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【医師監修】妊娠後期に動悸・息切れする原因とセルフケア

目次

赤ちゃんの体重は1kgを超え、ぐんぐん育っている実感が強まる妊娠後期。ただ、ママの方はふとした拍子に心臓のドキドキ(動悸)やハァハァと荒い呼吸(息切れ)が増え、不安を覚えることも多いもの。その理由とケア法をまとめます。

妊娠後期の動悸や息切れはなぜ起こる?

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妊娠中の動悸や息切れには次のようにいくつかの理由があり、複合的に影響して起こります。どの理由も妊娠による生理的な体の変化で、「動悸」「息切れ」を感じることは一般的なことと言えます。

血液の量が増えて、心臓の負担が増す

妊娠すると体内を巡る血液量が増えるので、1分間に心臓から全身に送り出す血液の量(心拍出量)が増えることになり、心臓の負担が増えます。感じるドキドキ(動悸)は、心臓が普段以上にはたらいている鼓動です。

呼吸が浅くなり、回数が増える

赤ちゃんが育ち、子宮が大きくなるにつれ、横隔膜を押し上げます。すると呼吸は自然に浅い呼吸(胸式呼吸)になってしまいます。そもそも横隔膜が押し上げられることにより、肺も潰れたようになり、出産するまで一時的に体積が小さくなっています。こうしたことからハァハァと荒い呼吸(息切れ)が増えます。

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妊娠が進むと呼吸の仕方にも変化がみられます。

また、妊娠の進行と共に酸素を必要とする量が増え、ホルモンの作用で呼吸する回数も自然に増えることもあって、息切れを感じやすくなります。

貧血によっても動悸・息切れを感じやすい

妊娠が進むと赤ちゃんへの血流と鉄分供給が増えるので、鉄が不足しやすく、鉄欠乏性貧血になりやすい状態です。

そもそも全身に酸素を送る「ヘモグロビン」は鉄分を多く含む色素で、鉄分が不足するとヘモグロビンも減少し、酸素の運搬能が低下して、息切れしやすくなります。

以上のようなことから妊娠期間中、お腹が大きくなるに従って動悸や息切れを感じる人は増えます。

妊娠8ヶ月(28〜31週)には心拍数が最大になり、妊娠36週ごろ(妊娠10ヶ月の1週目)には血液循環量が最大となって貧血状態になりやすいため、妊娠後期は動悸や息切れが激しくなる時期です[*1]。

松峯先生: 「特に妊婦さんが肥満の場合、心臓にかかる負担がより大きくなるため、動悸などの苦しさはより強くなってしまうことがあります。妊娠中に適正体重を保つことは、心臓への負担を増やさないためにも大切なことなのです」

動悸や息切れがしたら治療する?

ほとんどの場合、動悸や息切れの原因は妊娠によって起こる体の生理的な変化のため、薬の必要な貧血を除けば、治療などは基本的に行われないでしょう。なるべく楽に過ごせるように、生活上で工夫をすることが大切です。

後半で紹介する呼吸と貧血予防のセルフケアは、松峯先生がクリニックで妊婦さんにアドバイスしている方法です。無理のない範囲で試してみましょう。

松峯先生: 「苦しいときには休憩をとりましょう。仕事中に苦しくなることがあるなら主治医に『母健連絡カード(母性健康管理指導事項連絡カード)』を書いてもらい、職場に提出して、休憩の時間延長や回数増、動悸や息切れがしやすい作業の交代などを求めるのもいいかもしれません。

カードを提出する前には、症状や配慮して欲しいことなどを身近な上司に伝え、あらかじめ対処法について相談しておくと、よりスムーズでしょう」

「母健連絡カード」は、厚生労働省が「母性健康管理に関する企業の義務」を定めて、すべての職場と働く人(パートや派遣社員など就業形態を問わない)を対象に活用が呼びかけられているもの。女性が働きながら安心して妊娠・出産を迎えるために設けられている制度です。ぜひ活用しましょう。

動悸や息切れを緩和するセルフケア

動悸や息切れを緩和したい場合は、次のようなセルフケアを試してみると良いでしょう。

息を吐き切る腹式深呼吸

隙間時間などにお腹を使った深呼吸を行い、普段もなるべく浅い呼吸が続かないように気をつけてみましょう。特にゆっくり息を吐き切ることを意識して呼吸をするようにしてみてください。

ヨガやスイミングで深呼吸&リラックス

妊娠期間中、運動を続けていた人はしっかりと呼吸をしながら、慣れている運動を無理のない範囲で続けましょう。

松峯先生: 「ゆったりとした動きで、深呼吸やリラックスに重点を置くタイプのマタニティヨガやマタニティスイミング、もしくは水中ウォーキングなど、適度な運動が動悸や息切れのセルフケアとして役立ちます。生理的な理由による動悸や息切れ以外に体調に問題がなければ妊娠後期も行えます」

貧血を防ぐセルフケア

動悸や息切れを予防・軽減するために、貧血の予防も続けましょう。

妊婦健診を受ける

そもそも妊婦健診では、動悸や息切れの原因が妊娠による生理的で問題ないものかどうかも診てもらえます。そして血液検査では必ず貧血のリスクがチェックされます。定期的に血液の状態を確認することが貧血予防としてまず欠かせません。

貧血を防ぐ食事

多様な食材を食べて、十分な鉄分を食事から補給しましょう。偏った食事をとると、特定の栄養素をとり過ぎることもあるので、食事はバラエティ豊かにすることが大切です。

松峯先生: 「栄養の偏りを防ぎたいときは『1週間~10日の間で何を食べた』と考えて、特定のものに偏らないようにメニューを選んでください。たとえば、食べたいものリストを作り、1つずつクリアしていくなど、食事を楽しめば、自然に重複が避けられるかもしれませんね。補助的に鉄分を添加した機能性表示食品などを利用するのもいいでしょう。乳製品などの食品のパッケージの表示を見て、上手に活用を!」

まとめ

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妊娠後期の動悸や息切れの原因は妊娠による生理的なものであることが多く、妊婦健診で主治医から特別な注意を受けていない場合は心配しすぎなくて大丈夫です。ただし、症状が急に変化したり、生活に支障をきたしたりして心配な場合は、早めに主治医に相談しましょう。また普段からなるべく深い呼吸を心がけ、心身共にリラックスをして過ごすこと、貧血予防に注意することがセルフケアとして役立つでしょう。

この記事の監修ドクター 松峯美貴先生 医学博士、東峯婦人クリニック副院長、産前産後ケアセンター東峯サライ副所長(ともに東京都江東区)妊娠・出産など女性ならではのライフイベントを素敵にこなしながら、社会の一員として悠々と活躍する女性のお手伝いをします!どんな悩みも気軽に聞ける、身近な外来をめざしています。 http://www.toho-clinic.or.jp/

(文・構成:下平貴子、監修:松峯美貴先生)

※画像はイメージです

参考文献 [*1]「病気がみえるvol.10 産科」(メディックメディア),p10 ・心疾患患者の妊娠・出産の適応,管理に関するガイドライン(2018 年改訂版) ,p11 https://j-circ.or.jp/old/guideline/pdf/JCS2018_akagi_ikeda.pdf ・厚生労働省e-ヘルスネット 貧血の予防には、まずは普段の食生活を見直そう https://www.e-healthnet.mhlw.go.jp/information/food/e-02-008.html ・国立循環器病研究センター 循環器病あれこれ 心不全 http://www.ncvc.go.jp/cvdinfo/pamphlet/heart/pamph07.html ・厚生労働省委託 母性健康管理サイト 妊娠・出産をサポートする女性にやさしい職場ナビ 「母健連絡カード」(母性健康管理指導事項連絡カード)について https://www.bosei-navi.mhlw.go.jp/renraku_card/

※この記事は、マイナビウーマン子育て編集部の企画編集により制作し、医師の監修を経た上で掲載しました

※本記事は子育て中に役立つ情報の提供を目的としているものであり、診療行為ではありません。必要な場合はご自身の判断により適切な医療機関を受診し、主治医に相談、確認してください。本記事により生じたいかなる損害に関しても、当社は責任を負いかねます


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この記事の著者

マイナビウーマン子育て

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