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こんにちは、さんきゅう倉田です。
将来、なりたいものがなかったので、なんとなく公務員試験を受け、東京国税局に入り、辞めて、芸人になって、いつのまにかお金や税金の話が好きになって、そういう仕事ばかりしています。
知り合いに東北の由緒ある家系の女性がいます。年齢はぼくより10ほど上でしょうか。
彼女は父方が旧華族で、政財界に太いパイプがあるというフィクションに出てくるような家柄です。
知り合いがスキャンダルで困った時に、父親に言って、担当の記者を社会的に抹殺したと言っていました。
由緒さんが、どのような結果をもって、「社会的に抹殺した」と言っているのかわかりません。聞きたくもありません。しかし、それくらいのパワーはあるだろうなと思わせる由緒と財力が由緒さんにはあります。
由緒さんの配偶者は、何代も続く貿易関係の仕事をしています。
祖先は、廃藩置県が行われる前から商人として活躍していたそうです。由緒さんと結婚しようと思ったら、お金も持っているだけでは難しいんですね。やはり、家柄を大切にするのでしょう。
由緒さんの現在の家の中を見たことがありますが、ロココ調の美しい家具や調度品で溢れています。飼っている犬や猫にも品があります。ナイフとかフォークを使いそうな雰囲気です。
そんな由緒さんの身分の高さが覗えるエピソードを一つ紹介します。
結婚が決まって、旦那さんの家に引っ越したとき、荷物はありますか?と聞かれてこう答えたそうです。
「荷物はないけれど、彼女たちも一緒よ」
見ると、お手伝いさんが3人いて、彼女たちも旦那さんの家に引っ越してきました。
お金持ちは、お手伝いさんも一緒に引っ越すものなんですね。
由緒さんは、自分で働いてお金を稼いでいません。もしかしたら、不動産収入や株のインカムゲインはあるかもしれませんが、そんなものがなくとも、旦那さんの稼ぎで永久に遊んで暮らせます。
働いていないので、美容や趣味に十分な時間を使えます。
それでも時間が余るので、時間に縛られません。
先週の記事で、時間感覚の鋭い豆卸しさんの話を書きましたが、代表取締役の豆卸しさんと天然物のお金持ちの由緒さんでは、時間の感覚が全く異なります。
だから、どこへでも行くし、無償で他人の悩みを解決することがあります。
以前、由緒さんが使っていたルブタンの財布をくださいと言ったら、「え?いいよ、あげる」と言っていました。
物への執着もないし、たくさん持っているから、他に欲しい人がいれば自分は失っても構わないのかもしれません。
棘が怖いことを理由にもらいませんでしたが、由緒さんの物に対する考え方を垣間見ました。
年収1億円のおじさんに、使っていないプレステ4をくれと言ったとき、おじさんはくれませんでした。
元からの金持ちじゃないから、使っていなくても、他人にあげるのは惜しいのかもしれません。
おじさんは、京都のクラブで知り合った22歳の無職の彼女には、マンションを買ったりビジネスクラスで海外旅行に行ったり際限なくお金を使います。
ですが、仕事を手伝ったぼくには、誕生日のLINEすらしてきません。
由緒さんの仕事を手伝ったことはありませんが(無職だし)、何か手伝えば、それ相応の対価を支払ってくれると思います。他人から施しを受けたらお礼する環境で育ってきたはずだからです。
1億円のおじさんは、スラムで暴力と廃品と野良犬に囲まれて育ったので、感謝の気持ちを持っていません。毎日の食事にありつくこともままならなかったので、今でも、食べられるだけで満足し、食事に興味がありません。
由緒さんは、ポルシェやフェラーリばかりの町内でゴッホとヴァイオリンの音色とヨークシャーテリアに囲まれて育ち、他人への敬意に溢れています。
ふたりを見ると、お金を持つだけではいけないな、と感じます。
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