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ネコの街と呼ばれる谷中ってどんな街? 住民の方と一緒に散策してみた

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当記事はSUUMOジャーナルの提供記事です

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ネコの街と呼ばれる谷中ってどんな街? 住民の方と一緒に散策してみた

東京の谷中、根津、千駄木。「谷根千」と呼ばれる界隈は、下町の雰囲気を色濃く残す人気の街だ。なかでも谷中は「ネコの街」として知られ、人に慣れた猫たちが悠々と街を往来している。雑誌やテレビの散歩特集などで取り上げられることも多いが、一方で、その住環境について語られることはあまりないように思う。
そこで、知られざる谷中の「住み心地」を調査すべく、住民の方を案内役にその魅力を掘り下げてみることにした。

迷路のような路地裏

今回ガイドしてくれるのは、谷中在住歴15年というサッサさん。ネコの雑貨販売を生業にしており、「ネコの街」の案内人としてはうってつけである。

サッサさん。たまたま訪れた谷中に惹かれ、住みつくようになったという(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

サッサさん。たまたま訪れた谷中に惹かれ、住みつくようになったという(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

JR日暮里駅を出て最初に訪れたのは、「夕やけだんだん」。夕焼けの美しさで知られる名所である。ここを下ると、これまた名物商店街の「谷中銀座商店街」へつながるのだが、商店街は通らず手前の道を脇へと逸れるサッサさん。

夕暮れ時には、階段に座って風景を眺める人の姿も(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

夕暮れ時には、階段に座って風景を眺める人の姿も(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「谷中銀座商店街は休日になると観光客で溢れかえるので、あまり私は行かないんですよ」とのこと。

そう言って、静かな路地をするする抜けていく(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

そう言って、静かな路地をするする抜けていく(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

確かに、商店街を一歩隔てただけの路地は静かで、誰ともすれ違わない。ここをゆっくり散歩するのが、サッサさんの日課だ。

「谷中は路地裏がいいんですよ。少し脇道に入ると、どこに続いているか分からない曲がり道や素敵な細い道がたくさんある。何度通っても迷路のように迷い込んでしまう。私は、そこに惹かれたんですよね」

下を流れる川に沿ってできた「蛇道」(写真撮影/小野洋平)

下を流れる川に沿ってできた「蛇道」(写真撮影/小野洋平)

なお、この路地の多さこそ、ネコが住み着いた要因の1つだという。

「どの路地も車が通れないほど狭いでしょ? それに古くから神社仏閣や墓地が多いエリアなので、ネコも安心してのんびり暮らせていたんです」

こちらはつつじの名所として知られる根津神社(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

こちらはつつじの名所として知られる根津神社(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

今と昔が混在する街並み

また、なんといっても古い街並みの美しさ。木造の長屋が並ぶ下町らしい風景が、サッサさんのお気に入りだ。

「初めて谷中に訪れたとき、その美しさに感動したんです。それから『こんな街に暮らしてみたいな』と思い焦がれていたらご縁があり、2年後に引越しを決めました」

サッサさんを魅了した木造長屋の街並み(写真撮影/小野洋平)

サッサさんを魅了した木造長屋の街並み(写真撮影/小野洋平)

最近は古い建物を活かし、リノベーションしたカフェがオープンするなど、谷中らしい景観を残そうとする動きも見られる。しかし、その一方で、近代的な外観の建物も急速に増えているそうだ。

「最近になって、新しい住民は増えましたね。東大や芸大が近いので学生はもともと多かったんですけど、ここ数年は単身者らしき大人の方もよく見かけます。耐震の関係で建て替えをする家も多く、一人暮らし用の手ごろなアパートなんかが見つかりやすいのだと思います」

寺町らしい一画。正面に見えるのは谷中のシンボル、樹齢90年を超えるヒマラヤスギ。なんと、植木鉢から育てられ、ここまでの巨木になったという(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

寺町らしい一画。正面に見えるのは谷中のシンボル、樹齢90年を超えるヒマラヤスギ。なんと、植木鉢から育てられ、ここまでの巨木になったという(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

さて、下町というとコミュニティが若干閉鎖的というイメージが筆者にはあった。しかし、ヨソからやってきたサッサさんは、完全に街に溶け込んでいる様子。街を散策中、幾度もすれ違う人とあいさつを交わし、時には立ち話に花が咲いた。

「さっきの人は行きつけの飲み屋で知り合ったおかあさんです。お祭りの神輿に誘ってくれたり、いま住んでいるお家も見つけてもらったんです」

なんでも、昔からの住民は「世話好き」が多いとのこと。

「何か困ったことがあったら助けてくれる良い方ばかりですよ。もはや地元にいるのと変わらない感覚ですね。行きつけの飲み屋は親戚の家みたいな雰囲気だし、新旧の住民が密接な関係になりやすいのも谷根千ならではだと思います」

どうやらここにはリアルに「下町の温かさ」が根付いているようである。

散策中に出会ったネコ(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

散策中に出会ったネコ(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

ちなみに、谷中の住民は人だけでなくネコにも温かいそうだ。

「近所に住む人たちは、野良猫でも責任を持って世話するんです。だから、街も汚れずに多くのネコが住み着いたんですよ」

しかし、その一方でこんな話も。

「ただ、じつは谷中のネコは年々減少しています。というのも、区のボランティアによって、去勢・避妊手術を行い、殺処分ゼロ・野良猫ゼロにする運動を行ってきたからです」

野良猫が際限なく増えれば、糞害などのトラブルも起こる。谷中のネコに癒やしを求める観光客は多いが、住民にとっては可愛いだけでは済まされないストレスもあるのだろう。数年前から区のボランティアグループが立ち上がり、「ネコの街」は新たな転換点を迎えているという。

そんな谷中の生活環境とは?

さて、最後に谷中の生活環境に目を向けてみよう。まずは買い物事情。生活必需品は、谷中銀座商店街に交わる「よみせ通り」でそろうとのこと。

地元民が行き交う「よみせ通り」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

地元民が行き交う「よみせ通り」(写真撮影/SUUMOジャーナル編集部)

「大きな買い物をするときは上野に行きます。自転車で10分弱くらいなので不自由ないですね。それから、電車も日暮里駅や千駄木駅が使えるので便利ですよ。どこにでも出やすいです。ただ、街中は坂が多くて体力がないときついかな。私は自転車によく乗りますが、すぐにブレーキがすり減ります(笑)」

長い一本道の坂。足腰が鍛えられそうだ(写真撮影/小野洋平)

長い一本道の坂。足腰が鍛えられそうだ(写真撮影/小野洋平)

谷中近辺の家賃相場は?

そんな谷中の気になる家賃相場を見ていこう。JR日暮里駅の一人暮らし用賃貸物件(駅徒歩10分圏内、20~30平米のワンルーム・1K・1SK)の相場は8.9万円、物件数は824件もヒットした。ただ、サッサさんいわく、古くから残る物件もあれば最近建て直された物件もあるのでピンキリだという。

また、参考までに谷中近隣の街の家賃相場は以下のとおり。

●谷中まで15分以内の家賃相場が安い駅ランキング(TOP10)

1位 谷在家(日暮里・舎人ライナー)/14分/5.8万円/物件数175
2位 お花茶屋(京成電鉄本線)/15分/6.5万円/物件数249
3位 江北(日暮里・舎人ライナー)/11分/6.6万円/物件数146
4位 荒川二丁目(都電荒川線)/14分/6.6万円/物件数24
5位 小菅(東武伊勢崎線)/14分/6.6万円/物件数146
6位 扇大橋(日暮里・舎人ライナー)/8分/6.8万円/物件数115
7位 高野(東京)(日暮里・舎人ライナー)/10分/6.8万円/物件数111
8位 西新井大師西(日暮里・舎人ライナー)/13分/6.8万円/物件数162
9位 東尾久三丁目(都電荒川線)/14分/7.0万円/物件数65
10位 堀切菖蒲園(京成電鉄本線)/13分/7.1万円/物件数526

というわけで、街歩きで見えてきた谷中の特徴をまとめると…

・車も入れないほどの路地が迷路のように入り組んでいる
・古い長屋や神社仏閣、坂など昔ながらの景観が残る
・一方で、新しい住居も増えつつある
・ここ数年、単身者を中心に新しい住民が多く見られる
・昔からの住民は世話好きな方が多く、仲良くなりやすい
・実は野良猫は減りつつある

「ネコと商店街」のイメージが強かった谷中だが、ネコは減り、新しい住民の方が増えている。一方で「世話好き」など、いわゆる下町の人情みたいなものはしっかりあって、サッサさんとご近所さんとのふれあいには、取材中何度もほっこりさせられた。これからさらに新しい住民が増えても、そういうベタな“下町的エモさ”は残り続けてほしい。帰り際、夕やけだんだんから赤く染まる街並みを眺めつつ、そんなことを思った。

●取材協力
・谷中草庵 住まいに関するコラムをもっと読む SUUMOジャーナル

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SUUMO

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