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都心上空を旅客機が飛ぶ!? 羽田空港の離着陸新ルート計画とは

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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都心上空を旅客機が飛ぶ!? 羽田空港の離着陸新ルート計画とは

新宿、渋谷、恵比寿、六本木、品川、大井町……といった東京都心上空を通過して、旅客機が羽田空港へ着陸する新ルートが検討されていることをご存じだろうか?いよいよ始まった!住民説明会の様子はこちら:都心上空を低空飛行、本当に大丈夫?「羽田新ルート」住民説明会で聞いてみた国際線の増便をめざし、離着陸ルートの一部を変更する計画

羽田空港への離着陸コースについて、新ルートの検討が始まっている。目的は2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催や、訪日外国人観光客の増加による国際線の需要拡大を受け、旅客機の増便を実現するため。現在は騒音問題などを考慮して東京湾上空を通過する離着陸ルートを使用しているが、このうち一部を都心上空通過ルートに変更することで滑走路を効率的に運用し、国際線の増便をはかるという計画だ。

具体的には2つの新ルート案が示されている(下記参照)。

1)南風時(15時~19時)
現在は浦安市方面を通過してB・D滑走路に着陸しているルートを、東京都心上空を通過してA・C滑走路に着陸するルートに変更する。離陸ではB滑走路を使用し、川崎市上空を通過するルートを新設する。このルートは15時~19時のピーク時のみ使用、その他の時間帯は現在のルートを使用する。

【画像1】左は現在の飛行経路。右は新ルート案(2016年5月時点)(出典/国土交通省)

【画像1】左は現在の飛行経路。右は新ルート案(2016年5月時点)(出典/国土交通省)

2)北風時(6時~10時30分、15時~19時)
現在は東京湾上空で高度を上げて、騒音の影響を小さくした後に千葉県や東京都の上空を通過している。新ルートは高度を上げながら、やや直線的に江東区・江戸川区・墨田区・葛飾区上空を通過する経路に変更する(着陸ルートは現在と同じ)。朝(6時~10時30分)と午後(15時~19時)のピーク時のみ使用、その他の時間帯は現在のルートを使用する。

【画像2】左は現在のルート。右は新ルート案(2016年5月時点)(出典/国土交通省)

【画像2】左は現在のルート。右は新ルート案(2016年5月時点)(出典/国土交通省)

南風の夕刻には新宿、渋谷、恵比寿、大井町……と飛行機が連なる?

新ルートが採用されると初台、渋谷、目黒、大井町を通過するA滑走路ルートが1時間に13便※、新宿、表参道、広尾、品川、大井ふ頭を通過するC滑走路ルートが1時間に31便※の使用が想定されている。
※到着回数

【画像3】南風時のA・C滑走路への着陸ルート案(着陸1,000ft周辺)(出典/国土交通省)

【画像3】南風時のA・C滑走路への着陸ルート案(着陸1,000ft周辺)(出典/国土交通省)

【画像4】南風時のA・C滑走路への着陸ルート案(着陸2,000ft周辺)。新ルートの運用が始まれば、新宿や品川の高層ビル街の上を次々と着陸する旅客機の姿が、東京の新絶景ポイントとなるかもしれない(出典/国土交通省)

【画像4】南風時のA・C滑走路への着陸ルート案(着陸2,000ft周辺)。新ルートの運用が始まれば、新宿や品川の高層ビル街の上を次々と着陸する旅客機の姿が、東京の新絶景ポイントとなるかもしれない(出典/国土交通省)

気になるのは騒音の問題だが、こちらも想定値が公表されている。着陸ルートで一番滑走路に近い市街地はJR大井町駅から京浜急行立会川駅の周辺になりそうだが、滑走路から約6km・高度約300mで旅客機が通過するときに、瞬間最大値は約76~80dB(デシベル)とされている。70dBは騒がしい街頭や電話のベルの音、80dBは窓を開けた状態の地下鉄の車内程度とされ、影響は小さくはなさそうだ……。

大井町とほぼ同じ条件にある新大阪駅の様子は?

実は、滑走路からの距離が大井町駅とほぼ同じ条件の市街地が大阪にある。大阪国際空港(伊丹空港)の着陸ルートの真下にあるJR新大阪駅だ。筆者は大阪在住なので新大阪駅の様子はよく知っているのだが、独特の甲高い音を響かせながら迫ってくる旅客機は、かなりの“存在感”がある。着陸時にはエンジン出力を絞っているので轟音とまでは感じないが、思わず空を見上げてしまう人もいるだろう、というレベルだ。

【画像4】新大阪駅のホームで、飛行機の通過に驚いた経験のある人もいるのでは?(写真撮影/井村幸治)

【画像4】新大阪駅のホームで、飛行機の通過に驚いた経験のある人もいるのでは?(写真撮影/井村幸治)

【地図】新大阪駅は滑走路から約6km、羽田空港A滑走路から大井町駅の距離とほぼ等しい

伊丹空港は以前から騒音問題が課題でさまざまな施策も実行されている(関西空港も伊丹空港の移転先として建設されたものだ)。新大阪駅より、もっと空港に近いエリアでは住宅の移転や、防音対策やエアコン設置などの補助も行われてきた。また、騒音が大きい4発機(エンジンが4つあるB747型機など)の離着陸は許されておらず、低騒音の小型プロペラ機の運用も多い。

羽田空港とは条件が違う点も多いのだが、着陸ルートの真下でも市民生活が営まれているのは事実である。

【画像5】大阪も都心部の上空を飛行機が通過していく(左)伊丹空港へ着陸直前、新大阪駅を上空から見下ろす(右)(写真撮影/井村幸治)

【画像5】大阪も都心部の上空を飛行機が通過していく(左)伊丹空港へ着陸直前、新大阪駅を上空から見下ろす(右)(写真撮影/井村幸治)

【動画】注意:動画再生時には音声が流れます

羽田空港の場合も当然、環境対策は考えられている。住民へ向けた説明会も既に実施され、さまざまな意見も寄せられているようだ。2016年の夏にはその結果をふまえ環境に配慮した方策が公表される予定だ。また、各区の区議会などでも質疑がなされている。現在住んでいるエリア、住もうとしている街への影響が気になる方は、詳しく調べてみてはどうだろうか。

もし、飛行機の騒音や機体の迫力を実体験したいならば、伊丹空港や、福岡空港、成田空港など市街地にある空港で、飛行機の着陸ルートに立ってみるといいだろう。滑走路からの距離はGoogleマップの距離測定機能を使うと簡単に算出できるので活用してみよう。

●参考
・羽田空港のこれから(国土交通省)
・大阪国際空港の環境への取り組み(大阪府)
・航空機騒音の低減(大阪国際空港) 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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