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【医師監修】妊婦がお腹の張りを感じたときの対処法

目次

妊娠中に起こるつわり、むくみ、腰痛、便秘などの不調はマイナートラブルと呼ばれますが、その代表格といえるのが「お腹の張り」。張りの原因と対処法、「心配のない張り」と「異常を知らせる張り」の見分け方などについてお伝えします。

この記事の監修ドクター 浅川恭行先生 平成5年 東邦大学医学部卒業、同東邦大学大学院医学研究課入学、横須賀聖ヨゼフ病院を経て平成21年より東邦大学医療センター大橋病院 産婦人科講師。平成23年より医療法人 晧慈会 浅川産婦人科 理事。平成28年より同産婦人科、理事長、院長。医学博士、日本産科婦人科学会専門医、日本内視鏡外科学会技術認定医、日本産婦人科医会幹事、日本産科婦人科内視鏡学会理事、日本女性医学会 評議員

妊娠時期別”お腹の張り”

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子宮は「平滑筋」という筋肉でできた袋状の臓器です。自律神経の指令を受けて収縮したり緩んだりするほか、ホルモンの影響や、外からの刺激によっても収縮が起こります。つまり、刺激に敏感で、それによって収縮しやすい筋肉によってできています。お腹の「張り」というのは、この「子宮筋の収縮」を指す言葉です。

成人女性の子宮は通常、鶏の卵ぐらいの大きさですが、妊娠すると赤ちゃんの成長とともに大きくなり、妊娠初期には10mL程度の容量だったものが妊娠末期には5L程にまで膨らみます[*1]。子宮が膨らむ際には、子宮やその周囲の靭帯などが引き伸ばされるため、妊娠週数が進むにつれて、お腹の張りや痛みを感じやすくなります。

お腹の張りには個人差が大きく、初産のママは不安になるかもしれませんが、時期による特徴を知っておけば慌てずに済むでしょう。早産などにつながる危険な張りの兆候については、後半の「対処法」のところで、まとめて解説します。

妊娠初期(~13週)

子宮に血液が多く運ばれるようになり、子宮の筋肉が伸び始める時期です。それに伴い、生理痛のようなお腹の張りや軽い痛みを感じることがあるかもしれません。出血などほかの症状がなく、超音波検査で胎児の心拍が確認されており、安静にして治まるようであれば、とくに心配のない「生理的な張り」と考えられます。

妊娠中期(14~27週)

お腹が大きくなって羊水が増え、その中で赤ちゃんが動きやすくなります。妊娠18~20週ごろには多くの妊婦さんが胎動(赤ちゃんの胎内での動き)を感じるようになり、それが刺激となって、張りを自覚することが増えてくるでしょう。

俗に安定期といわれる時期ですが、無理は禁物。おなかが張ったら、座ったり、横になったりして休みましょう。

妊娠後期(28週~)

赤ちゃんが大きくなって胎動も強くなるため、張りも頻回に起こるようになるでしょう。「お腹が重苦しい」「カチカチに硬くなる」「皮膚が引っ張られる」「キューっと締め付けられる」など、張りの感覚は人によりさまざまです。

予定日近くには、陣痛の予行演習のような子宮収縮(「前駆陣痛」「偽陣痛」などと呼ばれます)がみられ、「もしかして陣痛?」と思うかもしれません。そんなときは、張りや痛みの間隔を図ってみましょう。20分、15分と徐々に狭く規則的になってきたら、陣痛の始まりのサインです。

どんなときに張りやすい?

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はじめにお話ししたように、子宮筋は刺激に敏感で収縮が起こりやすい筋肉です。そのため、日常生活の中でのちょっとした無理や不注意が、お腹の張りを誘発することがあります。

運動や家事などで動き過ぎたとき

妊娠中期に入ってつわりが落ち着くと、それまでセーブしがちだった仕事や家事を精力的にこなしたくなるでしょう。マタニティースイミングや、ヨガ、ウオーキングなどの運動を始めるママも多いと思います。

適度に体を動かすことは安産のためにも大切ですが、動き過ぎや過労は子宮収縮の原因になります。運動中、おなかが張ったり下腹部が重く感じたりしたときは、ただちに中止して休みましょう。

長時間、同じ姿勢で過ごしたとき

長い時間、立ち続けたり歩き続けたりすると子宮を支える靭帯が引っ張られて痛み、これを子宮の張りとして感じることもあります。安静にすることでよくなりますが、長時間の立ち仕事や歩行は避け、時々、姿勢を変えるなどを意識しましょう。

体の冷えやストレスがあるとき

体の冷えやストレスも、お腹の張りの原因になると考えられています。

性行為をしたとき

医師に安静を指示されたとき以外は、妊娠中に性行為をしても問題はありません。ただし、性行為が刺激となっておなかが張ることもあるので、張りや痛みを感じたときは無理をせず、休んで様子を見るようにしましょう。

お腹の張りを予防する方法は?

お腹が張らないように、日常生活で注意できることはあるのでしょうか。

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1.締め付け過ぎない

体を締め付けるような下着や衣服を身に着けたり、骨盤ベルトを必要以上にきつく巻いたりすると、子宮や骨盤まわりの血流が悪くなり、お腹が張りやすくなります。窮屈にならない服装を心がけ、骨盤ベルトは正しく装着するようにしましょう。

2.お腹を冷やさない

寒い冬はもちろんのこと、夏でも悩まされる女性が多い冷え性。冷房の効いた室内で過ごすときは、上着を羽織ったり、ひざ掛けをお腹にかけたりして調節してください。また、冷たいものの飲み過ぎ・食べ過ぎに注意しましょう。

入浴時にはシャワーだけで済ませず、ゆったりと湯船につかると、体が温まって、リラックス効果も得られます。ただ、急に湯船から出ると気分が悪くなる事があるので注意しましょう。

3.疲れやストレスをためない

妊婦さんの疲労は、お腹の張りの原因となる刺激の一つ。夜は規則正しい睡眠を心がけ、できればお昼寝タイムも設けて、疲れをためないようにしましょう。パートナーや家族と楽しく過ごす時間を大切にして、心穏やかなマタニティライフを送ってください。

4.便秘をしない

妊娠中に多量に分泌される女性ホルモンのプロゲステロンには、胃や腸の働きを弱める作用があります。また、大きくなった子宮が腸を圧迫することも一因となり、便秘に悩まされる妊婦さんは少なくありません。

便秘は子宮収縮の原因になりますし、トイレでいきむと痔になりやすいため、我慢せずに主治医に相談しましょう。妊娠中にも飲める下剤、整腸剤などを処方してもらい、早めに解消するようにしてください。

お腹が張ったときの対処法

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では、実際に、「おなかが張ってきた」「いつもより硬くなっている」と感じたときは、どのように対処したらよいのでしょうか。

楽な姿勢で安静に

まずは、しばらく安静にして様子を見ることが肝心です。楽な姿勢で座るか、横になって休みましょう。30分以内に張りや緊張が治まり、胎動もいつも通り感じられるようなら、心配のない生理的な張りといるでしょう[*2]。

こんなときは産院に連絡を

これまで説明してきたように、お腹の張りは妊娠経過が順調な妊婦さんにもよく見られるマイナートラブルの一つです。ただし、以下のような症状が見られたときには、「切迫早産」(早産の危険性が高い状態)につながる「異常な張り」の可能性もあります。すぐに産院に連絡し、指示をあおぎましょう。

1.30分休んでも治まらない 2.胎動を感じない、胎動がいつもより弱い 3.張りが規則的になってくる 4.腹痛を伴う 5.出血がある 6.破水したかも……(腟から水がもれている)

切迫早産以外にも、出産より前に胎盤が剥がれて母子ともに危険な状態におちいる「常位胎盤早期剥離」の可能性もあります。いつもと何か違うと感じたら、まずは産院に相談してみましょう。

また、破水が起きている場合は赤ちゃんを包む卵膜が破れた状態ですから、感染のリスクもあり、放置は禁物です。尿もれと区別がつきにくいときは自己判断せず、必ず産院に連絡してください。

まとめ

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お腹の張りには、妊娠時期に応じて生理的に起こる「心配のない張り」と、妊婦さんや赤ちゃんに危険が迫っているときに起こる「異常を知らせる張り」があります。どのようなときに、どのような張りを感じるかを知っておき、慌てずに対処しましょう。不安なことがあったら、迷わず産院に相談してください。

(文:吉村直子/毎日新聞出版MMJ編集部/監修:浅川恭行先生)

※画像はイメージです


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マイナビウーマン子育て

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