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在宅ワーカーの悩みと理想のホームオフィスとは~自宅で働く【後編】

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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在宅ワーカーの悩みと理想のホームオフィスとは~自宅で働く【後編】

オフィスに通勤せずに自宅で働ける在宅勤務制度は、すでに15%以上の企業が採用※しています。しかし、もともと自宅が仕事場を兼ねているフリーランスや個人経営者などと違い、毎日オフィスに通勤していた人がある日突然自宅でも仕事ができるようになれば困ることもあるはず。後編では、筆者の切実な悩みとなっている腰痛と椅子の関係についてご紹介します。
※ザイマックス不動産総合研究所『働き方改革と多様化するオフィス』2017年

パソコン作業は腰にくる

リビングのソファにくつろいで大作映画の鑑賞はできますが、ソファは長時間のパソコン作業には向いていません。在宅ワークは自分の好きな場所で自由に仕事ができるメリットがありますが、パソコンを使うのなら正しい姿勢を保てるしっかりとした机と椅子が必要でしょう。

私が会社勤めのときには、4、5時間連続してパソコン作業をすることがよくありましたが、腰痛に悩まされることはほとんどありませんでした。最近のオフィスチェアは、長時間の集中作業でも疲れにくいよう機能を進化させているからです。例えば、座る人が自分の好みに応じて座面の奥行や高さ、背もたれの角度などを調整できるタイプ、座る人の体格に合わせて自動調整してくれるタイプなどがあり、種類やデザインも豊富です(画像1)。

なかには、女性の骨盤形状に合わせた座面や素肌にやさしい張地、後方からの視線を遮る背もたれを備えた、女性向けに開発された椅子もあります。

【画像1】オフィスチェアは選ぶのに困るほど種類が豊富(写真撮影/松村徹)

【画像1】オフィスチェアは選ぶのに困るほど種類が豊富(写真撮影/松村徹)

ところが在宅ワーカーとなった今は、1時間ほど座って仕事をしただけで腰が痛くなるようになりました。もちろん使用している椅子による差や、個人差はあるでしょう。しかしオフィス家具メーカーの方と話すと、異口同音に「住宅用の椅子はオフィスチェアのように事務作業を長時間するようにはつくられていないので、在宅ワークで使っているといずれ腰を悪くする」と言います。

そもそも人間は二足歩行の動物なので、立っている姿勢が一番自然だといいます。立ち姿勢で腰椎の椎間板にかかる負担を1とすると、座った姿勢では1.4倍、前のめりで座ると1.85倍も大きくなるそうです※。長時間座っていても腰への負担が少なく疲れない椅子は在宅ワークでも必須のはずですが、住宅向けの椅子はテーブルとセットでインテリアになじむようデザインされたものばかりで、在宅ワークを意識した機能のものはほとんど見かけません。
※A.Nachemson  “LUMBAR DISC PRESSURE AND MYOELECTRIC BACK MUSCLE ACTIVITY DURING SITTING : I. Studies on an Experimental chair”(1970)

在宅ワークに理想の椅子はオフィスチェア

それなら、オフィスチェアを自宅用に使えばよいのですが、いくつか問題があります。まず、通常のオフィスチェアは住宅用としてはサイズが大き過ぎるうえ、ハイテクで未来的なデザインや素材、色がどうしても室内で浮いてしまいます。特に、脚に付いているキャスターはマンションで使用すると階下への騒音元になりやすく、フローリングやクッションフロアを傷つける原因にもなります。オフィスに敷くタイルカーペットを前提にしているのでフローリング床では滑り過ぎ、子どもたちの格好のおもちゃになるのは確実です。

また、腰痛防止に意義を見出すとしても、ニトリやIKEAになじんだ消費者には値段も少し高すぎる場合があります。仮に自宅のダイニングに合うオフィスチェアが見つかったとしても、テーブル用に4脚そろえようとしたら大変な出費になってしまいかねません。

とはいえ、在宅ワーク用チェアの理想形はやはり(住宅向けに改良された)オフィスチェアだと思います。長時間座って仕事をしても疲れない機能性が何より大事だからです。サイズはオフィスチェアよりコンパクトで、背もたれや座面はメッシュではなく落ち着いた色の布や革張り、フレームはアルミではなく樹脂、キャスターなしの4本脚。パソコン作業用のひじ掛けも欲しいところです。値段は普通の住宅用より少し高くなってもオフィスチェアより安価であれば最高です。

腰痛防止は高年齢在宅ワーカーとして特に切実なテーマなので、このような椅子が一刻も早く開発されることを望みます。

そもそも仕事は座ってするものなのか

“座りすぎ“は腰痛に限らず、血行や呼吸機能など健康面にいろいろな悪影響があることが最近分かってきました。オーストラリアの調査研究”A 20-country comparison using the International Physical Activity Questionnaire(IPAQ)”(2011年)によれば、1日の座位時間が4時間未満の人と比べて、8時間以上の人の死亡率は1.15倍、11時間以上の人は1.4倍高まり、習慣的に運動をする人でも座位時間が長ければ死亡リスクは高まるそうです。

すでに、一部の先進的な企業や大学では、座りすぎを防ぐためにオフィスワークに立ち仕事を取り入れる動きがあります。健康面のメリットだけでなく、立ち仕事で眠気を抑えられるので作業効率が増したりリフレッシュできたりするうえ、他人から話しかけられやすいのでコミュニケーションも活発になるからです。

今回、在宅ワークに合う理想の椅子は見つかりませんでしたが、オフィス家具のショールームで、天板の高さが手動で自由に変えられるコンパクトなテーブルを発見しました。これなら立ち仕事にぴったりで、どんな住宅でも場所をとらず室内にとけ込み、仕事にも家事にも使えて一石二鳥です。あとは、立ち仕事を受け入れるかどうかが思案のしどころです。

テレワークの実態調査から、意外にも「集中して仕事ができる」「仕事の成果が向上する」「いいアイデアが出せる」など仕事の質の向上につながる効果のあることが分かりました。仕事のON/OFFが切り替えづらく、長時間労働になりやすいというデメリットが克服されれば、ワークライフバランスのとれた新しい働き方として社会に定着していく可能性を感じます。また、在宅勤務が普及すれば、住宅家具のデザインや機能も大きく変わるかもしれません。住宅建設やリフォームの場面においても、在宅ワークを意識した設計や工夫が登場してくるはずです。

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