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【医師監修】妊娠中に水疱瘡にかかったらどうなるの? 大人の水疱瘡症状と胎児・新生児への影響、予防方法

目次

かゆい発疹が現れて3~4日でかさぶたになる水疱瘡。子供に多い病気ですが、大人がかかると子供より症状が重くなることがあります。特に妊婦さんが感染すると、赤ちゃんに影響があることも。妊婦さんに知っておいてほしい水疱瘡の知識を紹介します。

この記事の監修ドクター 産婦人科医・医学博士宋美玄先生 大阪大学医学部医学科卒業。丸の内の森レディースクリニックの院長として周産期医療、女性医療に従事する傍ら、テレビ、書籍、雑誌などで情報発信を行う。主な著書に、ベストセラーとなった「女医が教える本当に気持ちいいセックス」がある。また、「とくダネ!」に木曜コメンテーターとして出演中。一般社団法人ウィメンズヘルスリテラシー協会代表理事

水疱瘡(水痘、水ぼうそう)ってどんな病気?

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みずぼうそう?すいとう?水疱瘡の症状

水疱瘡(水ぼうそう)は、水痘帯状疱疹ウイルスが感染しておこる病気で、かゆみのある発疹が時間とともに水疱に変わるのが特徴的な感染症です。ウイルスの名称にある「水痘(すいとう)」とは水疱瘡の医学用語で、「帯状疱疹」は後ほど解説しますが、水疱瘡が治り長期間経ったあとに起こる、痛みを伴う発疹のことです。 主に9歳以下[*1]の子供の間で流行する病気ですが、抗体のない大人が感染することもあります。特に妊婦さんが感染した場合は赤ちゃんに影響が現れることがあります。

流行は冬から初夏にかけて。以前は年間100万人が水疱瘡に!

水疱瘡は毎年12〜7月に流行し、8月以降は減るという季節性があります[*2]。 国内では近年まで年間約100万人が水疱瘡を発症し、約4,000人が入院治療を受け、亡くなる方も20人ほどいたと推定されていますが[*2]、2014年10月から水疱瘡の予防接種が定期接種になったことで(対象年齢は、1歳の誕生日の前日から3歳の誕生日の前日まで。 接種回数は2回)、全体に占める子供の患者割合は大幅に減ったと報告されています。

非常に強い、水疱瘡の感染力!感染経路は?

水痘帯状疱疹ウイルス(以下、水疱瘡ウイルスと省略します)は感染力が強く、空気感染するほか、飛沫感染、接触感染でも他人に感染します。このうち飛沫感染とは、咳やくしゃみ、会話などによって口から飛ぶ病原体(ウイルス)が含まれた水分を吸い込んで感染することです。 飛沫感染だけなら感染する範囲は飛沫が飛ぶ距離(おおむね2メートル)に限られるのですが、水疱瘡は同じ空間(部屋や教室など)にいるだけで感染する可能性があります(空気感染)。 また接触感染とは、ウイルスが手などに付着したまま口や鼻に触れることで感染する経路のことです。具体的には、幼稚園や学校で水疱瘡にかかった子供がウイルスを持ち帰り、家庭で感染が広がることがよくあります。 これらの経路による他人への感染は、水疱瘡の症状が現れる2日ほど前から始まり、発疹にかさぶたができるまで続きます。

水疱瘡の潜伏期間はどのくらい?

水疱瘡ウイルスに感染してから症状が現れるまでには、10日~3週間ほどの潜伏期間があります[*3]。初めて感染した人では発症率が80%に及び、感染したのに明らかな症状が現れない人(不顕性感染)は少ないとされています[*4]。

水疱瘡、大人がかかるとどうなる?

大人が水疱瘡にかかると、重症化しやすい

水疱瘡にかかるとかゆみのある赤い発疹が全身に現れ、その発疹は小さな水疱に変わり、3~4日するとかさぶたが作られます[*5]。大人の場合は発疹が現れる前に発熱が続くことがありますが、子供の場合は通常いきなり発疹が出て感染に気付きます。 水疱瘡はほとんどの人が子供のころに感染するので大人では免疫を持っている人が多いのですが、大人になってから感染すると重症化しやすいと言われています。

水疱瘡ウイルスは帯状疱疹を引き起こす

水疱瘡ウイルスは水疱瘡が治った後も神経の奥深い所に長年、住み続けます。そして体力が弱くなった時などに再びウイルスが活性化することがあり、その結果、帯状疱疹を引き起こします。 帯状疱疹は神経の分布にそって現れ、からだの左右どちらか一方だけに広がる痛みを伴う発疹です。1週間程度で治ることが多いのですが、発疹が引いたあとも痛みだけが数カ月以上続くこともあります。また、発疹ができずに痛みだけが現れることもあります。

妊婦さんが水疱瘡に感染したら……感染リスクと対処

妊婦さんの水疱瘡感染。出産前後にも要注意!

妊婦さんの90~95%は水疱瘡の免疫があると以前は言われていましたが、最近、その割合が低下しているとも言われています[*6、7]。 また、妊婦さんが水疱瘡に初感染することはまれと言われていますが、感染した場合は、肺炎などの合併症が子供よりも起こりやすいことが知られています。 また、妊娠中に水疱瘡に感染すると、お腹の赤ちゃんに感染することがあります。

赤ちゃんへの影響は?

妊娠初期に水疱瘡にかかると、流産を引き起こす危険のあることが知られています。妊娠中期以降の感染では、赤ちゃんに皮膚の瘢痕や神経、眼球、手足や指の異常などが出る「先天性水痘症候群」と呼ばれる先天異常が現れる危険があります。 また、出産前21日以降に水疱瘡にかかると、生まれた赤ちゃんが水疱瘡になることがあります。特に注意が必要なのは、出産前5日~出産後2日の間にお母さんが水疱瘡にかかった場合です[*6]。出産前5日より以前にかかっていればお母さんの免疫が赤ちゃんに移行するため、赤ちゃんが発症しても軽症で済むことが多いのに対し、出産直前~直後の数日間に発症した場合はお母さんの免疫が赤ちゃんに伝わらず、重症化しやすいからです。 このほか、妊娠13~36週に水痘に罹患した場合には、生まれた赤ちゃんが乳児期になってから帯状疱疹を発症することがあります[*6]。 なお、妊娠中に水疱瘡ではなく、帯状疱疹にかかった場合(つまり初めての感染ではない場合)は赤ちゃんへの影響はあまり心配いりません。

妊娠中に水疱瘡になったらどうする?治療、対処方法は?

水疱瘡ウイルスに対しては抗ウイルス薬があり、妊娠中であっても妊婦さん自身はそれによって治療できます。この薬による赤ちゃんの発育への悪影響はあまり報告されておらず、お母さんの重症化、赤ちゃんへの感染を抗ウイルス薬で防いだほうが良いと考えられています。 妊婦さんが水疱瘡の患者さんに接触したことなどにより感染が心配される場合は、妊婦さんの発症予防や、発症しても重症化しないようにするため、ガンマグロブリン(免疫力を高める薬)を予防的に使うこともあります。 また、生まれる赤ちゃんに水疱瘡が感染すると重症化しやすい分娩前5日~分娩後2日に妊婦さんが水疱瘡にかかった場合には、子宮の収縮を抑える薬によって妊娠期間を延長し、お母さんの胎内で免疫が作られ赤ちゃんに移行するのを待ってから出産する方法も検討されます。さらに生まれた赤ちゃんに対して水疱瘡の発症と重症化を防ぐために、ガンマグロブリンや抗ウイルス薬を予防的に使うこともあります。

水疱瘡から赤ちゃんを守るためにできること

妊娠中も受けられる?水疱瘡の予防接種とその時期

水疱瘡予防のためのワクチンは、ウイルスの病原性を弱めた「生ワクチン」で、理論的には胎児に移行する可能性が考えられるため、妊娠中は予防接種を受けることができません。妊娠する前に接種しておくことが大切です。また、接種後2、3カ月間は避妊する必要があります[*7]。 なお、最初に紹介したように2014年10月からは水疱瘡の予防接種が定期接種(公費により原則的にすべての人が受ける予防接種)化されていて、だいたい1~3歳の間に2回接種します。ワクチンの発症予防効果は85%ほどと言われ完全ではありませんが、重症化は100%予防できると言われています[*4]。

妊婦健診での水疱瘡の抗体検査はある?

水疱瘡の抗体検査は、一般的な妊婦健診では行われていません。ですから妊娠する前や妊娠を考えている時期に検査を受け、抗体がないとわかったら予防接種を受けておくようにしましょう。 なお、水疱瘡は一度かかると免疫ができ、再感染はしないことが多いです。

日常生活でできる水疱瘡予防法

水疱瘡の最も効果的な予防方法は、予防接種を受けておくことですが、子供の頃に水疱瘡にかかったことのない妊婦さんで妊娠前に予防接種を受けなかった人は、水疱瘡が流行っている地域では、外出を控えるようにしましょう。 水疱瘡が流行すると、国立感染症研究所や自治体のホームページに、その状況が掲載されるので、地域で流行しているかどうか確認することができます。 また、感染症予防のための一般的な注意として、マスクや手洗いはしっかりと行うようにしましょう。

国立感染症研究所「水痘」 https://www.niid.go.jp/niid/ja/diseases/sa/varicella.html 各地の感染症情報(地方感染症情報センター一覧)/東京都感染症情報センターサイト内 http://idsc.tokyo-eiken.go.jp/klink/

まとめ

水疱瘡は子供の間で流行する病気ですが、予防接種が2014年に定期接種化されてから、子供の患者数は減ってきています。ただし子供の頃に水疱瘡にかかったことがなく、免疫を持たない大人も一定数存在し、若者世代の15~20%は水疱瘡の免疫を持っていないというデータもあります。妊娠中に水疱瘡にかかると妊婦さん自身が重症化したり、赤ちゃんに影響が現れる可能性があるため、妊娠前に予防接種を受けておくことが大切です。

(文:久保秀実、監修:宋美玄先生)


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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