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【医師監修】赤ちゃんが高熱に!4つのケース別対処法

目次

赤ちゃんが高熱を出すと、何か重い病気ではないかと心配になりますね。ただ、赤ちゃんの発熱は珍しいことではなく、急に熱が上がることも多いもの。あらかじめ熱が出た場合の対処法を知っておき、症状に合わせて適切に対処してあげましょう。

この記事の監修ドクター 佐久総合病院佐久医療センター・小児科医長坂本昌彦 先生 2004年名古屋大学医学部卒。愛知県、福島県、タイ・マヒドン大学、ネパールの医療機関等、国内外での小児科医勤務を経て14年より現職。専門は小児救急、国際保健(渡航医学)。日本小児科学会(小児救急委員、健やか親子21委員)、日本小児救急医学会、日本国際保健医療学会、日本国際小児保健学会所属。小児科学会専門医、熱帯医学ディプロマ。保護者の啓発と救急外来の負担軽減を目的とした「教えて!ドクター」 プロジェクトの責任者も務める。

赤ちゃんが38℃以上の熱を出すのはよくあること?

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赤ちゃんや子供はよく熱を出すといわれますが、それはなぜなのでしょうか。

赤ちゃんはもともと平熱が高め

赤ちゃんは生まれて1ヶ月ほどは体温が高めで、生後3〜4ヶ月以降に少しずつ下がっていきます。それでも乳幼児は年長児よりも0.5°Cくらい体温が高く、平熱が37°Cを超えることも珍しくありません。

大人にとってはずいぶん辛い38℃の体温も、赤ちゃんにとっては平熱より1℃ほど高いだけ、ということもあります。

ですから、元気な時に体温を測り、その子の平熱を把握しておくことも大切です。体温は1日の中でも上下するので、朝の起床後とお昼ごろ、夕方、寝る前の4回測っておきます。1日だけでなく、日を置いて数回測りましょう。平熱がわかったら、母子健康手帳などに記録しておくと予防接種を受けるときなどの参考になります。

「熱が出る」とは何度℃以上のこと?

日本の感染症法では37.5℃以上で発熱と定められています[*1]。平熱と比べて判断するという考え方もあり、平熱より1℃以上高いと発熱とすることもありますが、医学的には38℃以上を発熱と考えることが多いようです。

赤ちゃんは体が小さく体温調節機能が未熟なため、周りの温度の影響を受けやすいです。室温が高い(低い)、厚着(薄着)など些細なことで体温が上下します。体温が上がったときは、まず暑すぎる、または寒すぎる環境ではないかチェックしましょう。

発熱は病源体から体を守る仕組み

そもそも発熱は、ウイルスや細菌などの病原体から体を守るための反応。発熱することで白血球の機能が高まり、抗体を作ることが促され、病原体と戦う力が高まります。

小さな子供の発熱はよくあることで、39℃を超えることも珍しくありません。熱が出ると心配になりますが、熱の高さと病気の重症度は必ずしも比例しないもの。熱だけが原因で脳に障害が起こることはなく、熱が出たからといって、解熱剤を使って急いで下げる必要はないのです。なお、生後6ヶ月未満の赤ちゃんには原則的に解熱剤は使われません[*2]。

発熱したとき、いつ受診するかの目安

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熱の高さと病気の重さは必ずしも関係しませんが、ほかの症状も伴うときは注意が必要なことも。赤ちゃんの様子をよく見て判断しましょう。

すぐに受診

生後3ヶ月未満の赤ちゃんで38℃以上の発熱があるときは、夜間や休日でもすぐに受診しましょう。また、月齢、年齢に関わらず熱に加えて下記の様子が見られるときはすぐに受診を。

・ぐったりしていて顔色が悪い ・呼びかけてもぼんやりとしている ・何度も嘔吐する ・水分が摂れず、半日以上尿が出ない ・初めてけいれんをしたとき

診療時間内に受診

元気があり、水分も摂れているなら、緊急に受診する必要はないでしょう。夜間であれば翌日の診療時間に、週末であれば週明けに受診しましょう。

朝に熱が下がっても、午後からまた上がることもよくあるものです。午前中に受診しておきましょう。

ただし、熱のほかに辛い症状がなく元気な場合でも、発熱が3〜4日続いていたらかかりつけの小児科を受診してください。

判断に迷うときは

夜間や休日に急いで受診すべきか迷うときは、小児救急電話相談の利用をおすすめします。全国同一の短縮番号#8000をプッシュすると、お住まいの都道府県の窓口に自動転送されるようになっています。実施時間帯は自治体によって異なるので、あらかじめ確認を[*3]。

赤ちゃんが熱を出すときの原因

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発熱の原因のほとんどは感染症です。かかりやすい感染症と、それ以外の熱の原因を見ていきましょう。

赤ちゃんがかかりやすい感染症

・感染性胃腸炎 発熱、嘔吐、下痢の3つが揃えば、感染性胃腸炎の可能性が高くなります。主に突然の嘔吐からはじまり、続いて下痢を起こします。子供の間では主にロタウイルス、ノロウイルス、アデノウイルス等のウイルスが原因となることが多いです[*4]。

・中耳炎 3歳以下の子供がかかりやすい耳の病気。中耳に入ったウイルスや細菌が増えて炎症を起こし、耳が痛い、発熱、耳だれなどの症状がでます。赤ちゃんや幼児では機嫌が悪くなる、ぐずる、耳をさわるといった様子がみられることも。

・突発性発疹 突然の高熱と発疹が特徴。38℃以上の発熱が3日間ほど続き、解熱すると体や顔に鮮紅色の発疹が出ます。発疹にかゆみはなく、数日で消えて跡も残りません[*4]。生後6~7ヶ月以降、生まれて初めての発熱の原因であることも多いですが、最近では1歳を過ぎてからかかることも少なくありません。

・RSウイルス感染症 RSウイルスによる呼吸器の感染症。症状は軽い風邪のようなものから重い肺炎まで様々。初めて感染した場合は重症化しやすく、特に生後数週間から数ヶ月の間に初めて感染すると、呼吸を止めてしまうような重い発作を起こすこともあります。

・インフルエンザ 赤ちゃんが特にかかりやすい訳ではありませんが、かかると症状が重くなることがある感染症です。突然の高熱、頭痛、関節痛、 筋肉痛など全身の症状が強いのが特徴。喉の痛みや鼻水、咳なども見られます。さらに気管支炎、肺炎を起こすこともあります。子どもの場合は中耳炎、熱性けいれんなどを併発したり、脳炎・脳症の原因になることもあります。

・ヘルパンギーナ 急性のウイルス性咽頭炎で、発熱と口の中にあらわれる発疹が特徴。毎年夏になると乳幼児を中心に流行します。口の中が痛くて不機嫌になったり、母乳やミルクを飲めなくなり脱水症などを起こすことがあります。

その他の原因

このほか、気管支炎や肺炎、尿路感染症なども赤ちゃんや子供がかかりやすい、発熱を伴う感染症です。また、膠原病など免疫の病気、川崎病、悪性腫瘍、薬への副反応などでも発熱を起こします。

熱を出したときの対処法

赤ちゃんが熱を出しても慌てずに対処しましょう。前半の「発熱したとき、いつ受診するかの目安」で紹介した「受診するかどうか」以外に気を付けたいことをここで紹介します。受診のあとのホームケアの参考にもしてみてください。

[1]熱があるときの基本的な対処法

熱型表のイメージ

・体温の記録と全身状態の観察 体温を測って記録し、熱型表(熱の推移を表す表)にまとめておくと受診の際に役立ちます。全身状態をよく観察(食欲、嘔吐や下痢の有無、機嫌は良いかなど)し、症状も記録しておくと良いでしょう。

・こまめな水分補給 脱水を防ぐため、乳幼児用イオン飲料、お茶、湯冷ましなどをこまめに与えます。

・食事は無理せず消化の良いものを 母乳やミルク、食事は欲しがるようであれば与えましょう。食事は消化の良いおかゆやうどんなどの炭水化物に。食欲がない時に無理に食べさせることはありません。

・発熱の段階に合わせた温度調節 熱が上がっているときは、寒気から震えることもあるので保温します。厚着をさせる、布団をかけるなどして温かくしましょう。熱が高くなり、手足が熱く顔が赤くなってきたら薄着にして、嫌がらなければ首や脇の下を冷やします。

また、ぐったりしてつらそうなら入浴は控えましょう。温めたタオルで体を拭いてください。

[2]ふるえがあるときの対処法

体が急激に熱を上げるとき、筋肉を細かく収縮させて熱を作るため、全身がふるえることがあります。いわゆる「悪寒」です。けいれんにも見えますが、意識がある、視線が合い、受け答えができる点が異なります。ふるえがあるときは服を重ねたり布団をかけたりして温かくしましょう。

[3]熱性けいれんを起こしたときの対処法

生後6ヶ月~5歳までの子供で38℃以上の発熱時に起こるけいれん発作を熱性けいれんといいます[*4]。

熱が上がるときに起こることが多く、突然意識がなくなり、呼びかけても反応がない、白目をむく、唇の色が青ざめる、口から泡をふくなどが見られます。体を反らせるように硬くなる、手足がガクガクふるえることが多いですが、体の力が抜け、ボーッとして意識がなくなることもあります。

ついさっきまで元気だった子供が突然意識を失い発作を起こすので、親にとってはとてもショックな事態です。でも、焦ってゆすったり叩いたりしてはいけません。熱性けいれんであれば多くは数分で止まります。落ち着いて対処しましょう。

けいれんを起こしたら安全で平らな場所に寝かせます。嘔吐を伴うことがあるので、顔を横に向けて吐いたものが喉に詰まらないようにしましょう。そして様子をよく観察します。

けいれんの持続時間、手足の動きが左右対象かどうか、目の向き、顔色(青くないか)、体温を確認しておくと、後の診断で役立ちます。スマホなどで動画を撮っておくのも良いでしょう。

特に持続時間の確認は大切で、救急車を呼ぶ目安はけいれんが5分以上続いた場合です。多くのけいれんは5分以内に治まり、逆に5分以上続くけいれんは長引くことも少なくないためです。

「ただしけいれんするとご家族も不安かと思います。短時間のけいれんで保護者が救急車を呼んでも、それはやむを得ないことだと多くの小児科医は考えています」(坂本先生)

熱性けいれんの多くは後遺症を残すことはありませんが、けいれんが長引く場合、けいれんの原因が熱性けいれんでない場合(髄膜炎、急性脳症など)は、直ちに治療が必要なことがあります。

また、すぐに治まっても、初めてけいれんを起こした場合は早急に受診してください。

[4]熱とともに咳、鼻水などがあるときの対処法

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部屋を適度に加湿しましょう。赤ちゃんは鼻をかむことができないので、鼻水が多いときは吸引してあげましょう。温かい飲み物は咳の緩和に効果的とされています。

また、米国小児科学会では、1歳以上の子供の咳にはハチミツも有効として、以下を試してみるように勧めています。

・1〜5歳の子供の場合:小さじ半分のハチミツ ・6〜11歳の子供の場合:小さじ1杯のハチミツ ・12歳以上の子供の場合:小さじ2杯のハチミツ

1歳未満の赤ちゃんには、蜂蜜を与えてはいけません(乳児ボツリヌス症にかかる危険があります) ※ハチミツを与えたら、歯を磨いてから就寝すること

まとめ

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赤ちゃんはもともと平熱が高めのうえ、体温調節機能が未熟で、厚着をしただけでも体温が上がってしまうもの。高熱でも焦らず、元気であればまずは室温や服装を見直してみましょう。感染症で高熱になっても、熱の高さと病気の重症度は比例しません。ほかの症状や全身状態をよく観察した上で、時間内にかかりつけか、夜間休日などの救急診療かを判断し、受診しましょう。

(文:佐藤華奈子/監修:坂本昌彦 先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]「感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律第12条第1項及び第14条第2項に基づく届出の基準等について」の一部改正について https://www.mhlw.go.jp/web/t_doc?dataId=00tb9642&dataType=1&pageNo=1 [*2]教えて!ドクター http://www.saku-ishikai.or.jp/image/pdf/-2018-all.pdf [*3]子供医療電話相談事業(♯8000)について https://www.mhlw.go.jp/topics/2006/10/tp1010-3.html [*4]日本小児神経学会「熱性けいれんとはどのような病気ですか?」 https://www.childneuro.jp/modules/general/index.php?content_id=27

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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