寛先生 アルテミスウィメンズホスピタル産婦人科(東京都東久留米市)勤務。京都大学電気工学科卒業、日本航空羽田整備工場勤務。東京医科歯科大学卒業後、茅ヶ崎徳洲会総合病院、日本赤十字社医療センター、北里大学医学部公衆衛生学助教、瀬戸病院を経て現在に至る。日本産科婦人科学会専門医、日本医師会認定産業医、医学博士、インフェクションコントロールドクターICD)、女性のヘルスケアアドバイザー、航空級無線通信士

妊娠中に起こる浮腫みの原因

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妊娠中の浮腫みは大きく2つに分けられる

一般的な浮腫みの場合

浮腫みとは体内に水分がたまり、腫れた状態のことをいいます。腫れるといっても痛みはありません。しかし浮腫んだ部位を押すと跡がついたり、体重が増えたりします。

女性は黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響で、妊娠していない時でも排卵から生理までの間はとくに浮腫みやすい状態になります。そして、妊娠すると出産までの間にこの黄体ホルモンの分泌量は右肩上がりで増えるため、さらに浮腫みやすくなります。特に妊娠中期から後期にかけては体内の血液の量が増加することから、浮腫みやすさが増します。 不快感はあるものの、日常生活に影響がない程度の浮腫みであれば、健康な妊婦さんの約8割に起こるといわれています[*1] 。

病気が原因の場合

ただし、あまり多くはありませんが、中には病気が原因となって浮腫みが生じることもあります。妊娠中に重篤な浮腫みを引き起こす病気には、以下のようなものがあります。

・深部静脈血栓症(DVT) ・妊娠高血圧症候群(HDP) ・蜂窩織炎

深部静脈血栓症(DVT)は、体の深いところ(深部)にある静脈に血栓ができる病気です。おもに脚に発症し、脚全体が膨張したり、痛みやひどい浮腫みが生じたりします。妊娠中は出産時に胎盤がはがれることによる出血に備えるため、血液の凝固を助けるたんぱく質が体内で多く作られるほか、静脈の血流が滞りやすくなることから血栓ができやすくなり、DVTを発症するリスクが高まります。

妊娠高血圧症候群(HDP)は、病気のために水分が血管の外に漏れだし、下半身だけではなく、顔や手足など全身が浮腫みます。重症化すると肺に浮腫みが出て呼吸がうまくできなくなったり(肺水腫)、腎臓や肝臓などが障害されたりします。

蜂窩織炎(ほうかしきえん)は皮膚への細菌感染が原因の病気で、患部は熱をもって赤く腫れ、浮腫んだような状態になります。

いずれもあまり多く見られる病気ではありませんが、もしもかかってしまうと、重篤になる可能性もある病気です。上記のような症状が見られたら、すぐにかかりつけの産婦人科医に相談しましょう。そのほか、注意が必要な浮腫みについては「こんな浮腫みは要注意」の項にまとめています。

妊娠中の浮腫みの対処法

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一般的な浮腫みの対処法

生理現象による一般的な浮腫みの場合、特に心配はなく、日常生活のちょっとした工夫や食事面の注意で予防や緩和が可能です。 たとえば、以下のようなことを行ってみるとよいでしょう。

・寝るときに足を少し高くする ・十分な睡眠時間を取る ・リンパマッサージをする ・弾性ストッキングを着用する ・ウォーキングや軽い運動を行う ・足浴をする ・血流を妨げない、ゆったりとした服装をする

また食事面ではカリウムやビタミンB1、カルシウムといった栄養素が極端に不足すると、浮腫みを生じやすくなります。特にカリウムは、体内に残った過剰なナトリウム(塩分)を尿として排泄する手助けをしてくれます。カリウムはバナナなどの果物に多く含まれます。

病気が原因の浮腫みの対処法

病気が原因で浮腫みが生じている場合は、原因となる病気の治療を行います。 深部静脈血栓症であれば抗凝固薬や血栓溶解薬などの薬で、血栓ができるのを抑えます。蜂窩織炎の場合は、抗菌薬による治療を迅速に行って、細菌感染が広がるのを防ぎます。 妊娠高血圧腎症では、血圧を下げる薬やけいれん発作(子癇)を予防する薬による治療のほか、医師の指示のもと安静にしたり、食事制限などを行ったりして、症状を和らげます。

なお、妊娠高血圧症候群での食事制限は、必ず医師の指示のもと行うことが重要です。自己判断で過剰な食塩や水分の制限などを行うと、かえって病気が悪化してしまうことがあります。

いずれにせよ病気が原因の浮腫みでは、自己対処は禁物です。主治医の話をよく聞き、理解した上で指示に従いましょう。

こんな浮腫みは要注意

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なお、脚に浮腫みがみられる妊婦さんで、以下の症状もみられる場合はとくに注意が必要です。す ぐにかかりつけの産婦人科を受診しましょう。

・血圧が高い(140/90mmHg以上) ・片方の脚にだけ浮腫みがあり、赤みや痛みまたは発熱がある ・手や顔にまで浮腫みが生じている ・浮腫みが急激に悪化した ・呼吸困難、震え、けいれん、急な腹痛や頭痛などの症状もある

まとめ

妊娠中は多くの人が浮腫みやすい状態になります。これはほとんどが生理的な変化で心配のいらないものでが、ときに病気が原因となっている場合もあります。「おかしいな」と感じたら、健診の際や電話で、かかりつけの医療機関に相談することをおすすめします。もしも病気が原因であっても、早めに治療ができれば妊婦さんの体や赤ちゃんへの影響を抑えやすくなります。

(文:山本尚恵/監修:太田寛先生)

※画像はイメージです


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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