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なかなか険しい40代の婚活。OTONA SALONE編集長・アサミ(47歳)は婚活歴は3年半以上になる。婚活パーティ、婚活アプリ、個室婚活、バー婚活、知人の紹介……。いろいろ挑戦してみるも、いまだにゴールの見えない状況が続く。
ある日の会食後、同期に誘われた日本橋のバーで、ハイシャさん(47歳、未婚・独身、歯科医)を紹介されたのだが……。この物語は40代独女の「実名 顔出し」で書いている、リアル婚活ドキュメントである。
同期に紹介されて出会った男性・ハイシャさん。思えば、最初から不思議な点はたくさんあった。
・事前の相談もなく、突然、紹介の場をセッティングされた→ちょっと、聞いてないよ!
・到着する前に「たぶんアサミのタイプじゃないと思うよ」と言われた→会う前にそんなこと思うなら、なぜ紹介する?
・バーの個室へハイシャさんと一緒に女性がいたような?→挨拶も紹介もなく、気づいたらいなくなっていた。マボロシ?
こんな始まりからして、ちょっと普通じゃないよね。
いままで紹介されて出会ったのは、ベンゴシさん、ゲームさん、ジムさん。ベンゴシさんとジムさんは、事前に「紹介したい人がいる」と言われていたし、ゲームさんは大勢の飲み会に誘われて出会ったわけだし。
なんの前触れもなく男性を紹介されるなんて、前代未聞だった。
ハイシャさんの第一印象は、悪くなかった。
・小柄で、清潔感のある雰囲気。
・話し方は穏やか。
・『40代ご無沙汰女子の、ざんねんな婚活』を読んで共感したと言ってくれた。
・仕事に誇りを持っている。
・ゴルフをやっている=共通の趣味がある。
共通点もあるし、清潔感や穏やかさ、仕事への向き合い方は好感度が高かった。そのあと、タバコを吸い始めたのがちょっと気になったくらいで。
事態が一変したのは、同期がトイレへ行くために席を外してからだ。彼と入れ替わりにハイシャさんの妹さん──実は、最初に見かけた謎の女性だったのだが──が部屋に入ってきた。
妹さんの、射るように見つめてくる視線、歯に衣着せぬ発言、根掘り葉掘りのプライベートに踏み込んだ質問。それを制したりもせず、ただ横で聞いているハイシャさん。
そのあたりから、思い始めた。この妹さんとうまくやっていける自信はない、と。いちおう「婚活」で紹介されているのだから、結婚を考えてのこと。ご本人のことはもちろんだが、相手の家族との相性も少しは考えたい。
話しているうちに、ますます明確になったのが、妹さんはかなりのブラコンであること。そして、よくよく話を聞いているとハイシャさん自身もかなりシスコン疑惑がある。40歳も過ぎて、妹の送迎をしているなんて、聞いたことないよ。専属の運転手かよ……。
同期が部屋に戻ってきてからは、ゴルフ、お酒、仕事……そんな会話をしていた気がする。会話がスムーズにいくようなあいづちを打ったり、適度に質問をはさんだり。編集者歴24年の取材で慣れたトークの繋ぎをしていた。
早くこの場がお開きにならないかなぁと願いながら……。
店を出たのは、深夜1時近くになってからだった。ハイシャさんと妹さんは、当然のように一緒に帰っていった。
同期「ホントごめん。タクシーで送ります」
アサミ「ありがとう。ちょっと話したいことあるし」
タクシーに乗り、本日の婚活反省会(?)が始まった。
同期「どうだった? 率直に言って」
単刀直入に質問してきた。彼は昔から、ストレートに聞いてくるタイプだ。新入社員のとき、いま考えたら絶対に聞いたらアウトな質問を彼はしてきたことがある。内容は書けないけど(苦笑)。
アサミ「率直に、ナイわ」
ストレートな相手には、私もストレートに答える。ま、私も基本、直球タイプだし。
同期「だよね! そう思った」
アサミ「紹介していただいたのに申し訳ないですけど」
同期「いや、最初っから絶対ナイと思ったんだよ。だから、ずっと彼のリクエストを断ってたんだよ」
アサミ「その判断は間違ってないですね」
アサミ「なのになんで紹介してきたの(笑)」
同期「だいぶ前からずーっと言われてて。ずっと断ってたんだけど」
そのまま断り続けてくれればよかったのに。
同期「アサミも知ってるAさんいるじゃん? ハイシャさんがAさんにも頼んできたみたいで。あの人から頼まれたらいろいろ断りにくいでしょ? さすがにそれはアサミに悪いからさ」
そうか、同期からの紹介のほうが私が断りやすいと判断したのか。
アサミ「なるほどね」
同期「具体的にさ、どの辺がダメ?」
アサミ「妹さんよ! ハイシャさん自身っていうより、妹さんが無理だわ」
同期「だよね~。あれはキツイもんなぁ」
アサミ「いちおう婚活じゃない。その先のことを考えたら、家族としてお付き合いできる自信ないもん」
たった1回しか会っていないのに決めるなよ、と思う人もいるかもしれない。でも、家族の関係性ってこの先ずっと変わらない。私と両親、私と姉の関係性だってそう。
そう考えると、1回目でハイシャさんの兄妹関係がわかって、むしろよかったのかもしれない。
同期「そうなんだよなぁ。ハイシャさんは、わりといい人なんだけど」
アサミ「だってさ、妹が出かける時、いつもハイシャさんが送り迎えしてるんでしょ?」
同期「らしいね」
アサミ「今日だって私と初めて会うのに、妹同伴ってびっくりよ。今まで紹介で会った人が何人かいるけど、こんなことなかったわ」
同期「まさか今日、来るとは思わなかったんだよね」
アサミ「まぁ、早いところ強烈な妹がいるとわかってよかったかも」
同期「あ、ゴルフの予定どうする?」
アサミ「できれば行きたくない。あの妹さんと一緒にラウンド無理だわ」
同期「わかった。でもさすがにそうは言えないな(苦笑)」
そうだよね。いくらストレートな同期でも、相手によって発言は変えている。
同期「ハイシャさん自身と、ちょっとフィーリングが合わなかったとか言っておく」
アサミ「ありがとう。ごめんね」
その後、ハイシャさんと会うことはなかった。ゴルフの約束は、同期がうまく話してなかったことにしてくれたのだろう。
あ~よかった。ホッとした! ……と、のんびりしている場合じゃなかった。
「命短し、恋せよ乙女」ならぬ、
「命たぶんそこそこ長いけど、婚活せよ乙女」。
ゲームさん→ジムさん→ハイシャさんと「紹介婚活」がたまたま連続したけれど、さすがに紹介してくれる人も途絶えた気がする。
止まっていても何も始まらない。自分から動くのみ!
ということで、いますぐ出来ることは何か? やっぱり、婚活アプリか。前に登録した、メガネさんと出会った婚活アプリは退会した。よし、別のアプリに登録しよう。さっそく、新たな婚活アプリをダウンロードし、登録するのだった。
新たな出会いを期待しながら……。
【続きは2020年4月1日(水)17時公開。お楽しみに!】
【前回はコチラ】
【40代編集長の婚活記#188】マザコンより強烈!? ハイスペック40男、独身の秘密
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