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【医師監修】産後のぽっこりお腹、いつもどるの? 運動してもいい?

目次

出産という一大事を終えた女性の体は疲労困ぱいの状態ですが、産後どのように回復していくのでしょうか。健康的にボディメイクするなら、どのような注意が必要でしょう?そもそも産後のぽっこりお腹はどんな状態であるのかと、産後も取り組める体操について紹介します。

この記事の執筆・監修ドクター 松峯美貴先生 医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。 http://www.toho-clinic.or.jp/

出産直後は「まだ大きいお腹」!?

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出産後、体が妊娠以前の状態にもどるまでの期間は「産褥期(さんじょくき)」と呼ばれます。この期間、体型や体調の回復のために運動は必要でしょうか?

たるみを直したいから、産後すぐに運動していい?

臨月のころのお腹を思い出せば、産後、お腹周りの皮膚がたるんでいるのも納得するところです。ただ、仕方がないこととはいえ、自分のお腹がたるんでいるところはあまり見たくないもの。なるべく早くたるみを解消するために、シェイプアップの運動をすることが頭をよぎるかもしれません。

しかし、「産後すぐに」お腹のたるみを運動によって引き締めようとするのはちょっと待って!そもそも、このお腹のたるみは赤ちゃんがいた子宮が妊娠中に大きくなるにつれて徐々に皮膚が伸びた結果。出産によってある程度縮小するとはいえ、産後の子宮はまだ回復途中です。

子宮が回復することを「子宮復古(しきゅうふっこ)」といいますが(次項でくわしく紹介します)、それにともなって皮膚も回復していきます。個人差はありますがこれには大体6 〜8週間はかかるとされています。

子宮復古以外にも、出産という一大イベントを終え、ママの体の中が激変しているこの時期には、産褥乳腺炎、産褥熱、マタニティブルーズや産後うつ病といったメンタル不調、血栓性静脈炎などの異常がとくに起こりやすいものです。産後すぐは、体も心もできるだけ無理しないことがとても大切な時期。お腹のたるみを解消しようと焦らないことが重要です。

自然な「子宮復古」と運動の関係は?

子宮が回復することである「子宮復古」は、大体次のようなペースで進みます[*1]。

・産後2、3日

子宮の大きさは拳2つ分程度(重さは約1,000g)。子宮の内部では胎盤や卵膜などが剥がれた部分から出血している(この血液が悪露<おろ>となって体外に出る)。子宮口はやや開いている(2指分程度)。

・1週間後

子宮の大きさは拳1つ分程度(重さ約500g)まで縮小する。胎盤や卵膜などが剥がれた部分からの出血も続いている。子宮口はまだ開いている(1指分程度)。

・2、3週間後

子宮はさらに小さくなり(重さ約300g)、内側では子宮内膜が再生し始める。内側からの出血はほぼ止まり、悪露は白血球が主体の淡黄色に変化する。子宮口は人によりわずかに開いている場合も。

・4週間後

子宮は約100gにまで縮小。内面の傷からは白血球も減り、子宮からの分泌液(白色)が出るようになる。子宮口は大体閉鎖する。

・6週間後

子宮はさらに縮小して鶏卵大となり、非妊娠時の大きさにもどる(重さは約70g)。悪露も消失する。

一般的に上記のようなペースで進む「子宮復古」ですが、これを妨げるものに「母体の疲労」があげられる一方、「過度の安静」もあげられます。つまり、疲労回復のための休養が十分に必要で、過度な運動は避けるべきですが、かといって、安静にし過ぎるのもよくないのです。

経腟分娩で、退院後、とくに体調が悪くはなく、主治医からも特別な安静を促されていない場合は、徐々に起きる時間を増やし、家事や育児などをする中で体を動かしていきましょう。帝王切開の場合や、出産時に何か異常があった場合は、産後いつから体を動かして良いか、主治医に相談しておきましょう。

「こまめに休みをとりながら、赤ちゃんも加わった生活のリズムをつくっていくことが、健やかな体調を維持するために大切です。この時期は暮らしの中での活動で十分な運動になります。くれぐれも無理はしないでください」(松峯先生)

産後3ヶ月は心身の回復と愛の時間

産褥期と呼ばれる期間は産後6~8週にあたります[*2]。激しい運動はNGのこの時期ですが、ではどのように過ごすとよいでしょうか。

出産後の心と体をいたわる時間&ケア

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先に「子宮復古」には大体6週間かかることを紹介しましたが、妊娠・出産には生殖器以外もさまざまな臓器とその機能が関係していて、それらの中には回復にもう少し時間がかかるものもあります。

たとえば女性ホルモンの分泌など内分泌系の機能も、エストロゲンやプロゲステロンなどは産後約1週間で非妊娠時の状態にもどりますが、卵胞刺激ホルモンや黄体形成ホルモンなどは大体8週間かかるとされます。

そして分かりやすい変化の一つである体重も、分娩で大きく減少した後、さらに2〜4ヶ月かけて非妊娠時の状態にもどっていくのが一般的です[*1]。 そこでなるべくなら3ヶ月、せめて産褥期は心身の回復を第一に考えた生活をするのが産後にコンディションを整えていくコツです。

「十分に休養をとりながら、赤ちゃんとゆっくりコミュニケーションをとり、家族の愛情を深め合いましょう。多くの場合、特別なケアを考えなくても、母子の愛着が増すような、穏やかな生活をしていると養生できます。

ただし、出産後の回復には個人差があり、医療的なケアが必要になる場合もあります。健康上の不安や発熱、下腹部痛、腟から鮮血のような出血があったときは、健診時期を待たずに産科に連絡をして、主治医に状況を伝え、指示をもらいましょう」(松峯先生)

美容的なことは次のステップで!

体型回復のためのダイエットを目的に、産後、食事や水分をとる量を控えるのもよくありません。出産後の体の回復を妨げる可能性があるうえ、授乳中の極端な食事制限は母乳の成分に影響することがあります。 おっぱいで栄養をとっている赤ちゃんの健やかな発育のためにも、バランスのいい食生活を心がけましょう。 体型など美容的な回復は十分に体調がもどった後、次の段階に先送りして、まず自分の心身をいたわる時間を過ごしてください。

産褥体操とは?

産後に激しい運動をしてはいけませんが、産褥期に適した運動としていくつかできることがあります。必ずやらなければならない運動ではないので、疲労感がなく、やってみたいと思うときだけでも、次に紹介するような運動を無理のない範囲で試してみましょう。

※産褥体操の進め方の注意 医師に運動を止められている人は、医師の指示に従ってください。帝王切開を行った場合や、出産時に何か異常があった場合も、必ず医師の許可を受けてから開始しましょう。

産後、時期によって取り入れたい運動 [*3]

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産後1、2週間

・寝たまま腹式呼吸 口から息を吐きながらお腹をへこませ、鼻から息を吸いながらお腹を膨らます(ゆっくり繰り返す)

・寝たまま足首回し 足首を回し、つま先で大きな円を描く

・寝たまま頭起こし 頭だけを枕から持ち上げる(自然な呼吸をしながら、ゆっくり繰り返す)

・寝たまま屈伸 両膝を立て、片足ずつ膝の高さを変えずに、膝を伸ばす(交互にゆっくり繰り返す)

その後、1ヶ月健診まで

・母乳体操 1. 拳を胸の前に、肘を上げ、肘で脇を軽くたたく 2. 肩に手を置き、肘で胸を下からすくい上げるように回し、肩甲骨を動かす(寄せる) 3. 肩に手を置き、腕を後ろから前に大きく回し、前で両肘を近づけて胸をすぼめる

・腕のストレッチ 正座をして、指先を膝側に向けて前に手をつき、腕を伸ばす

・腰回し 肩幅程度、足を開いて立ち、手で腰を支えて、左右に腰を回す

1ヶ月健診〜産後3ヶ月

・全身の緊張と脱力 1. 仰向けに寝て、息を吐きながら全身を緊張させ、お腹をへこませる 2. 大きく息を吸い、再び息を吐きながら全身の緊張をゆるめてリラックスする

・骨盤底筋体操(ケーゲル体操)※1ヶ月健診で問題がなかったら 1. 台所のシンクの縁やテーブル、背もたれのあるイスなどにつかまり、つかまった手に体重を預けて立つ(足幅、手の幅は肩幅程度にし、背筋を伸ばして、視線は正面へ) 2. 肩や腕、お腹の力は抜いて、肛門や尿道・腟だけを3〜5秒間強くしめ、次いでゆっくりゆるめる(10回繰り返す。10回を1セットとし、しばらく時間を置いて、もう2セット/日行う)

産後3ヶ月以降

・添い寝体操 赤ちゃんに添い、真横に寝て、下の足を少し曲げて体を安定させる。上の足を伸ばし、ゆっくり上げ下ろす(上の足のかかとを天井に向ける)

まとめ

産褥期といわれる産後6~8週はゆっくり体を休め、まずは回復のために心と体をいたわる生活をすることが大切です。栄養と睡眠を十分にとり、心身共にできるだけ負担をかけないように過ごしましょう。そして何か健康上の不安が生じた場合は、遠慮せず主治医に連絡をとるようにしましょう。

(文・構成:下平貴子/日本医療企画、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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