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【医師監修】赤ちゃんと犬の同居、メリット・デメリットは? アレルギーやトラブルへの対策

目次

愛犬家の妊婦さんは、赤ちゃんと愛犬が仲良く過ごす姿が楽しみな一方で、両者の同居がうまくいくのか不安にもなりますね。この記事で赤ちゃんが犬と暮らすメリット・デメリットを確認し、トラブル対策の参考にしてみてください。

この記事の監修ドクター 梁尚弘先生 りょうキッズクリニック(埼玉県所沢市)院長。平成10年順天堂大学卒業後、日本大学小児科研修医、沼津市立病院小児科、横須賀市立市民病院小児科、日本大学小児科助教、瀬戸病院小児科医長を経て現在に至る。小児科専門医。

犬と赤ちゃんが一緒に暮らすメリット

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犬と赤ちゃんが一緒にいると、もうそれだけでかわいらしく大人は癒されるばかりですね。大人の心をなごませてくれるほかにも、犬と暮らすことで赤ちゃんへのメリットはあるのでしょうか。

成長すると精神面で良い影響が

犬を飼うことで子どもの心に良い影響があることは、よく言われています。

実際に、子供が小学校卒業までに犬や猫を飼育した経験がある家庭の親、およそ1,000人を対象に、ペットが子供に与えた影響を聞いたところ、「思いやりの心をもつようになった」、「命の大切さを理解できるようになった」、「感受性が豊かになった」となどと答えた親が多かったと報告している調査があります[*1]。

また、子どもが犬の世話をするようになると、散歩や餌やりなどを決まった時間に行うことになり規則正しい生活になる、責任感が芽生えるなどの良い影響もあるようです。

アレルギーのリスクが軽減される可能性も⁉

犬を飼うことで、アレルギーが引き起こされるのではと心配になるかもしれませんが、逆に犬と暮らすことでアレルギーになる確率が低くなるという研究結果もあります。

たとえば、新生児期から自宅で犬を飼っていた子供は、犬がいない世帯と比べて、3歳時点でアトピー性皮膚炎と喘鳴(ぜんめい。呼吸をするとき息がゼイゼイすること)の発生率が低かった[*2]とする2008年のアメリカの研究や、子供のうち(特に生後1年以内)にペットを含む動物と接触することで、免疫系の発達が促されるとともにアトピー性皮膚炎発症の予防につながるという見方もあります[*3]。

2019年にも、生後3ヶ月時点で犬を飼っている家庭では、乳幼児期に食物アレルギーを発症する割合が低かった[*4]というイギリスの研究が報告されています。

一方で、ペットにアレルギーがあると、喘息、アレルギー性鼻炎、湿疹を伴う食物アレルギーももっている場合が多い、鳥と猫を飼い世話している子供ではアレルギー疾患の有病率が高かった、もともとアレルギーがある場合、動物を飼育することによって悪化する可能性があるなどの報告もあります[*3]。

つまり、今の時点ではアレルギー予防に役立つかどうか結論は出ていません。

赤ちゃんと犬の同居の注意点

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赤ちゃんと犬の同居にはメリットがある一方、デメリットも。事前に確認しておきましょう。

犬が赤ちゃんを傷つける事故に注意

犬と赤ちゃんの事故で心配されるのは、やはり咬まれることでしょう。傷が残ってしまうこともありますし、死亡事故も起きています。予想外の動きをする赤ちゃんといることは、犬にとってストレスになることも。

赤ちゃんに好奇心の赴くまま触られ続けられると、我慢の限界を超えて噛むことがあります。大人がいない場面で起こることが多いので、赤ちゃんと犬が同じ部屋にいるときは目を離さないようにしてください。犬が跳びついて赤ちゃんが倒されたり、寝ている赤ちゃんの上に乗ったり、引っ掻かれて怪我をする可能性もあります。

感染症のリスク

感染症対策として、犬も予防接種はきちんと受け、病気があれば治療しましょう。また、犬には何も症状を引き起こさなくても、人にうつるとさまざまな症状を引き起こす病源体も少なくありません。風邪やインフルエンザ、よくある皮膚病と似た症状が出て、正しい診断が遅れることもあります。

たとえば、犬の約75%、猫のほぼ100%が口腔内にもっているパスツレラ菌が、赤ちゃんやお年寄り、病人など抵抗力の弱い人に感染すると、肺炎や咬まれたりひっかかれた箇所のひどい炎症などを起こし、重篤な場合は死亡することもあります[*5]。

ほかにも、重症化すると命にかかわる事態を引き起こす感染症は数多く存在します。とくに赤ちゃんが発病すると重症化しやすいので、充分注意しましょう。

犬と濃厚な接触はしない、犬を清潔に保つ、糞尿の処理は速やかに行う、犬にさわったら必ず手洗いをすることが予防になります。そして赤ちゃんに心配な症状が出て受診する際には、犬を飼っていることを伝えることも大切です。

アレルギーのリスク

赤ちゃんが犬に対するアレルギーを発症することもあります。

イヌアレルギーはどんな症状?

イヌアレルギーの原因となる主な物質(Can f1というたんぱく質)は犬のフケ、唾液、尿などに含まれています。この物質は埃などと一緒に空中を浮遊し、床や壁、カーテンにも付いています。そのため、犬と触れ合うだけでなく、犬のいる部屋に入るだけでも、くしゃみや咳、鼻水、目の充血、湿疹などの症状があらわれます。

もしイヌアレルギーになったら

アレルギーの原因はさまざまなので、本当に犬が原因なのか、検査を受けてはっきりさせましょう。イヌアレルギーとわかったら、犬のいない環境にいることがベストですが、犬を手放すことも難しいものです。症状や重症度によっても対応は異なるので、医師に相談の上、下記のように生活面でできることをして症状を抑えます。

・犬と赤ちゃんの生活スペースをわける。寝室に犬を入れないようにする。 できる限り犬と触れないようにする。 ・掃除をこまめにする。 ・犬を定期的にシャンプー・ブラッシングする。 できれば週1回シャンプーをして、ブラッシングは毎日、家の外で行うようにする。 ・アレルゲンは空気中にも浮遊しているので、こまめに換気をし、空気清浄機を使用する。 ・犬の毛にも唾液やフケが付いているので、犬に抜け毛対策効果のある服を着せる。 アレルギーを抑える効果ははっきりわかっていないが、長毛の犬種や換毛期には検討を。

赤ちゃんと犬がトラブルなく暮らすために

赤ちゃんが犬と暮らすメリットを引き出し、デメリットを避けるためには、何よりも犬を正しく飼育することが重要。その上で、犬の気持ちにも寄り添いながら、赤ちゃんをお迎えするという家族の一大事に一緒に備えていきましょう。

赤ちゃんが生まれる前の準備

出産前は準備で慌ただしいものですが、犬がいる家庭では、赤ちゃんと犬の共同生活を十分にシミュレーションして、安全に暮らせるよう準備することも必要です。

ベビーベッドは必須

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寝室に犬が入らない場合でも、日中に赤ちゃんが過ごす場所として、リビングにも柵があるベビーベッドを用意しましょう。

犬のしつけができているか見直しを

ソファやベッドの上に乗ったり、飼い主さんの顔を舐めたりすることを、愛犬かわいさについ許していないでしょうか。今一度、犬との接し方を見直し、しっかりと指示が通るようにしておきましょう。

犬の健康状態をチェック

犬に体調の悪いところや、予防接種の漏れがないか確認しておきましょう。気になることがあれば早めに受診を。

ケアを行い、産後の計画も立てておく

シャンプー、爪切りといったケアをしっかり行った上で、産後に忘れないように、次にいつ行うのか計画を立てて。トリミングが必要な場合は、次の予約を入れた上で、誰が連れて行くのかまで決めておくと安心です。

犬専用の場所を用意して慣らしておく

室内にまだサークルやケージなど犬専用の場所がない場合は用意して、産前からそこにいることに慣らしておきましょう。

掃除しやすい環境を作る

室内は片付けて、すぐに手に取れる場所に掃除機やモップ、粘着シートを置くなど、掃除をしやすいように整えると良いでしょう。

また、タバコやボタン電池、薬など、口に入る小さなものは、赤ちゃんはもちろん、犬にも誤飲により命にかかわる事態を引き起こしかねません。きちんと管理できる場所に片づけておく習慣をつけましょう。

入院中と産後に犬の世話をする人を決めて慣らしておく

入院中や産後に、ふだんと違う人に犬の世話をお願いする場合は、事前に何度かお願いして慣らしておきます。ペットホテルを利用するなら、慣れたところに預けるのが良いでしょう。

赤ちゃんが来ることを声がけしておく

犬と暮らしている人は、日頃から犬にも声がけをしてコミュニケーションをとっていることと思いますが、赤ちゃんが来ることも、事前に話しておきましょう。

言葉がわからなくても、犬なりに飼い主さんが何かを伝えようとしていること、これから大きな変化が起こることを感じとってくれます。赤ちゃんはどんな存在なのか、犬にはどうしてほしいのか、やさしく話しかけてみてください。赤ちゃんの動画を見せたり、泣き声を聞かせたりすると、犬も心の準備に役立つかもしれません。

赤ちゃんが生まれてからも継続すること

いよいよ赤ちゃんが家にやってきたら、さきほど紹介した注意点をいくつか継続するとともに、赤ちゃんと犬それぞれの健康管理に気を配りましょう。

赤ちゃんと犬だけになる時間がないよう心がける

大きな事故は、たいてい大人がいない時に起こっています。少なくとも小学校高学年になるまでは、子どもと犬だけにならないようにしてください。

赤ちゃんと犬の濃厚な接触は避ける

犬が赤ちゃんの顔を舐める、赤ちゃんが犬を舐めることがないよう注意を。犬が行ける場所に寝かせることもないようにします。

犬のしつけを継続する

赤ちゃんにしてはいけないこと、新しいルールは継続して教えていきます。

犬の健康管理

犬のケアや健康管理ももちろん続けましょう。産後特に注意したいのは、犬のストレス。産後は赤ちゃんの世話に忙しく、犬の世話はほかの人に頼んでしまいがち。家族の関係にもよりますが、大好きな飼い主さんに構ってもらえないことで、犬はストレスを抱え、赤ちゃんに嫉妬心を抱いてしまう可能性も。

できればときどきは犬と飼い主さんだけになる時間を作り、散歩や犬が好きな遊びをして、ストレスを溜め込まないようにしてあげましょう。

家はこまめに清掃

産後は家事まで行うことは大変ですが、ほかの家族に頼む、自動掃除機を利用するなどして、家の掃除は欠かさないようにしましょう。

赤ちゃんの保湿、湿疹の治療をきちんと行う

赤ちゃんのうちから皮膚の保湿を行うことが、アレルギーの予防に役立つと言われています。また、湿疹などで皮膚に炎症があると肌のバリアー機能が損なわれ、そこからアレルゲンが入ることでアレルギーを発症することも。

イヌアレルギーを避けるためにも、保湿は十分に行い、湿疹ができた場合は悪化する前にきちんと治療しましょう。

まとめ

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犬との同居は、赤ちゃんに良い影響を及ぼすことも多いもの。ただし、安全に暮らすためには事故や感染症に対する注意が欠かせません。何より大切なことは、しつけや予防接種といった犬の基本的な飼育法を守ること。きちんと飼育できていれば犬を手放す必要はありませんが、最終的にメリットとデメリットのどちらが大きいかは、犬と子供の体質や性格、相性、環境などによって異なります。生活環境は家庭それぞれ。ライフスタイルとの兼ね合いも見てベストな方法を考えてみてください。

(文:佐藤華奈子/監修:梁尚弘先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]アイペット損害保険2017.03.15ニュースリリース:ペットは友達!ペットと暮らすと「思いやりの心」が芽生える~ペットと子どもに関する調査~ https://www.ipet-ins.com/info/9749/ [*2]Bufford JD, Reardon CL, Li Z, et al: Effects of dog ownership in early childhood on immune development and atopic diseases. Clin Exp Allergy. 2008 Oct;38(10):1635-43. [*3]日本皮膚科学会:アトピー性皮膚炎診療ガイドライン 2018, CQ26 ペットの飼育,動物との接触を回避する指導はアトピー性皮膚炎の発症予防や症状改善に有用か https://www.dermatol.or.jp/uploads/uploads/files/guideline/atopic_GL2018.pdf [*4]Dog ownership at three months of age is associated with protection against food allergy. Allergy. 2019 Nov;74(11);2212-2219. https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-10900000-Kenkoukyoku/0000155227.pdf [*5]バイエル薬品 感染症情報:パスツレラ症 https://www.bayer-pet.jp/vet/infection/zoonosis/pasteurellosis.html

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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