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「いたしません」「私、失敗しないので」という名セリフでおなじみのフリーランス外科医・大門未知子が今年も帰ってきた。昨年10月から放送された第4シリーズも高視聴率を記録した『ドクターX』への想いとは…。
1975年生まれ。1992年「第6回全日本国民的美少女コンテスト」審査員特別賞を受賞。7年間モデルとして活躍後、2000年に女優へ。ドラマや舞台を中心に数多くの作品に出演し、2017年7月にはミュージカル『シカゴ』で2度目のブロードウェイミュージカルの主演を果たし、より演技力に磨きがかかっている。
群れを嫌い、権威を嫌い、束縛を嫌い、「いたしません」「私、失敗しないので」という名セリフで気高く振る舞う、孤高のフリーランス外科医・大門未知子が、今年も帰ってきた。2012年にスタートした『ドクターX』は、10月の放送より待望の第5シリーズへと突入している。
「このドラマが始まった5年前、シリーズ化されるなんて全然思っていませんでした。ただ、視聴率がすごくよくって、たくさんの方に観ていただいて、“これはもうやらなきゃいけないね。やってみる?”っていう感じになって…。第2章、第3章、第4章と毎シリーズ始まっては“もう最後ね”ってね」
高視聴率の人気ドラマであれば、“また、続くかも”とか“次のシリーズにどうつながっていくんだろう”と、期待を抱くのが当然の流れではと思われるのに、『ドクターX』の現場の空気はちょっと違うようだ。
「どういう病気に立ち向かうかというところから始まって、さらにストーリーをつける。ふたつのスト―リーを起こさなければいけないので、書く人たちは本当に大変で、そう簡単にはアイデアも出てこないと思うんですよね。オペをするシーンも、最初と今では比べ物にならないくらい複雑になっているから、演じる私たちもどんどん役に集中できるようになってきています。また画面上には病気の手術をするときに、この病気はこういうことになっていて… という画像での説明が出てくるんですけれど、そういうのを考えるのも本当に大変でしょうし。いろいろな方の苦労を考えると、いつも“最後だね”って思いながらやっています」
シリーズ化され、長くやっていると、みんなが期待に応えようと、スキルが上がり、チーム力も高まる。
「カメラを撮る位置でスタッフとケンカすることもありますよ。『そんな下から撮ると、私たち二重アゴになっちゃうじゃない!』『でもここは下から撮りたいし!』って(笑)。それぞれのポジションで作品への想いというものがあって、よいものを作りたいがゆえに主張もぶつかり合ったりしてます。役をつくる・演じるにあたって、どんな風に出来上がっていくのかなっていう不安がどんどん消えていって、阿吽の呼吸が出てくるのもシリーズ化されている現場ならではだと思います。なかなかお会いすることはないんですけれど、私が演じる“大門未知子”にぴったりの歌を毎回作ってくださっているSuperflyさんともつながっているという感じがものすごくしますし」
とにかく楽しい現場という米倉さん。みんなが楽しく厳しくありたいという思いが、チームの中に伝わることが大事と感じているそう。彼女が演じるフリーランスドクター・大門未知子は、ご自身にとってどんな存在なのか伺うと
「セリフとか医療用語とか大変なんですけど、自分にとっても近いところもあって役柄としてはすごく甘えられちゃう役ですね。凛としている姿とか、大好きな人には心を許して甘えられるところ、大好物を気取らずに食べる姿とか、やりやすくて頼れる存在です。でも彼女のほうが全然強くて、嫌なものは嫌と言える、やれることはしっかりやれる、失敗がないっていうのは、私にとってすべて理想の姿ですね。名セリフの一つでもある『私、失敗しないので』。実は最初あまり好きじゃなかったんですよ。そういうこと言う人についていく人いる? って思っていましたから。でも大門未知子についてきちゃうんですよ、ふふふ(笑)。ウソがない彼女に、自然と人がついてくるのも魅力的です」
シリーズごとに進化している大門未知子を、自信をもって演じられるまで練習をする。それが視聴者のみなさんやスタッフ・共演者の方々の期待に応えるための術だと、強い思いを伝えてくれた。
台湾ではすでに放送されている『ドクターX』だが、この10月から世界200の国と地域に前作までのシリーズが配信されている。
「大門未知子が世界に配信される?どうしてそんなことになったんだろうという気持ちは大きいものの、うれしいことではありますね。ただ、どれくらいの方が観てくださるのかわからないという不安もあります」
どこまでも謙虚な姿勢を崩さない米倉さんだが、彼女が5年前から作ってきた作品は日本を代表するドラマとなり、全世界へと羽ばたいている。国内でも過去に放送された4シリーズが配信されているので、ぜひ振り返りながら、放送中の『ドクターX』に今秋ハマりたいものだ。
脚本/林 誠人、寺田敏雄、香坂隆史
出演/米倉涼子、内田有紀、遠藤憲一 他
10月12日(木)スタート 初回15分拡大スペシャル!
毎週木曜 21:00~21:54 テレビ朝日
TEXT / Ikumi Aihara
PHOTO / Mizuaki Wakahara(D-CORD MANAGEMENT LTD.)
STYLING / Yasuomi Kurita(étrenne)
HAIR MAKE / Aya Ishikawa
この記事のライター
Poco'ce
19076
「ちょっと幸せ」をテーマに、グルメ・美容・健康・カルチャーなど、女性に うれしい情報満載のフリーマガジン「Poco'ce( ポコチェ)」を発行しています。価値ある良質な情報を求める世代に向けて、「美・食・遊・学」を厳選してお届けし、 東京の働く女性たちを応援しています。
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