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2017年も残すところ、あとわずか。
慌ただしいけれど、思い残すことなく過ごし、新しい年をすがすがしく迎えたい。
そして家族や友人、大切な人たちと集まる機会が増える年末年始には、おいしい食事を囲んでほっとしたいですよね。
そこで、NHK『きょうの料理』『あさイチ』といったテレビ番組で、“
ばぁば”
の愛称でおなじみの93歳の料理研究家、鈴木登紀子先生に年末年始にふさわしいお料理をうかがいました。
「やはり、昔ながらの和食をいただきたいわね。
さまざまな料理がいただける時代になっても、旬を大切にした和食が持つおいしさ、美しさは大切にしたい文化。
おせちなんて、すばらしい文化だと思います」
和食は和を保つ食なのよ、と話す鈴木先生。
相手を思い、心をこめて作る家庭料理は、健やかな体と心を作り、平和、温和につながる、と続けます。
一年を振り返り、この先の一年に思いをはせる。
年末年始こそ、家庭で和食を作り、みんなで囲む。
これこそ、家庭円満、人間関係円満のきっかけに。
人が集まったときに、いただきたいレシピはこちら。
ねぎ、牡蛎、柚子と冬の味覚をたっぷりと使った旬の味は、よろこばれること間違いありません。
■1品目 : ねぎ餅
「台北育ちの夫から教えてもらったレシピ。
とろりと煮えたねぎ、やわらかな餅、バターの香る甘辛味が絶妙なのよ」
〈材料(作りやすい分量)〉
ねぎ … 2本
切り餅 … 5個
A
酒 … 大さじ3
砂糖 … 大さじ3
みりん … 大さじ2
しょうゆ … 大さじ3強
サラダ油 … 大さじ2
バター … 大さじ1
〈作り方〉
①餅は2等分に切る。ねぎは1cm幅くらいの長めの斜め切りにする。
②フライパンにサラダ油、バターを入れ、火にかけて溶かす。
いったん火を止めてねぎの半量を広げ、餅をのせる。
その上に残りのねぎをのせる。
「たっぷりのねぎで餅をサンドするように入れるのがコツですよ」
③Aを上から順に加えてふたをし、中火にかける。
煮立ったら弱火にし、4~5分して餅がトロッとしたらでき上がり。
■2品目 : 牡蛎の土手鍋風
「牡蛎と柚子が香る練り味噌とがよく合います。
オーブンで焼いて簡単に作る、土手鍋風ですよ」
〈材料(4人分)〉
牡蛎 … 8個
大根おろし … 1/2カップ
【 練り味噌 】
西京味噌 … 1/2カップ
砂糖 … 大さじ2
みりん … 1/2カップ
柚子の皮(すりおろす) … 少々
〈作り方〉
①練り味噌を作る。
小鍋に味噌と砂糖を入れてよく混ぜ、みりんを少しずつ加えて溶きのばす。
②牡蛎を洗う。
ボウルに牡蛎と大根おろしを入れて手早くもむようにして、汚れを取る。
ざるに移して、流水の下でさっと洗い、水気をよくきる。
③小鍋を弱火にかけて、へらでとろりとなるまで練る。
④小さな土鍋に牡蛎を2個ずつ入れ、練り味噌を適量のせ250℃に温めたオーブンに入れ、焼き目がつくまで焼く。
受け皿にのせ、柚子の皮をふり、ふたをする。
■3品目 : 根深めし
「根深ねぎをぜいたくに3本使った炊き込みごはんは、ねぎがおいしい冬ならではの味ですよ」
〈材料(作りやすい分量)〉
米 … 3カップ
ねぎ … 3本
だし … 玉じゃくし4~5杯分(約3カップ)
酒 … 大さじ3
しょうゆ … 大さじ3
塩 … 小さじ2/3
〈作り方〉
①米は炊く1時間以上前に手早く研ぎ、水気をきって鍋に入れ、水(分量外)を加えてひたしておく。
ねぎは洗って白い部分を3~4cm長さのブツ切りにする。
② ①の鍋の水を玉じゃくしで4~5杯すくい取り、同量のだしを加える。
酒、しょうゆ、塩を加えて木べらでひと混ぜする。ブツ切りにしたねぎを加え、ふたをする。
③強火にかけ、ふたがカタカタしてきたら30秒そのままにする。
弱火にして12~13分炊いたら火を止め、ふたをしたまま10分蒸らす。
④しゃもじを水で湿らせ、鍋肌に沿って差し込んでから、上下を返すようにふんわりと混ぜる。
昔ながらの材料と作り方で、きちんと作られたばぁばの味。
懐かしくも、染み渡るようにおいしくて、和食のふところの深さをしみじみ再確認できる3品でした。
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今、改めて見直したい和食の基本とレシピ84品が掲載された
『登紀子ばぁばの昔ながらのおかずをきちんと作るコツ』(宝島社)は好評発売中。鈴木先生からのためになるアドバイスも満載ですよ!
【Profile】
鈴木登紀子(すずき ときこ)
テレビをはじめ雑誌などで広く活躍、料理番組『きょうの料理』(NHK・Eテレ)への出演は40 年を超える。
3人の子ども、5人の孫、5人のひ孫がおり、ばぁばの愛称で親しまれる。
TJ MOOK『登紀子ばぁばの昔ながらのおかずをきちんと作るコツ』
著者 : 鈴木登紀子
この記事のライター
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