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【医師監修】パラシュート反射とは?しないときの対応と受診の目安

目次

パラシュート反射は、生後9~10ヶ月健診でチェックする項目の1つです。健診でパラシュート反射をしなかったとしたら、どんな理由が考えられるのでしょうか?また、パラシュート反射をしないときにはどうすればいいかもお話します。

この記事の監修ドクター 大越陽一先生 杏林大学医学部卒業、杏林大学医学部小児科学教室任期助教、埼玉県立小児医療センター循環器科医長を経て現在アルテミスウィメンズホスピタル小児科部長。小児科専門医

反射って?

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パラシュート反射のことを知る前に、「反射」について知っておきましょう。

大人になると、目、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器で感じ取ったことを脳で判断して、行動をします。たとえば暑いときには皮膚で「暑い」と感じ取り、それが脳に伝わって、「エアコンをつける」という行動を取るように脳が命令を下すのです。

ところが反射は、目、耳、鼻、舌、皮膚などの感覚器が受けた刺激に、脳ではなく脊髄などが反応して行動を起こします。

新生児や低月齢の赤ちゃんは脳が未熟なので、ほとんどの行動は反射です。手のひらに当たったものを握りしめる「把握反射」や、唇に刺激を受けると唇を閉じて吸い付く「吸啜反射」など、脊髄と脳幹が反応して起こす「原子反射」をします。

脳が発育していくと、原子反射は消えて、中脳から大脳皮質が反応する「姿勢反射」が見られるようになります。姿勢反射は体の向きが変わったときに、もとに戻ろうとする反射です。 「パラシュート反射」もこの姿勢反射の1つです。

パラシュート反射って?

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どんな動きをするの?

突然転びそうになると、とっさに手を前について体を打たないようにします。これが「パラシュート反射」です。

側方パラシュート反射

座っていて左、または右に倒したときに、倒れる方の腕を伸ばし、手のひらを広げて床につきます。

前方パラシュート反射

体を抱き上げて、逆さになって頭から落下するような姿勢にすると、両腕を伸ばし、両手のひらを開いて体を支えようとします[*1]。

パラシュート反射の時期

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パラシュート反射は生後6~9ヶ月ごろから見られるようになり、一生続きます[*2]。

たいていの場合、生後10ヶ月の赤ちゃんはパラシュート反応を見せます[*1]。そのため、生後9~10ヶ月健診では「パラシュート反応が見られるかどうか」がチェック項目になっています。パラシュート反射があるかどうかチェックすることで、脳性麻痺などの脳障害がないかどうか確認することができるからです。

パラシュート反射が見られないときは

健康に発達している赤ちゃんでも、状況によってはパラシュート反射が出ないことがあります。

こんなときには反射が出ないことも

大泣きや緊張しているとき

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大泣きをしたり怖がって緊張していて、腕をギュッと縮めていると、パラシュート反射が見られないことがあります。その場合は赤ちゃんが落ち着いてから検査をすれば、パラシュート反射が確認できます。

運動発達がのんびりだから

歩き始める時期が1人1人違うように、神経発達などに異常がなくても運動機能の発達が少しゆっくりなためにパラシュート反射の発現時期が遅くなることもあります。 特に低体重で生まれた赤ちゃんは運動発達がゆっくりで、後から発達が追いついていくことは珍しくありません。

パラシュート反応で異常が見られたらどうする?

全体的な発育や発達とともに診断する

生後9~10ヶ月健診でパラシュート反射が見られないときには、神経発達や知能が遅れていたり、脳性麻痺などの障害がある可能性を疑います。 ただしパラシュート反応が見られないだけでは、こうした遅れや障害があるかどうかはわかりません。全体的な発育や発達もていねいに診て、時間をかけてパラシュート反射が見られない原因を考えることになります。 そのため、健診後も1~2ヶ月ほど経過観察をしたり、病院で診察を受けることになります。

医療機関と一緒に見守っていこう

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パラシュート反射は訓練で習得できるものではありません。反射が見られなかったからといって、赤ちゃんの体を何度も倒したり逆さにしてみるのは意味がなく、危険も伴います。 今はまだパラシュート反射が発現していなくても、遅れて反射が出るようになることもあります。お母さんお父さんは自己流で解決しようとしないで、時間をかけて赤ちゃんの発育や発達を見守っていくことが大切です。 定期的に経過を観察したり、気になることはかかりつけの小児科医に相談するなど、医療機関と一緒に赤ちゃんのことを知っていきましょう。

まとめ

パラシュート反射は生後6~9ヶ月ごろから見られる反射の1つです。発育や発達の目安として、生後9~10ヶ月健診でもチェックされます。 ほとんどの赤ちゃんは生後10ヶ月頃までにパラシュート反射をするようになりますが、大泣きしたり怖がって身をすくめていると、健診では確認できないことがあります。また、発育や発達が順調でもゆっくりなために、この時期にパラシュート反射が発現していないこともあります。 生後9~10ヶ月健診でパラシュート反射が見られなかったり、見られていても左右差がある場合は、その後も定期的にチェックしていくことになります。心配な場合はかかりつけの小児科などで相談するのもおすすめです。長い目で赤ちゃんの発育や発達を見守っていきましょう。

(文:大崎典子/監修:大越陽一先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]「乳幼児健康診査身体診察マニュアル」国立成育医療研究センター(平成30年3月) [*2]畑江芳郎ほか「STEP 小児科 第3版」(海馬書房)

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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